1.外耳炎
耳には自浄システムがある
猫ちゃんの耳から悪臭がする場合、外耳炎を発症しているかもしれません。「外耳」とは鼓膜よりも外側の部分で、分泌物によって汚れが耳の奥から外に押し出される浄化システムになっています。
しかし、耳の構造の個性や細菌の過剰な繁殖、寄生虫などが原因でその浄化システムが負けてしまい、外耳の部分に炎症が起こることを外耳炎と呼びます。
外耳炎の症状
外耳炎の症状は
- 耳を痒がる
- 耳の内側が赤くなっている
- 悪臭がする
- 過剰な耳垢が出る
などがあります。
猫ちゃんの耳から悪臭がすることに加えこのような症状が見られた場合、外耳炎を起こして耳の衛生状態が悪くなっていることが疑われます。
2.内臓や口内のトラブル
口臭がツンとした悪臭になったら要注意
愛猫が「鼻チュー」をしてきたり、目の前であくびをしたときなどに「フードくさい!」と感じることがあるかもしれません。
猫ちゃんのお口がフードのニオイならば特に心配いりませんが、ツンとした嫌なニオイを感じたらトラブルのサインである恐れがあります。猫は全身を舐めてセルフグルーミングをしますので、強い口臭と同じニオイが身体からもすることもあります。
口臭が悪臭になる原因
通常猫の口臭はそれほど強くなく、したとしてもフード由来の口臭です。
しかし、愛猫の口臭が悪臭になったときには
- 胃腸・腎臓など内臓のトラブル
- 口内のトラブル
が考えられます。
内臓にトラブルがあると下痢になることもありますし、腎不全になるとアンモニア臭がします。口内炎や歯周病があると痛みによって食欲不振が見られることもあります。
3.排泄のトラブル
お股やおしりが臭い場合
お股やおしりのあたりから悪臭がする場合には、排泄にまつわるトラブルが疑われます。
お股やおしりまわりの悪臭の原因には
- 肛門腺のトラブル
- 泌尿器系疾患
- 生殖器系疾患
の3つが考えられます。
肛門腺のトラブル
猫には肛門の両サイド斜め下あたりに「肛門嚢」という分泌器官があります。肛門嚢は分泌液を一時的に溜めておく袋で、その分泌液である「肛門腺」はマーキングをするための強いニオイがするのが特徴です。
本来はうんちをする時に一緒に排出されますが、極度に興奮した時に排出されることもあります。しっかりと自然に排出されている場合は心配いりませんが、何らかの原因によって排出することができずに肛門腺が溜まり続けてしまうと、炎症を起こしたり肛門嚢が破裂してしまうことがあります。
泌尿器や生殖器の細菌感染の疑い
膀胱や尿道に細菌感染があると、おしっこの中に膿が混ざる「膿尿」が見られることがあります。膿が混ざることによっておしっこに異臭がすることがあります。また、メスの場合は子宮に細菌感染を起こして膿が溜まる「子宮蓄膿症」を起こすと、お股から異臭がすることがあります。
このように、お股やおしりから異臭がする場合にも疑われる病気がいくつかありますので、愛猫の様子をよく観察して異変がある場合は早めの受診をしてあげましょう。
まとめ
我が家には犬も猫もいますが、猫の体臭は犬に比べるとはるかに臭くありません。猫の身体に鼻を密着させて思いっきり嗅ぐと「ほんのり個性を感じる体臭がするかな」というくらいです。猫は獲物を一瞬で仕留める狩りのスタイルなので、できるだけ体臭がしない方が獲物にバレにくくメリットがあったと考えられます。
そんな猫の身体から強い悪臭がする場合には、身体のどこかでトラブルが起こっていることが疑われます。どの部分から悪臭がするのかを突き止めると原因解明がスムーズです。
悪臭のほかにも下痢や食欲不振、発熱などの異変が見られる場合には早急に受診してあげましょう。