猫が肥満になる理由と対策

猫が肥満になる理由と対策

猫は意外と太りやすく痩せにくい傾向にあります。大切な愛猫を肥満から守る手立てはあるのでしょうか?今回は猫の肥満の原因とその対策についてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫はなぜ太る?

浮かない表情の猫

若い頃はスマートだったのに、いつの間にかぽっちゃしている。これは猫にありがちな現象です。飼い主さんですら原因がイマイチ分からないことも少なくないでしょう。

猫はなぜ太るのでしょうか?日常生活に潜む意外な落とし穴に目を向けてみましょう。

猫は意外と動かない

眠る猫

猫の語源は「寝子」という説が有力なことからも分かるように、猫はよく寝る動物です。健康的な成猫でも1日10時間はトータルで眠っています。

優れた身体能力から、猫はエネルギッシュなイメージがあるかもしれません。しかし、それはほんの一瞬見せる瞬発力がそう思わせているのです。

肉食動物である猫は、なるべくエネルギー消費せずに効率よく狩りを行います。そうでなければ飢え死にしてしまうからです。

先祖代々、効率重視の生活を送ってきたことから、猫は案外動かないものなのです。それが、ぽっちゃりを通り越して肥満に繋がる要素になってしまいます。

家猫はとくに運動不足になりがち

PCの近くで眠る猫

野生の猫は、狩りするために確実に体を動かすタイミングがあります。では、家猫の場合はどうでしょうか?自力で食料を調達せずに食事にありつけます。そして、天敵に追われて逃げることもほぼありません。

このように、家猫は野生の猫以上に運動不足になりがちなのです。それは年齢を重ねるごとにより一層活動性が低下していきます。

魅惑のおやつも肥満の原因

おやつを食べる猫

猫の主食は「総合栄養食」という部類のフードです。「一般食」はおかずのようなもので、いわばトッピングになります。そして人間にとっても、猫にとってもおいしいのが「間食」です。

風味がより良いおやつは、持っているだけでも猫が寄ってくる魔法のアイテムです。猫も積極的におやつをくれる人には、自然と警戒心を弱めてしまいます。

あげると喜び、確実に猫と仲良くなれる。さらに猫としてもありがたい存在。この悪循環が、後に肥満や糖尿病を引き起こす原因となります。良かれと思ってしたことが悲しい結果を招いてしまうのです。

去勢によるホルモンバランスの変化

術後服を着る猫

将来的に繁殖を望まない場合、避妊・去勢手術を受けることが推奨されます。これは、主に生殖器系の病気やスプレーを防ぐメリットがあります。

その反面、術後はホルモンバランスの変化が生じることから太りやすくなってしまいます。体重の急増は、避妊・去勢後に起こりやすいのです。

しかしこの現象は、後に紹介する対処法を心がけながら生活することで、ある程度予防することが可能です。

肥満を防ぐために飼い主さんができること

エクササイズする人に乗る猫

家猫の場合、ひとりで肥満予防をすることは困難です。飼い主さんのサポートが必要不可欠です。ここからは、肥満を防ぐ方法をご紹介いたします。

狩りごっこで定期的に運動しよう!

おもちゃで遊ぶ猫

活発に遊ぶ子猫時代はそれほど心配ありませんが、やはり去勢後は積極的に体を動かすことが重要です。年齢的にも落ち着き始めるので、飼い主さんの介入が鍵を握ります。

家猫にも狩猟本能が残っています。猫本来の習性を活かさない手はありません。食前に興味を引くおもちゃで遊び、まるで狩りをしているような場面を演出します。そして、獲物の代わりに食事を提供します。

食後はむしろ、のんびり過ごすことが大切です。激しく運動することでかえって負担になってしまいます。

間食を控え食事の内容を見直す

食事する猫

過剰な間食は肥満への入口です。これは飼い主さんが意識しなければならない重大な問題です。肥満は尿路結石や糖尿病の原因になります。

このような病気になると食事療法や薬による治療が必要になります。治療のための食事の変更は、猫に負担や不満を抱かせることがしばしばあります。一般的な総合栄養食に比較すると嗜好性が劣ることがありますし、間食も制限されます。

太りすぎないように、ミネラル量が猫にとって多すぎないように間食を減らし、年齢に応じた食事を食べさせるように心がけましょう。特に避妊・去勢手術後は、避妊・去勢後の猫に適したフードを選ぶことをおすすめします。

まとめ

ぽっちゃりな猫

健康的な成猫の適正体重は3~5kg程度です。6kgを上回るようであれば、生活改善を検討する必要があります。(メインクーンなどの大型猫は除く)猫も腹八分目、適度な運動がポイントです。

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