【獣医師監修】猫に魚肉ソーセージは与えてはいけない!理由を解説!

【獣医師監修】猫に魚肉ソーセージは与えてはいけない!理由を解説!

魚肉ソーセージを食べている時に、猫におねだりされた経験はありませんか?「魚が原材料なので大丈夫なのでは」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、猫に魚肉ソーセージを与えることはおすすめできません。今回は猫に魚肉ソーセージを与えないほうが良い理由や、食べてしまった時の対処法などについてお伝えします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が魚肉ソーセージを食べるのは良くない

魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージは魚のすり身に豚脂、香辛料、調味料などを練り合わせた加工食品です。通常の魚肉ソーセージ以外にも、チーズや粗挽き肉などを混ぜているものもありますが、それは「特殊魚肉ソーセージ」と呼びます。

原材料が魚なので、猫に食べさせても良いのではと思う方もいるかもしれませんが、魚肉ソーセージは人間用に作られたものなので、猫に与えてはいけません。

猫が魚肉ソーセージを食べるのは良くない理由

魚肉ソーセージにかぶりつく猫

塩分が多い

一般的に練り物には多くの塩分が含まれていますが、魚肉ソーセージは他の練り物と比べても塩分量が多めです。人間が食べた時に美味しいと感じる塩分の量は、猫にとっては過剰摂取となります。

猫が塩分を摂りすぎると血圧が上昇し、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。猫が人間用の魚肉ソーセージを食べるということは、腎不全などの病気にかかるリスクを高めるということにつながります。

香辛料

多くの魚肉ソーセージは、魚の匂いを消すために、ジンジャー、ナツメグ、ペッパー、シナモン、クローブ、オールスパイスなど数種類の香辛料を練りこんで作ってあります。

猫にとって香辛料は刺激が強く、胃腸への負担が大きいようです。大量に摂取すると、嘔吐などの胃腸障害を引き起こす原因となるほか、肝臓や腎臓といった臓器にも影響をおよぼす可能性もあります。

添加物

添加物の中には、人間は安心して食べられても、猫の体では安全性が確認できていないものもあります。猫は人間に比べて体が小さく、そのぶん体内から添加物を排出する力も弱いので、毒素が蓄積しやすいといわれています。

魚肉ソーセージに使用されている化学調味料には、グルタミン酸ナトリウムなどがあります。これは塩と同じくらいのナトリウムが含まれていますので、猫には与えないほうが良いでしょう。

タマネギ

特種魚肉ソーセージの中には、タマネギが入っているものもあります。猫にとってタマネギは危険な食べ物です。タマネギが猫の体内に入ると、「アリルプロピルジスルファイド」と呼ばれる辛み成分が体内のヘモグロビンを酸化させ、溶血性貧血や急性腎障害といった症状を引き起こします。これは「タマネギ中毒」と呼ばれ、ひどい場合は命に関わることもあります。

猫が魚肉ソーセージを食べてしまったら

嘔吐している猫

もし猫が人間用の魚肉ソーセージを食べてしまった場合は、しばらく様子を見てください。原材料の中に中毒を起こすものが含まれていた場合は、注意深く観察する必要があります。特に子猫の場合は重症化しやすいので、嘔吐や下痢などの症状が見られたら、迷わず動物病院へ連れて行きましょう。

受診の際はソーセージの成分がわかるパッケージや、食べ残したソーセージを持参し、いつ、どのくらいの量を食べたのか医師に伝えてください。

猫は魚肉ソーセージを食べたがる? 

テーブルの上のソーセージに手を伸ばす猫

味で判断しているわけじゃない

人間が美味しいと感じる時は「味」が強く影響しますが、猫にとって美味しいという判断は、味よりも「匂い」や「歯ざわり」が重要です。

食べ物の味は、舌や軟口蓋にある「味蕾」(みらい)という器官で感じています。人間の舌には約一万個の味蕾があるといわれていますが、猫は人間に比べて味蕾が少なく千個程度しかありません。このため猫は味覚が鈍く、しょっぱさや甘さをあまり感じないといわれています。濃い味のものでも食べてしまうのは、味が濃いのか薄いのかの判断ができないからです。魚肉ソーセージを食べたがる場合は、味ではなく食感や匂いが好みなのかもしれません。

食べたがる場合の対策

魚肉ソーセージが好物で、飼い主さんが食べていると一緒に食べたがる猫もいるでしょう。どうしても魚肉ソーセージを与えたい時は、動物用のものにしましょう。

ペティオ(Petio)から販売されている「猫用おやつ おさかなソーセージ まぐろ」は猫用に作られた間食用のソーセージです。鉄分やDHAが豊富なマグロなどが贅沢に使われています。ちぎって与えやすいように柔らかく仕上げてありますが、猫がのどに詰まらせることのないよう気をつけましょう。

猫に普通のソーセージなら与えても大丈夫?

まな板の上のソーセージを狙っている猫

普通のソーセージも与えてはダメ

魚肉ソーセージと同じく、豚肉などで作る普通のソーセージも猫にとっては塩分が多すぎるので、与えないようにします。商品によっては猫が中毒を起こすタマネギなどが入っていることもあるので注意しましょう。どうしても与えたい時は、猫用のものを選ぶことをおすすめします。

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無防備にソーセージをテーブルに出しておくと、愛猫が匂いを嗅ぎにやってくる、という光景は良く見かけます。ソーセージの美味しそうな匂いに思わず、パクッとしてしまう猫もいます。ですが、猫にソーセージを与えるのは、良くないようです。その理由や食べてしまった時の対処法など、お伝えしていきます。

  • 食べ物
  • 食べてはいけないもの(お肉)

こちらのページでは、猫にソーセージを与えてはいけない理由や食べたときの対処法について詳しく紹介しています。また猫用のソーセージも紹介していますので、参考にしてみてください。

ペティオ (Petio) 猫用ソーセージ まぐろ 6本入

ペティオ (Petio) 猫用ソーセージ まぐろ 6本入
266円(税込)

ソーセージ以外の加工品

ソーセージ以外にも魚肉ソーセージの類似品として、蒲鉾やちくわ、はんぺんがあります。これらも猫に与えない方が良いといわれています。また人間が使う鰹節も、猫にとってはミネラルが多すぎるので控えた方が良い食べ物です。猫に人間用の食べ物を与えることは、猫の健康を害する可能性があることを覚えておきましょう。

まとめ

人が持つソーセージを見て舌なめずりをする猫

飼い主さんが魚肉ソーセージ食べていると、猫が興味を示して近寄ってくるかもしれません。愛猫かわいさに、ついついあげたくなってしまいますが、人間用の食べ物は人が美味しく食べるために加工されているため、猫に与えると危険な場合があります。 

愛猫にはいつまでも健康で長生きして欲しいですよね。そのためにも正しい知識を持ち、少しでも病気に繋がるリスクを減らしていけるといいですね。

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