猫はこんにゃくを食べても大丈夫?食べてもいい量、与える時の注意点を解説

猫はこんにゃくを食べても大丈夫?食べてもいい量、与える時の注意点を解説

こんにゃくは猫に食べさせてもよいのでしょうか?人間のダイエットフードとして知られているこんにゃくですが、こんにゃくを猫に与えてもよいのか、知っておくとよいポイントがあるのか、気になりますよね。今回は、猫にこんにゃくを与える時の注意点や、猫のダイエットとして使われる食材についてお伝えいたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫はこんにゃくを食べても大丈夫!ただし与え過ぎに注意

こんにゃく、白滝、玉こんにゃくがざるの上に置かれている

猫にこんにゃくを与え過ぎると良くない理由

猫にとってこんにゃくは食べられないものではありませんが、与え方には注意が必要です。

こんにゃくには「グルコマンナン」という水溶性植物繊維が多く含まれており、食物繊維が豊富な食品として知られています。

もともと肉食動物であった猫にとって植物繊維は消化しにくく、与えすぎてしまうと消化不良や下痢、嘔吐の症状を引き起こしてしまいます。

こんにゃくの食感はとても弾力がありますが、猫はこれを噛み切ることができません。塊のまま与えると丸飲みしてしまい、のどに詰まらせてしまう危険もあります。

猫に食べさせる時は、小さく刻んだものを少量与えるようにしてください。子猫の場合は噛む力が弱いので特に気をつけましょう。

こんにゃくを製造する過程では、こんにゃく芋の毒抜きが行われますが、この時に使用する水酸化カルシウムは、尿石症の猫に悪影響を及ぼすといわれています。

糸こんにゃくやしらたきも与えすぎない 

糸こんにゃくやしらたきも「こんにゃく芋」を原材料としているため、猫にとっては消化しにくい食品です。板状のこんにゃく同様、与える量には注意しましょう。

こんにゃくを使った製品には「こんにゃくゼリー」もありますが、こちらは猫に与えてはいけません。猫にとって消化が難しく喉に詰まりやすいという理由だけでなく、こんにゃくゼリーには人間がおいしく感じるよう甘味が足されているため、糖分を摂り過ぎてしまうことが懸念されます。

こんにゃくを猫のダイエットに使ってもいい?

体重計に乗って数値を見ている猫

人間と同様、猫のダイエットにこんにゃくを使うこともできます。ただし、こんにゃくだけでは栄養不足となってしまうので、規定量のキャットフードで栄養を摂りながら、こんにゃくで満足感をプラスします。

こんにゃくを使った犬猫用のダイエット食品を販売しているメーカーもありますので、試してみるのもよいでしょう。

ダイエットにこんにゃくを使用する場合は、猫の体調をこまめにチェックし、異常が見られたらすぐに病院を受診してください。

こんにゃく以外で猫のダイエットに効果的な食べ物

体重計に乗って上を見上げる猫

ダイエットフード

猫用のダイエットフードはカロリーを抑えつつ、猫に必要なビタミンやミネラル、たんぱく質などがバランスよく含まれているキャットフードです。

様々な種類のダイエットフードが販売されていますが、購入の際には「AAFCO(米国飼料検査官協会)」が推奨している必須栄養基準を満たしているかを確認しましょう。

ダイエットフードを与える時は、パッケージを参考にして1回の給餌量をきちんと計測してください。量が多すぎてはダイエットになりませんし、少なすぎても栄養が不足してしまいます。

量や種類について迷う時は、動物病院で相談してもよいでしょう。

ささみ

ささみは脂肪が少なめで、こんにゃくと同じく低カロリーな食品です。食べ応えもあるので、ドライフードに混ぜれば満腹感をプラスすることができます。ただし、ささみはミネラルを多く含む食材です。

ミネラルの摂りすぎは尿路結石を引き起こす原因となることもありますので、与えすぎないように注意してください。また猫に与える時には、生肉ではなく、茹でたものを与えるようにしましょう。

キャベツ

猫にキャベツを与えることはできますが、キャベツはこんにゃくと同様に、猫にとっては消化しにくい食材です。

また、尿路結石を作ってしまう恐れがあるシュウ酸や、甲状腺に影響をおよぼす恐れがあるゴイトロゲンを含んでいるので、与える量は少量にします。ダイエットフードとして使う際は、ゆでて細かく刻んだものをキャットフードに混ぜるとよいでしょう。

にんじん

にんじんはビタミンAやカリウム、抗酸化作用のあるβカロテンなどが含まれたバランスのよい野菜です。すりおろして使うことで、消化が良くなります。

形を残して使う場合は、猫が喉に詰まらせないように細かく切って使用します。葉っぱや皮を与える時は、良く洗って加熱するようにしましょう。

栄養価の高いにんじんですが、過剰摂取は下痢や嘔吐につながることもあります。またβカロテンを多く摂りすぎると、肝臓に負担がかかることもあるので、摂取量には注意しましょう。

ブロッコリー

ローカロリーでたんぱく質が豊富なブロッコリーも、ダイエットフードとして使用することができます。

ただし、ブロッコリーに含まれる「イソチオシアネート」という成分は、胃を刺激し炎症を引き起こすこともあるため、与える量は少量にしてください。茎の部分は、硬い皮を剥き、加熱して細かく刻んだものをドライフードに混ぜるなどして使いましょう。

ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトは、イソチオシアネートの量が多いので、猫に与えてはいけません。

まとめ

2枚重なっているこんにゃく

猫にこんにゃくを与えることはできますが、量や大きさには注意が必要です。初めて与える場合はアレルギーを発症することもあるので、極少量を与え、食べた後の様子を観察してください。

猫の健康を考えると食事は栄養バランスのとれたキャットフードが理想ですが、ダイエットをさせたい時は、満腹感を得られるこんにゃくなどの食材をプラスしてもよいでしょう。

こんにゃくは便利な食材ですが、与え方によっては猫に害を及ぼすことがあります。正しい知識を持って猫の健康管理を行いましょう。

その他、猫が食べていいもの・悪いもの

今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。

猫が食べてはいけないもの一覧

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