猫は甘酒を飲んでも大丈夫!与える量と注意点を解説!

猫は甘酒を飲んでも大丈夫!与える量と注意点を解説!

甘酒は、日本に昔からある飲み物です。栄養価が高く、美容や健康に良いとされていますが、甘酒を猫が飲んでも問題ないのでしょうか?実は、甘酒の種類によっては猫が飲めるものもあるのです。猫が甘酒を飲むことにどのような効果があるか、甘酒の与え方と与える時の注意点についてご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が甘酒を飲んだ時の効果

甘酒と麹

猫の栄養補給

甘酒は、飲む点滴と呼ばれるほど、栄養価が高い飲み物です。甘酒には、ブドウ糖をはじめとして、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖や、アミノ酸も含まれています。

猫の消化吸収を助ける

麹から作られた米麹甘酒は、米のでんぷん質やたんぱく質が分解されて、猫にとって、消化吸収がとても良くなっています。特に甘酒は、食事をあまり摂れなくなった老猫の栄養補給にとても効果があります。

猫も歳をとると、固いものが食べにくくなるだけでなく、食べたものを消化吸収する力が衰えて来ます。そのため、消化吸収がしやすく、栄養価の高い甘酒は、猫にとっても理想的な飲み物と言えるでしょう。

猫の体力回復

また甘酒は、成長が遅い子猫や、便秘がちの猫、体力の弱った猫や病気の猫にも、甘酒を猫に少量を与えることで、体力回復の効果が期待できます。

ただし、どんな猫にも何も害がない、というわけではありません。弱っている猫に与えた時に、その猫にとっては甘酒が合わないこともあり得ます。猫に甘酒を与える時に不安があれば、獣医さんに相談すると良いでしょう。

猫の水分補給

水分補給と栄養補給を同時にできる方法として、猫に米麹甘酒もとても良いと言えるでしょう。米麹甘酒は少しとろみがあり、味もあるので、猫が興味を持って口にしてくれやすいと考えられます。

猫はあまり水を積極的に取らない習性があり、老猫になると特に水を飲まなくなる傾向があります。猫の祖先は水の少ない地域に生息ししていたため、少ない水分量でも体が機能するようになっています。

だからといって水分が必要ないわけではなく、摂取する水分が少ないと、脱水症状を起こしたり、腎不全や尿路疾患にかかったりする可能性があります。

水を飲まない猫に対しては、甘酒以外にも温度をぬるくしたり、流れる水を与えたりといった方法のほか、猫用ミルクやささみの茹で汁を与えるといった方法があります。

猫に甘酒を与える時の方法

スプーンを舐める猫

猫が飲んでも良い甘酒

甘酒には2種類あって、酒粕から作られた酒粕甘酒と米麹から作られた米麹甘酒があります。猫に与えても良いのは、アルコールも砂糖も使われていない、米麹甘酒のほうです。

甘酒の原料である米麹とは、蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。米麹甘酒は、米に米麹を加えて作られていて、砂糖も使われていないので、猫にも与えることができます。

『酒粕甘酒』は猫にあげてはいけない

酒粕甘酒に使われる酒粕とは、日本酒などのもろみを搾った後に残る白い固形物です。酒粕甘酒は、酒粕に砂糖を加えて作られていて、アルコール成分もあるため、猫には与えられません。

甘酒以外で与えていい物

ちなみに甘酒のアルコールといえばビールも猫に与えてはいけないものですが、ビールを作る時にできるビール酵母は、与えても大丈夫だとされています。

ビール酵母にはアルコール成分はなく、主な成分はアミノ酸で、食物繊維も多いため、キャットフードの原料に含まれている場合もあります。

猫へ与える甘酒の量

猫に甘酒を与える時には、小さじ〜大さじ一杯程度の甘酒を与えましょう。大量に与えたり、毎食与えたりする必要はありません。むしろ、大量に与えるとカロリーが多すぎてしまうので、1日に1回程度でも良いでしょう。

甘酒をそのままお皿に盛って与えるのも良いほか、猫用のウェットフードに甘酒をかけるなどして与えましょう。猫の好みもありますし、猫によっては体調を壊すこともあり得るので、最初は少量から与えて、様子を見ると良いでしょう。

猫に甘酒を与える時の注意点

口周りを舐める子猫と皿

癌など腫瘍がある猫には甘酒を与えない

癌になっている猫には、甘酒を与えないようにしましょう。病気の猫に良い効果があるとされる甘酒なので、与えた方が良いかと思ってしまいますね。

しかし、甘酒の主な成分であるブドウ糖は、癌やリンパ腫といった腫瘍ができる病気の猫には与えてはいけないとされています。癌の細胞は、ブドウ糖などをエネルギー源として代謝し、乳酸を産み出します。

産み出された乳酸は、再度ブドウ糖に還元されるのですが、乳酸をブドウ糖に還元するために多くのエネルギーが必要になってきます。癌細胞が、ブドウ糖を代謝するたびに、猫の体からエネルギーが使われるということになり、栄養がどんどん奪われていくということになります。

そのため、癌になった動物には、炭水化物(ブドウ糖)の多い食事は控えた方が良い、ということになっているのです。

その他、癌以外でも病気にかかっている猫は、甘酒を与えても大丈夫かどうか、一度獣医さんに相談してみると良いでしょう。

猫に合わせて甘酒を与える

  • 米麹甘酒を与える
  • 砂糖が入っているものは与えない
  • 必ずしも与える必要はない
  • 少なめの量を与える
  • あくまでもおやつとして与える

市販されている甘酒には、酒粕から作られた甘酒が多いので、間違えて猫に与えてしまわないようにしてください。また、米麹甘酒でも、人間ように味付けされたものがありますので、よく成分表を確認して、砂糖があるものは与えないようにしてください。

甘酒は猫に絶対必要ではない

さらに、甘酒は猫が飲んでも大丈夫と言えますが、必ず甘酒を与えたほうがいい、というものではありません。猫の好き嫌いだけでなく、猫の体調や年齢に合う場合と合わない場合があります。

健康上の効果も期待できる米麹甘酒ですが、与えれば良いというわけではなく、適量を与えることが大切です。目安としては小さじ1から大さじ1を、猫の体調に合わせて与えます。初めて甘酒を与える時には、猫の反応をよく観察しましょう。

猫が甘酒を飲むことのまとめ

子猫とミルクのコップ

アルコールや砂糖の使われていない米麹甘酒であれば、猫が飲んでも大丈夫です。米麹甘酒は栄養価が高く、消化吸収も良いので、老猫や弱った子猫、病気の猫に与えると、体力を回復する効果が期待できます。

ただし、癌の猫には与えられません。また、与える時にも少量だけということに気をつけましょう。猫によっては甘酒を与えない方が良い場合もありますので、与える前にかかりつけの獣医さんに相談してみることをおすすめします。

バランスのとれた総合栄養食をちゃんと与えたうえで、おやつとして与えるといった方法で、甘酒を猫と楽しんでみてください。

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