猫に安全なドライフードの選び方
安全な猫のドライフード選びでチェックしておきたいポイントをご紹介します。
価格
猫のドライフードは、手頃な価格でスーパーマーケットなどで購入できるものと、プレミアムフードと呼ばれる高価な物があります。この二つの差は、原材料の違いが大きいと考えられ、手頃な価格のドライフードは安価な原材料を使用しているため安く作ることができるのです。それに対し、プレミアムフードは肉類や野菜類の飼育や栽培方法までこだわった原材料を使用して作られているという特徴があります。
過去には安全性が心配になるような粗悪な原材料を使用して作られたフードがあったかもしれませんが、現在はペットフードの安全性に対する法律が施行されたこともあり、意図的に適切ではない品質の原材料を使用して作られたペットフードはないと考えて良いと思います。製造時の汚染やミスによって時には安全性が確保されずリコールされるペットフードもありますが、リコール情報は一般社団法人 ペットフード協会のホームページでも確認することが出来ます。
手頃な価格のものから高価なものまで数多く売られているフードは、それぞれのメーカーやブランドの考え方に基づいて、原材料や添加物の種類が異なります。飼い主さんの考え方と予算に合ったものの中から、それぞれの猫ちゃんに合ったものを選ぶと良いのではないでしょうか。
≪参考≫
一般社団法人 ペットフード協会 ペットフードの安全性の確保に関する官公庁関連の情報
https://petfood.or.jp/entrepreneur/index.html
添加物
ドライフードは、保存性が高いことがメリットの一つです。そのために酸化防止剤を使用しなければなりません。化学合成された酸化防止剤や、ハーブやお茶から抽出された成分の酸化防止剤など、どのようなものを使用しているのかチェックしてみてください。
また、着色料ですが、色は猫の食べ物に対して何のメリットもありません。必要のない物が入っているよりは、着色料を使用していないドライフードの方が安心かもしれません。
たんぱく質の量
猫は肉食動物のため、たんぱく質と脂質の摂取が重要です。バランスを考えると肥満ではない成猫で「たんぱく質30~45%、脂質10~30%」が適切とされています。また、決まったルールではないのですが原材料欄には最初に書かれたものが多く使用されている場合が多いので、原材料欄の初めに肉類が書かれているとたんぱく源として肉類が多く使われていると判断できます。
たんぱく質には動物性と植物性があります。もともと猫は動物性のたんぱく質を多く摂取する動物ですが、植物性のたんぱく質ももちろん代謝・利用することが出来ます。植物性のたんぱく質は猫では消化が悪いという意見もあるようですが、最近のペットフードでは技術も進み、ペットフード中の植物性たんぱく質も十分に消化吸収されるように作られているそうです。たんぱく質はただ量が足りていればいいというわけではなく、どんなアミノ酸をどれくらい含むかが重要になります(たんぱく質はアミノ酸から出来ています)。たんぱく質源が動物性である方が猫の本来の食性に近くなりますが、植物性たんぱく質を含んでいても猫に必要なアミノ酸をきちんと含んだフードを作ることができますので、植物性たんぱく質を含むフードは悪いフードというわけではありません。
グレインフリー、グルテンフリー
日本の店頭で見かける猫のドライフードにはまだこのようなタイプは多くないのですが、海外では穀物不使用(グレインフリー)のドライフードも増えています。
グレインフリーのフードは、猫の本来の食性である完全肉食を再現する、という考えに基づいて作られているフードです。オーガニックの原材料のみを用いる、たんぱく質源を厳選するなど、こだわって作られたフードが多いようです。もちろん市販されている以上、猫に必要な栄養は十分に含まれていますのでグレインフリーのフードも選択肢の一つです。
しかし、完全肉食という食性も全く植物を食べないわけではなく、獲物は内臓も食べる野生動物は内臓の中の未消化物という形で植物も摂取しているでしょうし、猫もある程度の炭水化物を代謝・利用できることが分かっています。ペットフードに穀物が含まれている場合、たんぱく源や炭水化物源としての場合とかさ増しのための場合とが考えられます。例えばたんぱく源として小麦が使用されている場合、消化吸収が良くなる加工がされていれば、猫にとっての適切なたんぱく源になりえます。つまり、キャットフードはグレインフリーでなくてはならない、必ずグレインフリーの方が良いというわけではなさそうです。
猫でも穀物に対するアレルギーを発症するケースはありますが、あまり多くはありません。ある穀物に対してアレルギーがある、疑われる場合にはその穀物を避ける必要があります。
グルテンとは小麦やライ麦に含まれるたんぱく質です。グルテンフリーの食事がアメリカを中心として最近流行していますが、グルテンフリーの食事を摂る必要のある人は限られていて、アレルギー以外に猫でそのようなケースがあるのかは分かっていません。
国産、外国産
口に入れる物は国産の方が安心というイメージが強い方も多いと思いますが、日本でのペットフードの安全に関する法律は2009年に施行されました。原材料にこだわったフードは外国産の方が古くからラインアップが多かったからでしょうか、外国産の方が優れたものが多いという印象を持つ方も多いようです。北米やヨーロッパ、オーストラリアでは、日本同様に政府機関や業界団体がペットフードの安全性を確保するための基準を設けています。
猫の体型、体質、ライフステージ
猫のドライフードの品質の安全性も大切ですが、猫に適しているドライフードであることも大切です。ダイエット用や、療法食、子猫やシニア猫に適した栄養かなど、猫に合ったものを選んであげましょう。
猫のドライフードおすすめランキングTOP3
今回は猫のドライフードの選び方を踏まえ、手に入りやすいものを中心に猫のドライフードのブランドをご紹介します。
猫のドライフードおすすめランキングTOP1「ピュリナワン」
公式HP:ピュリナワン
原産国はアメリカ。粒にも工夫をし、食べやすい食感や大きさに工夫されているようです。子猫用、室内飼育用、下部尿路ケア、などシリーズが豊富なので、猫のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
製品により違いますが、800gや2.2kg、3kgなど複数のパッケージがあり、小さいサイズのパッケージはさらに小分けパックされているので、1回の消費量が少ない場合でも品質が低下しにくいです。
猫のドライフードおすすめランキングTOP2「ロイヤルカナン」
公式HP:ロイヤルカナン
動物病院でも使用されていることが多いので有名ですね。粒の形は公式HPで確認することができます。ラインナップが豊富なのが特徴で、病院で購入できる療法食もあります。原材料には穀物も使用されていますが、加工によって消化吸収されやすくなっています。
猫のドライフードおすすめランキングTOP3「ニュートロ」
公式HP:ニュートロ
複数のブランドがありますが、どれも肉や魚を多く使用し、使われている肉われているの種類も複数から選べ、猫に合わせたドライフードを選ぶことができます。ラインナップにはワイルドレシピシリーズというグレインフリーのブランドもあります。粒は少し大きめかもしれませんが、薄く食べやすい形のようです。2kgと500gなどのパッケージがありますが、小分けされていません。
猫のドライフードの与え方
ドライフードを切り替えるとき
ドライフードを違う種類に切り替えるときは、1週間ほどかけて新しいフードの割合を増やしていきます。いきなり新しいフードにしてしまうと、お腹を壊したり、警戒して食べなかったりすることがあるのです。どうしても新しいフードを食べないときは、今まで食べていたフードを粉状にして振りかけたり、ウェットフードをトッピングするとにおいが増して食欲が増したりすることがあります。
ライフステージに合わせる
子猫やシニア猫など、ライフステージに合わせて、砕いたりふやかしたりします。詳しい与え方はドライフードのパッケージに書かれていますが、アゴや歯がしっかりしてくる生後4か月頃まではミルクやぬるま湯でふやかしてあげると子猫が食べやすいです。
ドライフードをうまく噛めない、口内炎などの痛みで食べられないときは、フードプロセッサー、ピルクラッシャー、ピルカッターを使用したり、袋の上からたたくなど細かくしたりして与えるか、さらにぬるま湯やミルクでふやかすと食べやすくなります。
猫のドライフードを選ぶ際の注意点
価格の違いや、原材料の違いなど、猫のドライフードの選び方は多くあります。猫の健康を考えてできるだけ良いとされるドライフードを与えたいと考えると思いますが、猫がそのドライフードを気に入っているかどうかもみましょう。猫が喜んでドライフードを食べてくれると嬉しいですよね。
まとめ
猫に安全なドライフードの選び方をご紹介しました。初めて猫を飼うときは、どれがいいのかとても悩みますよね。品質の良いもの、価格が手頃、原材料など、納得のいくものを選んだら、あとは猫の反応を確かめてみるしかありません。愛猫とフード選びをしていると思うと、なんだか楽しい気持ちになりますね。今回ご紹介した選び方や、ドライフードはほんの一例ですが参考にしてみてください。