猫ちゃんにとって危険な植物3選!食べてしまったらどうしたらいい?

猫ちゃんにとって危険な植物3選!食べてしまったらどうしたらいい?

食べ物だけではなく植物でも猫ちゃんにとって中毒症状をおこしてしまうものがあり中には少量でも命にかかわものがあります。自分の判断でおこなってしまうと大変危険です。どんな植物が有害なのか、どのような症状をおこしてしまうのでしょうか。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

どんな植物が猫には危険なの?

ユリ科の花(ユリ、チューリップなど)

チューリップと猫

ユリに含まれている毒成分(コルヒチン)が腎臓を破壊してしまいます。人の場合は食用(ユリネなど)にすることもあり、ユリを口にしても中毒症状をひきおこしませんが、猫ちゃんの場合中毒症状をおこし解毒が難しいといわれています。犬も要注意です。

腎臓は血液をろ過し体内の老廃物や余分な水分をオシッコとして排出させる働きがあるが、もしユリを少量でも食べてしまうと腎臓機能を破壊してしまい、急性腎不全を起こすため早急に処置をおこなわないと老廃物が体内に残ったままになり尿毒症をひきおこし命の危険があります。

他にも嘔吐や下痢、脱水症状、けいれんや麻痺などの神経症状も発症します。また視力障害が起こる可能性もあるといわれています。

ユリの花や葉っぱ、茎や花瓶に入っている水など全てにユリの毒性分が入っているため、ほんの少量口にしたり舐めたりしただけでも致死量となり大変危険です。

特にユリ科は毒性が強いため治療したとしても大半の猫ちゃんは命をおとしてしまいます。また生き延びたとしても慢性腎不全を発症するため継続な治療が必要になります。

ナス科の植物

畑になっているトマト
  • ナス
  • ジャガイモ
  • トマト
  • シシトウ
  • パプリカ
  • ピーマン
  • トウガラシ

ナスの他にジャガイモやトマト、シシトウ、パプリカ、ピーマン、トウガラシなど私たちが身近にある野菜が多くあり、レトルト食品や調味料、缶詰など加工食品にも多く含まれています。

主な症状として嘔吐や下痢、発熱、呼吸困難、お腹を触ると嫌がる、ヨダレが多い、けいれんなどを発症します。

またトマトでは葉っぱや茎に「トマチン」という成分が含まれており赤血球を破壊してしまったり神経症状をおこすことがあります。熟してるトマトはトマチンの含有量は少ないのですがあまり熟していないトマトの場合はトマチンの含有量が多いため危ないです。

少量を口にした場合は嘔吐や下痢、元気喪失、食欲不振などですが、多く食べてしまった場合は低血圧や徐脈、けいれん、昏睡などの神経症状をひきおこす場合があります。

じゃがいもでは芽の部分に「ソラニン」という毒性成分が含まれています。ほんの少量でも致死量なため少し口にした場合でも中毒症状をひきおこしてしまいます。

また芽だけではなく完全に熟していない小さいじゃがいもや保存期間が長いじゃがいも、皮が緑色になっているジャガイモもソラニンの含有量が高いといわれています。
主な中毒症状として嘔吐や下痢、腹痛などの症状がよくみられます。

摂取量にも中毒症状の度合いが変わりますが多く食べてしまった場合、血便や呼吸促迫、全身麻痺、けいれんなどの神経症状をおこし最悪命をおとす可能性があります。

バラ科の果物

桃と猫
  • リンゴ
  • モモ
  • サクランボ

リンゴや梅、モモ、サクランボなど果物が多いです。熟していない果実を食べてしまうと中毒症状をひきおこし呼吸困難やけいれんなどの神経症状などがあげられます。

種自身も中毒症状をひきおこしてしまうため種を食べてしまうと呼吸困難になり解毒剤がないため早急に処置し吐かせてあげることが必要です。また種の大きさによりますが体内で消化されないため腸につまり腸閉塞になることがあります。その場合はお腹を開け、摘出しなければいけません。

猫が危険な植物を食べてしまったらどうすればいい?

葉っぱをかじる猫

もし毒のある植物を食べてしまった場合はお家で吐かせる方法もあるかと思いますが、食べてしまった物の中には逆に吐かせてしまうと食道の粘膜を傷つけてしまったり、肺炎をおこしてしまう可能性がありますので自分の判断でおこなわず、すぐに病院に連絡してください。

何を食べてしまったのか?

植物の種類や部位によって早急に処置が必要な場合があります。今は元気でも数分後や数時間後に中毒症状をおこすケースもありますので必ず病院に連絡をし何を食べてしまったのか、また食べてしまったかもしれないものを伝えてください。

食べた量はどれくらい?

食べてしまった量によっても命にかかわってきますので食べた量を把握する必要があります。中には少量でも致死量になり亡くなってしまう事がありますので「ほんの少しだけだから大丈夫!」と思わないでください。

いつ頃食べたのか?

食べたものが何分前だったのか時間を伝えることも非常に大事です。植物の種類や部位、食べた量によって中毒症状がすぐに出るのか遅く出るのかが異なってきます。

食べてから少し時間が経過して症状が出なくても、その後嘔吐や下痢など中毒症状を発症することもありますので一度病院に連絡をして様子みるようにしてあげてください。

まとめ

お花の臭いを嗅ぐ猫

猫ちゃんは高いところや狭いところでも手が届いてしまいますので、テーブルやキッチンなどに置いてしまうと一瞬の隙に食べてしまう場合が非常に高いため、すぐに片付けて絶対に触れないようにする事が大事です。

またお家に植物を飾っている方が多いと思いますが置く際は猫ちゃんが入らない部屋に移動するなど配慮することも必要です。

もし食べてしまったり、食べたかもしれない場合は「嘔吐や下痢の症状ないから問題ない」と自己判断せず必ず病院に連絡をしてください。

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