血液検査で早期発見が可能
避妊手術の術前検査で発覚!
我が家の愛猫は避妊手術の術前血液検査でGPTが異常値であることがわかりました。
肝臓が根本的に悪いのか飼育環境に問題があったか、追加の検査や環境見直しで突き止めていきます。肝臓の数値だけを薬で一時的に下げても、生活の中で原因となっているものを排除しない限り、根本的な解決にはならず、投薬中止で再び数値が上昇してしまうそうです。
動物病院で対応してくださったこと
- 精密検査
避妊手術を受けるのを前提に0時以降は絶食していたので、その日のうちに総胆汁酸(TBA)の検査ができました。絶食時と食後に数値を二回測定し、上昇がないかチェックします。基準値以上の上昇が見られる場合は、肝不全や門脈体循環シャントが疑われます。
愛猫の場合、この検査は異常なしでした。
- 1ヶ月半の投薬
ウルソ→胆汁の流れを改善する薬
ニチファーゲン→肝機能を改善する薬
- 定期的な血液検査
1/5の血液検査
2/1の血液検査
2/16の血液検査
3/2の血液検査
改善傾向が見られてきたので、あと2週間だけ投薬したのち1ヶ月半投薬中止して数値をチェックすることになりました。
異常値がわかってから3ヶ月半、ついに通院卒業!
4/13の血液検査 ついに!夢の正常値に!
食欲旺盛で体重も順調に増加しており、 検査結果問題なしということでひとまず通院終了です。次は半年後のワクチン接種の際に再度チェック予定です。
考察
「肝臓の数値だけを薬で下げても、根本的な原因が排除されなければ投薬中止すれば再び数値が上昇する」とのことですが、今回は投薬中止期間にさらに数値が下がって正常値になったので、飼育環境やフードを見直したことも功を奏したのではないかと考えられます。
肝機能障害を引き起こす原因とは
飼育環境にはこんなに多くの危険があります!
- 家庭内の危険要因
洗剤、柔軟剤、殺虫剤、農薬、アロマ、ハーブ、芳香剤、塗料などの重金属、歯磨き(キシリトール)、薬、ゴキブリ駆除グッズ、たばこ
- 有毒な植物
ユリ科、ツツジ、スズラン、ハーブ、ヒガンバナ、チューリップ等
- 有毒の観葉植物
ポトス、ドラセナ、アロエ等
- 有毒な食品
チョコレート、玉ねぎ、ニンニク、ブドウ、レーズン、アルコール、生のパン生地等
- 細菌、ウイルス、寄生虫
猫の食器や食べ残しをずっと入れたままの食器等
- 酸化した餌
フードは空気に触れると酸化します。大袋で購入した餌の保管方法が悪いと鮮度が落ち酸化し肝臓に負担をかけるそうです。
- マタタビ
肝臓の悪い猫さんはマタタビ禁止ですと獣医さんが仰っていました。
愛猫の食事の選択は飼い主の責任
口から入って消化管から吸収され肝臓で代謝される食事は大変重要です。添加物なし、グレインフリー、総合栄養食の3点が網羅されていることが鉄則、おやつの与えすぎもNGです。
フードの成分表を確認しましょう。下記のワードは少々要注意です。
- ミール
人間の食用として使えないということで、その成分は良質とは言い難いそうです。(国内産のフードと海外産のフードではミールの定義が異なることがあります)
- 油脂
何の油脂なのかはっきり明記されているものは◎、不明なものが多いようです。
3ヶ月半で正常値に下げられた秘策とは
環境を徹底的に見直し、危険があるものは排除する
まずは部屋の中のあらゆるものを、「危険」「安全」「危険」と仕分けていきます。
- 捨てたもの 、置き場所を変えたもの
ゴキブリ駆除グッズ、芳香剤、鉢植え
- 管理方法を変えたもの
玉ねぎは庭の物置で保管。
誤飲の危険性がある紐状のもの、輪ゴム、薬はタッパーや蓋つきのケースで保管。
キャットフードはフードストッカーで密閉保管。
食卓に並べたおかずは全員が着席するまでラップをかけておく。
- やめたこと
ヘアーワックスの成分表にアロマ精油が含まれているものは使用中止。ヘアワックスをつける場所は猫が立ち入らない洗面所に変更。
化粧品をつけた後はよく手洗いしてから猫を触る。
香水は家庭内では付けず出先のみ。
- 拭き掃除&猫用食器洗いはマメに
キッチン水回りは使用後は洗剤の流し残しがないよう都度よく拭き掃除する。
フードとお水用の食器は、ステンレス製から陶器のものにチェンジ。こまめに洗って清潔に。洗い方はスポンジ代わりにキッチンペーパーを使い使い捨て。
- 猫草を置く
誤飲癖もあるので獣医さんにご相談したところ、猫草を勧められました。ヒマな時や面白くない時にダンボールや壁紙をかじってしまう癖がありましたが、猫草まっしぐらとなり激減しました。
フードの見直し
肝細胞の再生を助けるタンパク質に着目します。高タンパク質、低タンパク質のどちらを選ぶかは肝機能不全の進行状態次第となります。
肝臓病が進んでいると、タンパク質を代謝する時にできるアンモニアをうまく解毒できなくなるそうです。その場合は獣医さんのアドバイスの元、高品質で低タンパク質、グレインフリーな療養食になるようです。
一方で、肝機能障害初期段階の場合はこの限りではなく、自己判断で療養食を与えるのは適切ではありません。初期段階であれば、療養食ではなく肝細胞の再生を助けられるよう高タンパク質でグレインフリーの総合栄養食のフードが良いそうです。
- 以前食べさせていたフード
良い点: メインとなる原材料はチキンで添加物なし、油脂の成分も明記されている。
悪い点: グレイン(米、グルテンミール、小麦粉、トウモロコシ)
高品質、高タンパク質、グレインフリーの条件を満たしていないので、餌を替えました。
- 変更したフード
グレインフリーで良質な白身魚ベースで低脂肪&高品質&高タンパク質のフードが見つかりました。
フードの与え方のコツ
一回の食事の摂取量が多いと肝臓に負担がかかるそうです。少量ずつ回数を増やして与えましょう。
まとめ
病気を早期発見する為には定期的な血液検査が大切です。早期段階では打てる手もたくさんあり、早く対策を始めることができます。
現代の生活環境は、猫さんの肝臓にとって脅威となるものがたくさんあり怖いですね。
投薬と生活環境の見直しの両面の対策で格段に治療成果が上がりますので、できることから一つずつ地道に取り組み、愛猫がいつまでも元気で一緒にいられるよう健康管理していきましょう。