猫が高い音を聞いて気絶する!?FARSってどんな病気?

猫が高い音を聞いて気絶する!?FARSってどんな病気?

皆さんは猫が高い音を聞いて気絶すると言われる「FARS」という病気をご存知でしょうか。日常の生活音にありふれた音が猫にとって良くないということを知っていれば日頃から気をつけることもできそうですね。そこで今回は猫が高い音を聞いて気絶するFARSについてご紹介させていただきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

FARSという病気

座ってじっとしている猫

皆さんは「FARS」という猫の病気を聞いたことがあるでしょうか。

FARSとは「Feline audiogenic reflex seizures」の略語で、「猫科動物聴覚原性反射発作」とも呼ばれ、猫に起こる発作のことを言います。

猫がFARSを引き起こす原因は、「特定の音」だと言われています。

その特定の音を聞くと猫は、

  • 体の動きが突然停止する
  • 意識を失う
  • けいれんを引き起こす

などの症状を引き起こしてしまいます。

けいれんについては意識はあり、一部がけいれんをするタイプと、意識を失い数十秒〜数分間全身性のけいれんを起こすこともあります。

そして意識を失うものを「全身性強直間代発作」、軽い部分痙攣を「ミオクローヌス発作」、意識障害を伴うものを「欠伸発作」と呼び、猫聴覚原性反射発作にはこの3種類があると言われています。

今まではこのような病気はありませんでしたが、突然の発作や原因不明のけいれんが起こってしまうことが報告され、研究をした結果をイギリスの慈善団体が発表しました。

なりやすい猫の年齢は?

目を閉じて休んでいるグレーの猫

FARSはどんな猫でも起こるわけでもありません。「年齢」が関係しています。

若い猫が特定の音を聞いても、この発作が誘発されることはありませんが、「10歳以上」の高齢猫になると突然発作を起こす確率が高いことが分かっています。

その中でも特に15歳以上の猫であると発作を起こしやすいと言われています。

なりやすい猫は?

座って斜め上を見るバーマン

こちらのFARSという病気は年齢が関係していると言われていますが、発症が多い猫の品種もいます。

それはバーマンという品種です。あまり日本では聞きませんが、ミャンマーが原産国です。

ミャンマーでは「聖なる猫」と呼ばれるほど大切にされていますが、こちらの品種が発症率が高いと言われています。

具体的に上げられる5つの音

不機嫌そうな表情をした猫

FARSの原因は「特定の音」です。しかしそんな特定の音は、日常の生活音でごく身近なものがたくさんあります。

では具体的にどのような音があるのでしょうか。ご紹介させていただきます。

1.パソコンのキーボードの音

パソコンと猫

パソコンは飼い主さんが、自宅でもよく操作をしますよね。そんなパソコンのキーボードの音も「FARS」を引き起こしやすい特定の音だと言われています。

2.掃除機やドライヤーの音

ドライヤーと猫

掃除機やドライヤーは、猫もおかまいなしに毎日かけますよね。しかし、この「キーン」という甲高い音は猫にとって突然発作を引き起こす原因になってしまう音です。

3.金属がこすれる音

食器と猫

FARSは金属がこすれる音でも誘発をしてしまいます。

例えば、

  • 釘を打つ音
  • 鍵がこすれるカチャカチャという音
  • アルミホイルを丸める音
  • ビニール袋を丸める音
  • グラスを合わせた音
  • スプーンなどで陶器を叩くカンカンという音

などでも発作を引き起こしてしまう可能性があります。

4.拍手

人の手と猫

自宅でバラエティ番組を見ていると、拍手をすることもありますよね。この拍手も、突然発作の原因になると言われています。

5.舌で鳴らした音

人を見る猫

人間は舌打ちなど、舌を鳴らすことがありますよね。猫はこんな一瞬の音でも、FARSになってしまうことがあります。すべての高齢猫がこれらの音で突然発作を引き起こすというわけではありませんが、注意が必要だということを知っていただけると幸いです。

まとめ

床に横になってこちらを見る猫

猫の突然発作であるFARSは現在、特定の音を避けるしか発作を防ぐ方法はありません。
10歳以上の高齢猫を飼っている方は、掃除機や金属音などの「甲高い音」はなるべく避けてあげるようにしてくださいね。

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