猫がひきつけを起こした時に現れる9つの症状
猫が起きている時にひきつけを起こしたときの症状
- 意識を失う
- 顔面が痙攣する
- 白目をむく
- 口をパクパクする
- 白い泡をふく
- 歯ぎしりをする
- 呼吸が荒くなる
- 手足をピクピクする
- 失禁をする
- 真顔で静止する
- 足だけが震えている
「ひきつけ」を起こす猫は前触れが無い事が多いようです。しかし猫がひきつけを起こす前に予兆として「真顔で静止する」「足だけが震えている」など異常な雰囲気を感じる事があります。
猫が寝ている時にひきつけを起こした時の症状
- 1分以上の痙攣が続く
- よだれを際限なく流してしまう
猫が寝ている場合の多くの痙攣はひきつけではありません。浅い眠り中に夢を見て数秒ピクっとしたり、「クー」と寝言を言ったりする普通の状態です。心配な時は愛猫の名前を呼んでください。すぐに起きれば問題はありません。
しかし、ひきつけの場合は飼い主の呼びかけに応じる事がなく反応できません。泡を吹いたり、よだれを際限なく流すなど1分以上症状が続けば「ひきつけ」の可能性が高くなります。
猫がひきつけを起こした時の対処法
猫がひきつけを起こした時の応急処置
- 発作中は猫に触らないでひきつけが収まるのを見守る
- 猫の側にある危険な物を片付ける
- 猫の側に段差がある場合はクッションなどで埋める
- 猫の側に大きめのタオルやペット用シーツを敷く
- 嘔吐がある場合は猫の頭や口を触らずに下半身を高くする
- 猫のひきつけが数分で収まらない場合は早急に病院を受診する
猫はひきつけを起こしている時、意識が無いことが多く、手を噛まれたり、引っ掻かれるたりしますのでは触らないで見守ります。
ただし高い所や隙間などでひきつけを起こした場合は、暗くて静かで安全な場所へ抱いて移動をする必要があります。その場合は大きなタオルでくるんで移動します。
猫がひきつけで広い範囲を移動しケガをしないように、周りにある危険な物や段差を無くします。
猫が吐いてしまった時は、口や頭を触らずに身体を高くし嘔吐物を新たに飲み込まないようにします。そして猫の下に大きめのタオルやペット用シーツを敷いて、おもらしや嘔吐物を吸い取れるようにします。
数分で猫のひきつけが収まりましたら、猫に声をかけながら柔らかいタオルなどでくるみ抱き上げます。嘔吐物で猫の顔や手足、身体が汚れている場合は優しく拭いてあげてください。シャンプーを行う場合、シャンプーなどが新たな刺激になり再度けいれんを起こしてはいけないので、病院を受診後が良いそうです。
猫のひきつけが長い間収まらない場合
- 猫のひきつけが5分以上続く
- 猫が繰り返しひきつけを起こす
- 猫のひきつけの理由が明らかな時
数分でひきつけが収まらずに猫が何度もひきつけを繰り返したり、発作が収まらない時は早急に病院を受診します。
5分以上ひきつけが収まらない場合は「重積発作」という断続的にけいれんがおこる危険な状態です。脳に後遺症が残る事もありますのでなるべく早く受診をしてください。そして異物、有害な植物、薬品、有害な食品を明らかに口にした場合も、非常事態と考えて早急に受診します。
猫のひきつけの症状を記録し病院を受診
- 猫のひきつけの時間や回数
- 猫のひきつけの内容
- 猫のひきつけのおきるきっかけ
- 猫のひきつけ前の様子
- 猫のひきつけ後の様子
- 猫のひきつけと共におこった他の症状
数分程度で収まる事が多いひきつけですが、発作が起こる原因として脳や脳以外に何らかの異常があります。病院で猫のひきつけの様子を伝えるために、発作の内容を観察し記録し、出来る事ならば動画を撮影します。
猫がひきつけを起こす原因や病気
- 脳の問題
- 内臓の問題
- 一時的な問題
猫がひきつけを起こす場合、三つの原因があります。それは「頭の中の問題=脳の問題」「頭の中以外の問題=内臓の問題」「外部からの問題=一時的な問題」と分けられます。
脳の中に原因がある場合
- 脳炎
- 脳内腫瘍
- 脳梗塞
- 遺伝性疾患
- 特発性てんかん
ウイルス感染症である「猫白血病ウイルス感染症」「猫パルボウイルス感染症」「猫伝染性腹膜炎」などに罹患していると脳炎を発症しひきつけを起こします。
脳内に腫瘍ができたために脳が圧迫され異常をきたします。脳炎、腫瘍、脳梗塞により脳が傷ついて「症候性てんかん」によりひきつけを起こします。この場合は後遺症が残る事があります。
親よりの遺伝で猫がひきつけを起こす場合もあります。そして原因が不明の「特発性てんかん」は、猫がてんかんになりやすい素質を持っているのではないかと言われています。発症率は1%未満ということです。
内臓が原因の場合
- 有害物質からの中毒(ネギ類、薬品など)
- 肝不全
- 腎不全
- 低血糖
- 糖尿病
- 低カルシウム症
- 心臓発作
- 癌
- 猫のクリプトコッカス症(真菌)
ネギ類、チョコレートなど猫にとって危険な食品や、洗剤等の薬品が体内に入る事により身体の機能に障害をおこします。猫の身体が小さいために、人間より少ない量でも中毒がおこります。
腎不全や肝不全など代謝系の疾患により毒素が体内に溜まり代謝機能に支障をきたし、ひきつけが起こります。授乳中の母猫におこりやすい低カルシウム症も原因です。
クリプトコッカス症は人獣共通症です。若い猫や老齢の猫で免疫力や体力が落ちているとかかりやすいために、若齢猫、高齢猫の痙攣にも注意が必要です。
外部からの原因の場合
- 体温低下
- 熱中症
- 骨折
- 出血
- 交通事故
急激な体温低下は猫の体の機能に支障をきたします。そして発汗は肉球でしかできないので、室内飼いの猫は暑さによる熱中症にも注意が必要です。交通事故などによる頭部への損傷や内臓破裂、骨折や出血によってもひきつけは起こります。
猫がひきつけをおこした時の対処法
- ひきつけの原因となる病への対処療法
- 抗てんかん薬を処方
猫がひきつけを起こすには原因がありますので、元の病気を解明し、その病気に対する治療を行う事になります。
特発性てんかんには、抗てんかん薬を処方される事が多いですが、けいれん発作の回数を減らす事を目的とする気長な治療となり、完治するのは非常に難しいです。
猫がひきつけを起こした時の映像
- 猫の痙攣発作
- 【閲覧注意】ねこの癲癇(てんかん)発作の記録映像(三毛猫メス4歳3ヶ月)
非常に拝見するのが苦しい動画ですが、猫のひきつけ発作の症状をよく理解し、愛猫が大事にならないためにも飼い主の覚悟としてご覧下さい。
まとめ
猫がひきつけを起こした時の症状と対処法についてお話をさせていただきました。猫のひきつけは大変苦しみの多い、完治の難しい病でした。
人間もそうですが、病気になると健康の素晴らしさを実感します。同じく生きとし生けるものですから、何事もなく過ごすのは難しいと思いますが、何かの時に飼い主がパニックにならない事は大変に重要だと思いました。
何があっても動じない、肝っ玉飼い主になりたいですね。
40代 女性 さな
静かに寝ていたのに急に失禁してひきつけをおこしました。すぐに、獣医さんに電話して連れていきました。さいわい空腹な時だったので、としゃぶつはなかったのです。脳の病気でした。手術をすることなく症状は軽くすみましたので安心しました。それからは、ひきつけを起こすことがなくなりました。定期的な診察は受けますが、大きな問題もなく済んでいます。これからも、気をつけてあげようと思います