猫が舐めた物は食べない方がいい!うつるかもしれない病気6選

猫が舐めた物は食べない方がいい!うつるかもしれない病気6選

机の上に置いておいた食べ物を猫が舐めてしまった場合、食べても大丈夫なのか?今回はそんなケースにおいて私たちにうつってしまうかもしれない病気について記事にしました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が舐めたものを食べたときにうつるかもしれない病気

舌を出して舐める子猫

猫の口の中には、数多くの常在菌が存在します。この常在菌の中には、私たち人間にも感染する病原体が存在します。そして、口の中にもともと存在する菌だけではなく、猫は毎日、体中の毛づくろいします。

特にお尻まわりや足先など、猫が清潔にしたいと思う場所は念入りに毛づくろいします。もし、多頭飼育の場合、自分の体だけでなく他の猫同士でも行うことがあります。

毛づくろいを行うことで、体に付着している病原体も一緒に舐めとってしまう可能性があるのです。

猫が舐めたものを食べたときに、うつるかもしれない病気として、具体的には経口感染という感染経路をとって感染する病気があげられます。

1.トキソプラズマ症

感染している猫の糞便を、猫が口にした場合、その猫に舐められたものを私たちが食べると感染する可能性があります。人間では、もし妊婦が感染した場合は、

  • 流産
  • 胎児の先天性障害

などの原因となることがあります。 

2.回虫症

トキソプラズマ症同様に、感染した猫の糞便を何らかの経路で口にした場合、私たちにも感染します。

人が感染すると、

  • 全身の倦怠感

などが現れます。

回虫の幼虫は感染した体内で血液を通して全身に移動します。感染場所によって症状が異なり、目に感染すると結膜炎やブドウ膜炎を引き起こし、肺に到達すると

  • 呼吸困難
  • 喘息

などを引き起こしたりします。脳に感染した場合、てんかん発作の原因となるとも言われています。

3.パスツレラ症

ほとんどの猫が、口の中に常在菌として保有していると言われています。

主な人への感染経路は、猫に噛まれることで傷口から感染することが一般的ですが、経口感染も認められているため、猫が舐めたものを口にすることで、うつる可能性もあります。

猫ではほとんど症状がありませんが、人間が感染すると、軽い風邪のような症状から重篤な肺炎までみられます。特に免疫力が弱い子供や年配の方が感染すると、重篤化する危険があります。噛まれて感染した場合は、傷がひどく腫れ強い痛みを伴います。

4.カンピロバクター症

食中毒の原因菌として知られていますが、感染している猫の糞便からうつる可能性もあります。

人間が感染した場合、平均2~5日の潜伏期間を経て、

  • 下痢
  • 腹痛
  • 発熱

等が見られます。成猫の場合、感染していても無症状のこともあるため、下痢をしていないから感染していないという判断はできません。

5.エルシニア症

食中毒の原因菌のひとつですが、保菌している猫、または糞便に触れたのち口に入ると感染する可能性があります。

猫では無症状のことが多く、人で感染すると

  • 発熱
  • 下痢
  • 腹痛

などが認められます。エルシニア症はひどくなると発疹、リンパ節炎、敗血症などの重篤な症状を引き起こすこともあります。

6.クリプトスポリジウム症

原因となるクリプトスポリジウム・パルバムという原虫は、猫の消化管にも寄生します。

主に水道水から集団感染が起こる事例が報告されていますが、感染した猫から感染した例も報告されています。人で感染すると、水下痢が起きることが特徴的です。

  • 発熱
  • 吐き気
  • 嘔吐

を示すこともあります。

まとめ

人の手を舐める猫

猫からうつってしまう病気を予防するためには?

  • 猫が舐めたものを口にしない
  • 過剰なスキンシップは避ける(ご飯の口移しやキスなどの行為)
  • 猫を触ったあとは手を洗う
  • 猫に対して予防できる病気は予防を行う
  • 猫に噛まれたあとや、舐めたものを口にしてしまった後に体調が優れなければすぐに医療機関を受診する

猫が病気に感染しているか判断するのは難しい

人間が感染すると症状が重篤化する病気でも、猫では無症状の場合もあるため、なかなか感染している猫を隔離するという方法は困難です。常在菌の場合は、外に出ない猫でも病原体を保有するため、室内飼いの猫だから大丈夫というわけではありません。

子供や年配の方は特に注意が必要

猫を抱きしめる少女

免疫力が低下しているときに病気に感染すると症状が重篤化する危険があります。最悪、死亡するケースもあります。そのため、免疫力が低い年配の方や、子供は病気がうつらないように特に注意が必要だといえます。

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