猫が熱中症になった!知っておきたい応急処置の方法4つ

猫が熱中症になった!知っておきたい応急処置の方法4つ

暑い夏に人間も体力を奪われてしまう季節ですが、猫ちゃんにも身体的に辛い季節です。人間も猫ちゃんも特に熱中症にも気をつけなければいけません。今回は猫ちゃんの熱中症について述べていきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の熱中症とは?

床の上で暑そうに眠る猫

熱中症になる仕組み

猫ちゃんが熱中症になる仕組みは、平熱以上になった体温をうまく自分で下げる事ができずに、体内で活動してくれる様々な機能が低下または働けなくなってしまうため起こります。

猫ちゃんの平熱は38.0℃~39.0℃ですが、直腸温が41℃を超えた場合熱中症と診断される事が多いです。また、体内温度が高発熱と混同されがちですが、発熱と熱中症は全くの別物になります。

猫の熱中症の症状は?

薬を前にタオルにくるまる猫

熱中症の症状【初期】

熱中症の症状は一目でわかる変化が見られます。

熱中症の初期症状には、

  • 食欲が無い
  • 浅く早い呼吸
  • だるそうに元気が無い

といったものがあります。体内こもった熱を呼吸排出しようとしているため、呼吸に異常が出やすいです。

熱中症の症状【中期】

中期の症状としては、

  • よだれが出る
  • おう吐
  • 下痢
  • ハァハァと舌を出し荒い呼吸
  • 目が充血している

など大きな異変が現れます。荒い呼吸は”パンティング”と呼ばれ熱中症に多くでる症状の一つです。

熱中症の症状【重度】

かなり危険な状態である重度の症状としては、

  • 意識の混濁や失神
  • 吐血
  • 血便
  • 痙攣
  • 皮膚や粘膜が青白い

状態がみられます。皮膚や粘膜が青白い症状は、猫ちゃんの酸素不足により”チアノーゼ”という現象が起きます。

熱中症になった時の応急処置

獣医師に治療されている猫

1.涼しい部屋や場所に移動

猫ちゃんの様子に異変を感じ熱中症の疑いがある場合、応急処置を施す事が大切です。

まずは、ぐったりと動けない猫ちゃんであればすぐに涼しい風通しの良い部屋や場所に移動をさせましょう。家の中の日陰になる場所でフローリングなどの猫ちゃんの体温よりも低い所に寝かせてあげましょう。

2.身体を冷やす

次に、身体を冷やし体温を下げます。水で濡らしたタオルで身体をくるんだり、霧吹きで水をかけてあげましょう。

猫ちゃんは汗をかかない生き物なので、体内にたまった熱を身体から放射し出す事ができません。

その為、身体に水をかける事で効果的に気化熱を大量に奪う事ができるのです。毛ではなく”地肌”に水をかけなければ意味を成さないので、注意しましょう。

3.頸動脈を冷やす

頸動脈は血管の中でもかなり太くかつ体表に近い場所にある血管です。この血管を冷やすことは人間にも効果的な方法ですが、猫ちゃんにも効果があります。

頸動脈は首元・頭・脇の下・お腹・内太ももにあるので、冷却材を毛が短い猫ちゃんであればタオルなどに包み長毛種であればそのまま当ててあげましょう。

毛が長い猫ちゃんは毛がタオル代わりに直接皮膚に当たらないようガードしてくれます。また、氷水は血管を収縮させる恐れがあるので使わないようにしましょう。

4.動物病院へ!

体温を測り、直腸温度が39.4℃~39.7℃まで下がったら上記の応急処置を止めて下さい。

下がり過ぎると低体温症になる可能性があります。水を飲める状態であれば、できれば猫ちゃんに水を飲ませて動物病院へ急ぎましょう。

この時、車内にエアコンをかける事を忘れないで下さいね。上記の処置はあくまで応急処置ですので、必ず動物病院へ行きましょう。熱中症は脳や体内の機能にもダメージを与える為、専門医の検査が必要です。

終わりに

心地好さそうに熟睡している猫

動物の体のつくりと人間の体のつくりは異なる部分があります。人間はサラサラした水分の多い汗をかき、その気化熱で体温を下げることができます。ところが猫はこのような汗をかく場所は足の裏にしかなく、体温を下げることが難しい動物です。体表には密に毛が生えていますので保温する能力に長けている分、夏の暑さには適応しにくいのです。そのため、動物達はすぐ体調に異変が起きます。

完全室内飼いであってもエアコンなどをつけない状態が続くと熱中症になり、猫ちゃんを危険にさらす事になるので、夏は気温と湿度には十分注意して猫が熱中症にならないようにしましょう。

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