猫の巨大結腸症を解説!原因と症状、対処法について

猫の巨大結腸症を解説!原因と症状、対処法について

便秘と大きな繋がりがあることから、どんな猫でもなる可能性のある巨大結腸症という病気をご存知ですか?猫の巨大結腸症とはどんな病気なのでしょうか?治療にかかる費用も含め順に紹介していきたいと思います!

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の巨大結腸症とは

横たわっている猫

猫の巨大結腸症とは、その名前の通り結腸が巨大化してしまう病気です。

そもそも結腸とはどこにあり、どんな働きをするのでしょう?なかなか聞きなれない名前なのでピンとこない方も多いと思います。結腸とは大腸の一部で、うんちの水分を吸収して硬さを調節するのがお仕事です。便秘を繰り返すと少しずつこの結腸に便が溜まっていき、それが詰まることでだんだん巨大化、そして巨大結腸症という病気にまで発展してしまいます。

逆に、なんらかの原因から結腸が巨大化して猫が巨大結腸症になり、その結果うんちが太くなったため便秘になるといったパターンもあります。いずれにせよ、便秘と大きな関わりがあることから「重度の便秘」とも言われるようです。

猫の巨大結腸症の原因

巨大結腸症かもしれない猫

猫が巨大結腸症になる原因は

  • 結腸に残ったうんちの水分が抜け硬くなりすぎて便秘が慢性化
  • なんらかの原因で結腸が巨大化
  • 排便につかう筋力の低下
  • 事故による骨盤の変形
  • ストレス
  • 毛球症による腸のつまりから
  • 誤飲
  • 老化により筋力、消化機能の衰え
  • 腫瘍の圧迫
  • トイレが気に入らず排泄を我慢

などなど、実にたくさんの理由から便秘、のちに猫が巨大結腸症になる可能性があります。

子猫より成猫がなる病気で、【以下のような症状】がみられたら一度動物病院に連れて行き、獣医さんに診てもらうことをお勧めします。

  • 何度もトイレに行きふんばるが出ない
  • ふんばりすぎて嘔吐してしまう
  • トイレの際唸る
  • 食欲もない
  • 水下痢のようなものが出る

猫の巨大結腸症の治療法

巨大結腸症の薬を飲む猫

猫の巨大結腸症は治るまでには時間がかかるため、根気が必要ですが治らない病ではありません。また、しっかりと治療していけば命を落としてしまうようなこともありません。

もちろん治療せずに放っておくと最悪死に至る場合もありますので、猫が便秘になってしまったら悪化する前に病院へ連れて行き、きちんと処置を行って貰いましょう。

治療の仕方

猫が巨大結腸症になってしまったら、結腸に残ったうんちを取り除く必要があります。

  1. 薬の投与や浣腸をし、うんちを柔らかくしたあと手でかきだします。その際、暴れる猫には麻酔を使ったり、脱水症状が起きている場合には点滴も同時に行うこともあります。
  2. 再び便秘にならないように食事療法や薬で治療していきます。

しかし結腸の一部が壊死しているなど酷い場合には、その猫にあった適切な手術により対処することもあります。

猫の巨大結腸症の治療にかかる費用

巨大結腸症の手術を受けている猫

猫が巨大結腸症だと診断されたら治療にどのくらいお金がかかるのでしょうか。飼い主さんは気になるところですよね。

軽度の場合

軽度の場合は処置費用にレントゲン、血液検査、必要な場合は麻酔の金額が加算され、概ね2万〜3万円になります。

重度の場合

重度の場合は手術になることがほとんどで、手術の前は3日間の絶食と点滴が必要になるため入院が長引きます。結果手術費用とは別に入院費用もかかるので、金額も7〜15万円程まであがるようです。

治療後もしばらくは食事療法や薬で様子を見ることになると思いますので、その場合、別途療法食が500g約1500円程度薬1週間分でおよそ1500円以内を目安に計算しておくと良いでしょう。

猫の巨大結腸症の予防法

トイレ中の猫

巨大結腸症にならないためには、まず猫が便秘にならないような対策をとります。便意を我慢させないように、トイレは出来る限り綺麗に清潔を保ち、置く場所やトイレの大きさ、猫砂にも気を配りましょう。

そして食事内容と程よい運動で、猫を肥満にさせない、ストレスを溜めさせない、交通事故や落下事故による骨の変形を守るために、室内飼育を徹底すると尚良いでしょう。

まとめ

砂の上の猫

便秘は人間でもなりやすく、なってしまうとお腹も張って地味にツライですよね。一度なると慢性化しやすいところも人間と同じです。しかし、便秘を甘く見て放ったらかしにしているとどんどん悪化していき、あっという間に重症化してしまいます。重症化し手術になると、そのぶん猫にかかる負担も増しますので、できればそうなる前に対策をとり、巨大結腸症にならないように気をつけていきたいところです。

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