猫の関節炎の症状
「関節炎」とは…
骨と骨の間には、クッションの役割を果たしている“軟骨”があることは皆さんご存知だと思います。
この軟骨のお陰で私達人間や猫は、歩いたり走ったり、多様なアクションをスムーズに行うことが出来ているのです。
その軟骨になんらかの原因で炎症が起き、それが関節炎となってしまうのです。
この関節炎が悪化すると‘変形性関節症’になります。
獣医によっては関節炎と変形性関節症は同じものと考えている方もいらっしゃいます。
こんな動きには注意
- 高いところに登らない
- 足を庇う
- 立ったり座ったりがぎこちない
- 触ろうとすると怒る
- 元気がない、走らない
- 食欲減退
激痛を我慢している可能性があります。
ひとつでも当てはまる項目があれば関節炎を疑ってもよいと言えます。
猫の関節炎の原因
先程の説明にもあったように、関節炎とは軟骨が炎症することによりなる病気です。
では、そもそもどうして軟骨が炎症を起こしてしまうのでしょうか?
加齢
- 筋力低下に伴い軟骨が減少してしまった。
- 軟骨が石灰化してしまった。
- 軟骨が弾力性を失ってしまった。
よく理由に挙げられるのがこの3つです。
発症率は12歳以上の猫が多く、関節炎の約9割は11歳以上の猫なのです。
年だから動きがゆっくりになった、寝てばかりになった、と思っていたら、実は関節炎による痛みのせいだったということも充分あり得るわけです。
肥満
日本で飼われている猫の2匹に1匹は肥満と言われています。
肥満になると運動量も減るので筋力が落ちます。さらに重さで関節にも過度な負担がかかります。
そのせいで軟骨が変形してしまったり、すり減ってしまったりして炎症を起こしてしまうのです。
ケガによる外傷
交通事故や喧嘩により怪我を負い、傷口から細菌が入り炎症を起こす「感染性関節炎」、そこから膿が溜まってしてしまった「化膿性関節炎」というものもあります。
猫の関節炎の治療法
残念ながら関節炎は一度なってしまうと完治は困難と言われています。
ですが猫の苦痛を和らげてあげる、一時的になくしてあげることは可能です。
痛み止め
これまで仕様されてきたNSAID(非ステロイド消炎鎮痛剤)は胃腸障害が起きやすいという副作用をもっていましたが、新しいNSAID(非ステロイド消炎鎮痛剤)はそういった副作用が軽減され、痛みの和らぎと関節の損傷を防ぐことが出来ます。
その為第一に処方される薬といえ、NSAID(非ステロイド消炎鎮痛剤)によって元気を取り戻す猫も多いです。
必ず決められた量を守って与えるようにして下さいね。
運動と体重管理
適度な運動で関節を支える筋肉を強くすることによって、可動性が改善され、以前の様に動けるようになる可能性があります。
又、肥満の猫は、運動に加え低カロリーな食事や食事量の制限などで適正体重に落とすことも重要です。
年齢や個体差があるので獣医さんと相談してどのくらいの運動量、食事内容が適切か判断するようにして下さい。
サプリメント
痛み止めと違い即効性はありませんが、摂取し続けることによって少しずつ効果が現れる長期戦の治療法になります。
「炎症を抑える」「すり減った軟骨の補正・再生」「関節を支える筋肉に有効」のものを選ぶと良いです。
成分で言えば、
「グルコサミン」「コンドロイチン」「オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)」などが有名です。
特にグルコサミンは軟骨部分の強化と再生、コンドロイチンはスムーズに動かすための潤滑油の役割をしていますので、同時に摂取することで相乗効果が生まれ、かなりおすすめのコンビネーションと言えます。
この2つを含めたキャットフードもありますのでそちらを療養食として与えるのも有りです。
上記の成分が含まれたサプリメントの例
- 毎日散歩
- アンチノール
- ペットのサプリ 骨腰関節
手術
あまり一般的ではありませんが、非常に重い子の場合、関節の負担を軽くする手術を行うこともあるようです。
猫の関節炎の予防法
関節炎になるのを防ぐには、関節に負担を与えないような生活をさせることが重要になってきます。
若いうちから出来る関節の負担軽減
- 滑らないようにフローリングにマットや絨毯を敷く
- 滑りにくくするため肉球の毛をカット
- 猫がよく登る場所の着地地点にクッションや座布団を敷く
などがあります。
肥満にならない為に気をつけること
- 肥満猫の体重管理
- 運動不足の解消
シニア猫にも出来る予防
- 関節強化サプリメント
- 無理のない運動量
サプリメントはシニアになる前から与えても良いです。
まとめ
関節炎になってしまったら、検査費用や薬やサプリメント代、通院代も含めると数万円になることもあるでしょう。
猫も常に痛い思いをしなくてはならず可哀想ですよね。
飼主さんにも猫にも負担がかからないように、出来ることから少しずつ改善と予防に努めていきましょう。
30代 女性 かのん
我が家の猫ちゃんも、老化現象で軟骨がすり減って曲げるだけで痛いらしく、ぎゃっと言っていました。
サプリメントで、少し緩和したのか最近はキャットタワーの一段目まで登って行くようになりました。幸せそうに眠っているのを見てこちらまで幸せになります。猫ちゃんは、若い頃は跳躍力があるのが特徴です。軟骨がすり減って関節炎を起こして痛くなるのは、人と同じですね。小さな頃から、日差しを適度に浴びて健康な骨の土台作りをしたいですね。
30代 女性 はなこ
うちの猫ちゃんは、高齢なのですが若い頃から、コラーゲンを使ったおやつを与えてきました。すると、高齢になったいまも、関節炎にならずに過ごせています。前に飼っていた猫ちゃんは、12才で関節炎になり痛がったので薬を与えていました。懲りたので、今の猫ちゃんを飼い始めたときには気を付けました。
食べ物にも、気を付けましたが運動をしすぎないようにということにも、気を付けていました。関節を酷使しないことも大切ですね。
食事と運動のバランスがとれるのが一番大切かもしれません。