猫が頻繁に耳を掻いていたら
耳ダニを疑う
出典:https://cat-chitchat.pictures-of-cats.org
保護猫によく見られるのですが、激しい耳の痒みがあり、中を見てみると黒い耳垢がたくさんみられます。それは単なる耳の汚れではなく耳にダニが寄生しているからなのです。
この耳ダニは厄介で繁殖能力がとても高いためすぐに駆除する事が難しく、気づかないうちに慢性的な外耳炎になってしまいます。また他の猫に感染しやすいので多頭飼いの場合は全ての猫を治療する必要があります。
保護猫を飼っている、またはこれから迎え入れる飼い主は、猫の耳にダニがいないか確認を必ずしなければいけません。
猫の耳ダニ感染ルートは?原因は?
耳ダニのほとんどが「ミミヒゼンダニ」という約0.3mmの小さなダニで猫の外耳道に寄生し感染します。
飼育環境から感染
元々耳の中が狭く熱や湿気が溜まりやすい特徴があるアメリカンカールやスコティッシュフォールドなどの猫は外耳炎になりやすく定期的な耳掃除が必要です。
また耳の中の分泌物が多い体質の子もすぐに汚れやすいです。定期的な耳掃除を怠ったり、不衛生な生活環境で飼育していると耳ダニにとって好条件なため感染が起きやすくなります。保護猫は外で生活していた事があるため耳ダニをもらい感染している子がとても多いです。
多頭飼い飼育や感染している猫からの接触感染
一番多い原因が猫同士の接触による感染といわれています。耳ダニは繁殖能力が高く感染力もとても強いため、すぐに広がっていまいます。そのため多頭飼育の場合、1匹が感染していると他の猫も感染を起こしてしまいます。
また仔猫も耳ダニに感染しているケースがあり、そのほとんどは母猫から感染しているといわれています。
猫が耳ダニに感染するとどんな症状?
耳の激しいかゆみ
耳ダニに感染をすると激しい痒みをおこし、後ろ足で頻繁に掻いていたり、頭をよく振るようになります。掻きすぎて耳の皮膚に傷ができ、赤くなり出血をおこしたり膿が出てくる事がよくみられます。
黒い耳垢
また耳ダニの糞や死骸が耳垢に混ざる事で色が黒くなり大量に出てきます。そのまま放置してしまうとどんどん耳ダニの数が増え、耳の中まで炎症をおこしてしまいます。
めまい
耳の奥の内耳まで進行してしまうと耳が聞こえなくなったり、平衡感覚が悪くなり斜頸(頭が斜めに傾く)をおこす可能性があります。
もし猫が耳ダニに感染していたらどうすればいいの?
早めに治療が大事!
もし猫が激しい耳の痒みや耳垢が黒い場合は早急に病院に受診し早めの治療が必要になります。主な治療は耳の中を綺麗に洗浄し、駆除剤を塗布します。
定期的な治療が必要
しかし一回の治療で完治する事が難しいため定期的に耳掃除を行い、駆除薬の塗布は数週間おきにミミダニが見つからなくなるまで行います。耳ダニを駆除するためには猫だけが治療の対象ではありません。
部屋の清掃
カーペットやソファーなど家の中も耳ダニが潜んでいるので、こまめな掃除をし室内からの感染を予防しなければいけません。他にも衣類をすぐに洗濯したり、手洗い消毒も大事です。
同居猫も治療の対象です
耳ダニは感染力が非常に高いため、多頭飼いの場合は全ての猫に感染している可能性があったり1匹を駆除しても他の猫により再び感染してしまったりします。
そのため必ず全ての猫に駆除剤を投与する治療が必要です。また感染の拡大を防ぐため、感染猫を隔離してあげるといいです。全ての猫の治療と家の中の環境を清潔にしなければ耳ダニは完全に駆除する事ができません。
猫が耳ダニに感染しないためにはどんな予防すればいい?
室内で飼う
耳ダニの感染予防で一番よいのが猫を100%室内飼いにする事です。室内飼いにされていても、時々外に出してもらうことがある猫は、その際に耳ダニに感染してしまう可能性があるからです。
保護猫を受け入れたらまずは隔離
また保護猫を迎え入れた場合は感染していないか確認できるまでは隔離し、他の猫との接触を控える事です。猫だけではなく飼育環境も常に清潔に保てるように定期的な掃除を行うことがとても大事です。
まとめ
猫が頻繁に耳を掻いて痒がっていたり、耳垢が黒い場合は耳ダニに感染している可能性があるので早めに受診する必要があります。もし耳ダニに感染していた場合、1回の治療ですぐに駆除することが難しいため必ず獣医師の指示に従って定期的に治療をおこなってください。
日頃から耳に汚れがないかチェックしてあげると早期発見に繋がります。早く見つける事ができると、その分早めに駆除ができ完治する事ができます。