猫が舐めるとうつる可能性のある病気
1.コリネバクテリウム・ウルセランス感染症
- 猫が舐める事による唾液やくしゃみなどでも感染する
- 鼻水、発熱、喉の痛みが起きる
猫が舐める事で感染する可能性がある病気です。2009年に初めて感染が報告されたウルセランス感染症は近年もっとも注意したい猫から感染する病気といわれています。感染すると呼吸器疾患に症状が表れ、鼻水、発熱、喉の痛みが表れます。
最初は風邪のような症状なので気づかれないことも多く、進行してしまうと喉の周囲に白っぽい膜が表れます。さらに首のリンパ節も腫れてきて激しい痛みを伴います。
猫が舐めるほかにも、くしゃみのしぶきをあびたり、鼻水に触れたりしても感染します。
2.パスツレラ症
- 猫の口の中にいる常在菌
- 猫が人を舐める等すると感染する
- 人の傷口を猫が舐める等して感染する
パスツレラ菌は猫の口の中に潜む常在菌でイエネコ、野良猫関係なく舐める事で感染する可能性があります。
特に傷口から感染しますので、傷がある箇所を猫が舐めるまたは噛んだ事により傷ができたという時は注意が必要です。人に感染すると激しい痛みを伴い発熱を伴う症状が見られます。
3.エルシニア症
- 猫が人を舐めるなどする経口感染
- 発症すると発疹、リンパ節炎、敗血症などが起きる
エルシニア症はひどくなると発疹、リンパ節炎、敗血症などの重篤な症状を引き起こすこともあります。感染経路は舐める事による経口感染のほかにも猫の糞便に触れた手で口を触るといった場合にも感染が確認されていますので注意が必要です。
エルシニア細菌という病原菌に感染して発症します。感染をすると食中毒のような症状を引き起こし、下痢、嘔吐、胃腸炎症といったものがみられます。
2~3歳くらいの幼児に見られ成人が発症することは稀だとは言われていますが、実際に感染した例がありますので大人でも注意が必要です。
4.サルモネラ症
- 猫が舐める事による経口感染、糞便を触るなどして人へ感染する
- 感染すると嘔吐、下痢、意識障害、痙攣などが起きる
猫の3~10%が常在菌として保有しているサルモネラ菌は、感染をすると重篤な症状に陥りやすい病気の1つです。感染後8~48時間で発病することが多く、嘔吐、下痢、意識障害、痙攣といった恐ろしい症状を引き起こすこともあります。
感染経路は猫が舐めることによる経口感染、糞便に触れた手で口を触るといった場合が確認されています。
5.カンピロバクター症
病原菌に感染して発症します。鳥の生肉を食すことによって感染する病原菌として有名ですが猫からも人を舐めるなどして感染することがあります。
感染すると下痢、腹痛、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感といった食中毒の症状が表れますので、食中毒菌として有名でもあります。潜伏期間が2~5日と比較的症状がでるまで長いというのも特徴です。
6.カプノサイトファーガ・カニモルサス症
- 猫の口の中にいる菌
- 猫が人を舐める、ひっかく、噛むなどする事で感染する
細菌の感染によって発症します。猫の口腔内に常在菌と高確率で保有している細菌でもあります。発症するのは稀ですが、発症すると約30%の人が亡くなる致死率の極めて高い病気です。
感染経路は主に噛まれたり引っかかれることが原因ですが、猫が人の唇などを舐めることで感染することも確認されています。
発症すると発熱、倦怠感、腹痛、嘔吐、頭痛を伴ったあと敗血症、骨髄炎、多臓器不全といった症状まで重篤化します。
噛みつかれた、引っかかれた後は十分な消毒を行うほか唇などの粘膜は舐められないように十分に注意しましょう。
猫が舐める事でうつる病気の症状
猫が舐めることでうつる病気の症状は、その病気によってもちろん違いがでます。しかし、嘔吐、下痢、熱、かゆみといった症状がでることが多いです。
また猫が人を舐める他にも手を噛む場合も、病気がうつる可能性があります。むしろ、舐める事より噛まれて傷ができてしまったらそこから細菌感染する恐れがあります。
猫に誤って噛まれてしまい、かゆみや強い痛みをはじめ何かの症状が出た場合は念のため病院に相談するようにしましょう。
猫が舐める事でうつる病気の予防
- 猫が人の口や粘膜を舐める事をやめさせる
- 猫が舐めた個所は洗う
病気がうつらないように予防する方法は、猫に舐めるのをやめさせるのが一番手っ取り早いでしょう。また舐めるのをやめさせる他、口の周りを触った手を洗わずに自分の口に持っていくのもやめておきましょう。
もし愛猫に舐めるのをやめさせることが出来なかった場合は、せめて口の周りを舐められないようにするのと舐められた場所はしっかりと洗うようにしましょう。
決して完全室内飼いだからと油断せずに、予防を行うようにしてください。
まとめ
猫ちゃんが人を舐めるということは、とても信頼を寄せてくれている、愛情を向けてくれているということです。そんな嬉しい仕草は飼い主としては嬉しい限りですがその行為が、私達人間の体を脅かす可能性があるのです。
大好き飼い主様が病気になっては愛猫もションボリしちゃいますよね。猫ちゃんが舐める事で感染する病気についての知識を持ち愛猫と元気に暮らすためにも最低限の予防だけはするようにしましょう!