猫が乳腺炎になったときの症状
乳腺炎は、炎症による傷みや発熱などで様々な不調を引き起こす原因になります。主な乳腺炎の症状を次に挙げるので、早めに気付いて対応してあげましょう。
猫の乳腺炎が疑われる主な症状
- 乳房にしこりができる
- 乳腺が腫れる
- 発熱する
- 乳房から膿や血が混じったような分泌物が出る
- 元気がない
猫の乳腺炎の原因
猫の乳腺炎の原因は乳汁が乳管に詰まることで起こる『急性うっ滞性乳腺炎』と、子猫の爪が当たってできた傷などが原因で乳腺内に細菌が入り込み炎症を起こす『化膿性乳腺炎』があります。かかりやすい状況の猫や猫の身体について知っておくと、早めに対応できるでしょう。
乳腺炎にかかりやすい状況の猫
- 出産後の母猫
- 出産した子猫の数が少ない母猫
- 母乳の量が多い母猫
- 子猫が離乳した母猫
- 子猫と離された母猫
- 避妊手術を受けていないメス猫
稀にオスにも乳腺炎の症状が見られることがあります。オスが乳腺炎になることは少ないので、しこりなどができたら他の病気(皮膚の腫瘍など)の可能性もあります。気になる症状が見られたら病院で詳しく検査してもらいましょう。
猫の乳腺と乳首
猫の乳腺(乳首)はお腹の部分に通常左右4個ずつ、計8個あります。頭の方から『前胸乳頭』、『後胸乳頭』、『腹乳頭』、『鼠径乳頭』と呼ばれています。6個~12個の個体もいて、中には奇数の場合もありますが、特に異常ではありません。位置は左右対称に並んでいるわけではなく、少しずつズレているようです。
通常であれば1つの乳腺に1つの乳首がついているはずですが、稀に乳腺がない乳首もあります。乳腺が伴わない乳首からは当然母乳は出ません。
急性うっ滞性乳腺炎
急性うっ滞性乳腺炎の原因は十分に排出されなかった乳汁が乳腺内で詰まって、炎症を起こすことです。
乳汁の排出が不十分な原因は、授乳期に子猫と離されてしまったり、子猫の飲む量に比べて母乳の分泌量が多すぎたりすることです。生まれた子猫の頭数が少ないことが原因のこともあります。
化膿性乳腺炎
化膿性乳腺炎の主な原因は子猫が乳首を噛んだり、爪で傷つけたりしたことが原因でできた傷口や、乳腺の開口部から細菌に感染することです。授乳中は乳腺の開口部が普段より広くなるため細菌が入り込みやすくなっています。
想像妊娠(偽妊娠)
メス猫は発情期が始まると妊娠していなくてもホルモンの分泌が起こります。このため乳腺から乳汁を分泌する猫もいるのです。このような『想像妊娠』状態で乳腺炎を起こすことがあります。出産させるつもりがなければ早めに避妊手術を受けておくとよいでしょう。
猫の乳腺炎の治療法
マッサージで搾乳する
乳汁の詰まりが原因で起こる、うっ滞性乳腺炎の場合、乳房をマッサージすることで乳汁の排出を促します。
ただし、細菌感染による化膿性乳腺炎の場合マッサージを行ってはいけません。また、腫れや痛みが強い場合もマッサージせずにすぐに病院で治療を受けましょう。膿が溜まった状態でマッサージなどを行うと患部が破裂する可能性もあります。
患部を冷やす
乳腺炎の炎症を起こしている患部を冷やして、炎症を抑えます。冷やしても乳腺炎の症状に改善が見られない、痛くて授乳ができないなどの場合はすぐに病院に相談しましょう。
抗生物質の投与
乳腺炎で細菌感染を起こしている場合は抗生物質の投与を行います。症状によっては抗炎症剤やホルモン剤などを投与されることもあります。
乳汁がうっ滞している状態では細菌感染の危険も大きくなるので、乳腺炎予防のために抗生物質を投与することもあります。
外科的処置を行う
乳腺炎の悪化により膿が溜まったり、患部が壊死したりすることがあります。症状によっては外科的処置で患部を取り除く可能性もあります。
まとめ
出産を終えた母猫は乳腺炎の危険性があるということがわかりました。あまり構い過ぎるのはよくありませんが、子猫が元気に母乳を飲んでいるか、母猫が穏やかに子育てをしているかこまめにチェックしてあげましょう。
育児中の母猫は疲れが溜まっていて体力が落ちてしまうこともあります。体力が落ちることで免疫力も低下して病気になりやすくなります。疲れやストレスを溜めないためにも静かで落ち着いた環境で子育てができる環境を大切にしてあげたいですね。育児環境を清潔に保つことも細菌感染による乳腺炎などを防ぐことにつながるでしょう。
40代 女性 はいじ
30代 女性 しの
子猫ちゃんが、噛みついたりしてしまうので、仕方がないみたいです。
私たち家族は、お乳を消毒をして温めたりし様子を見ていました。
2週間ほどすると、腫れもおさまりまして、安心いたしました。
子猫に、母乳を与えている時期には特に気を付けなければなりませんね。
30代 女性 みきこ
痛がって授乳をさせるのを嫌がりました。
獣医師に診ていただき、軽くマッサージをしてその日の夜には、母乳が出やすくなりました。中には、マッサージをしてはいけない場合があるので、獣医師に診ていただいてからにしましょう。乳腺炎は何度もなったりするので気を付けましょう。授乳中は、お薬を飲めないので可哀想ですよね。漢方薬を使う場合もあるそうです。なかには、副作用が出る漢方薬もあるので、注意して下さいね。乳腺炎の治療は、早めに動物病院で相談しましょう。