猫の睾丸で気をつけたい病気、原因や症状など

猫の睾丸で気をつけたい病気、原因や症状など

猫にかかりやすい病気はいくつかありますが、性別によってそれぞれかかりやすい病気がありオス猫の場合は、生殖器である睾丸の病気に気をつける必要があります。去勢手術を済ませたオス猫は睾丸が摘出しているため問題はありませんが、まだ去勢手術受けていないオス猫は特に注意しましょう。睾丸の病気にはどのような病気があるのでしょうか?原因や症状についても詳しく解説していきたと思います。

717view

猫の睾丸で気をつけたい病気

歩く猫の後ろ姿

オス猫の去勢手術を受けるメリットとして望まない繁殖を防いだり、尿スプレーによるマーキング行為の防止などがあげられますが“生殖器系の病気の予防”も大きなメリットでもあります。オス猫の場合は「精巣腫瘍」と「停留睾丸」の病気があり、注意する必要があります。

精巣腫瘍

睾丸が腫瘍化する“精巣腫瘍”は猫の腫瘍の中でも極めて珍しい病気です。睾丸には精子をつくる精粗細胞や、その精粗細胞に栄養を与えサポートするセルトリ細胞、ホルモンを分泌するライディッヒ細胞があります。精巣腫瘍はこの中の細胞が腫瘍化したことで発症します。

6才以上のオス猫に発症しやすい傾向があり、全体の5〜20%程の割合で悪性といわれています。

停留精巣

猫の睾丸は生まれたときに腹腔内の奥にありますが、生後1〜2ヶ月頃までにかけて睾丸が陰嚢内に降りてきます。ちなみにこのことを“精巣下降”と呼ばれています。

通常であれば生後1〜2ヶ月頃までに睾丸2つとも降りてくるのですが、中には片方の睾丸または両方の睾丸が降りてこないまま腹腔内か鼠径部(内股のところ)にとどまってしまうことを停留精巣(潜在精巣)といいます。

正常な精巣の働きができないので停留精巣が腫瘍化になりやすい傾向があります。

猫の睾丸の病気、精巣腫瘍の原因と症状

足を広げてグルーミングしている猫

原因

猫の睾丸が腫瘍化する精巣腫瘍の主な原因は、睾丸が陰嚢内に降りないままとどまってしまう停留精巣です。お腹の中にとどまっていることで高温となり、それにより細胞が破壊してしまったり正常に発達できないことで腫瘍化すると考えられています。

猫の精巣腫瘍は「セルトリ細胞腫」「セミノーマ」「間質細胞腫瘍」の3種類がありますが、どれも犬と比べても発生確率は低いです。

症状

精巣腫瘍はオス猫になる病気ですが、睾丸にある腫瘍化した細胞が女性ホルモンを分泌する影響で、乳腺の張りといった“メス猫傾向“の特有の症状が現れるのが特徴敵です。

また脱毛(対称性の脱毛)や鼠径部の色素沈着も見られたり、前立腺の腫れにより便が出にくくなることもあります。

治療法

猫の精巣腫瘍の場合、一般的には腫瘍化した睾丸を摘出する手術となります。片方の睾丸が正常で陰嚢内に降りていれば通常の去勢手術と同じ方法でおこなうことができますが、腫瘍化した睾丸が腹腔内や鼠径部にある場合はお腹を開けて摘出する開腹手術となります。

精巣腫瘍が悪性で、猫の年齢が高齢などで麻酔をかけて手術することが困難な場合は抗がん剤などの化学療法をおこなうことがあります。

猫の睾丸の病気、停留精巣の原因と症状

ソファーでくつろぐシャム猫

原因

一般的にオス猫の睾丸はおよそ生後2ヶ月頃までに降りてきますが、遅くても生後8ヶ月たっても下降していない場合は停留精巣と診断されます。停留精巣は別名、停留睾丸と呼ばれており、先天的な遺伝が原因と考えられています。

そのため猫の停留精巣の発症率はおよそ1.7%程で、シャム猫が起こしやすいともいわれています。

症状

陰嚢内に降りてこなかった睾丸は腫瘍化しやすく、正常の睾丸の約10倍程の確率で発症するといわれています。通常陰嚢内に降りてきた睾丸の中にある精巣は低い温度により保たれていますが、停留睾丸の場合はお腹の中にあるため高い温度となり腫瘍化する確率が上がります。

中でもセルトリノーマとセミノーマは発症しやすい傾向がありますが、特にこのセルトリノーマは悪性腫瘍なため放っておいてしまうと他の臓器などに転移し死亡することもあります。

また腫瘍化により女性ホルモンのエストロゲンを過剰に分泌された場合は骨髄に影響が及び、機能不全となってしまう恐れがあります。一度ダメージを受けてしまった骨髄は元に戻ることはできないため治る見込みは残念ながらありません。

治療法

停留精巣の場合は腫瘍化しやすいため、発症しやすくなる4歳くらいまでに手術で切除する必要があります。

その際に片側停留睾丸だけ取り除いても、もう1つ残った睾丸により妊娠させてしまう可能性があります。停留精巣は遺伝するため、生まれてくる子猫にとって好ましくないので睾丸2つとも摘出することになります。

一般の猫の去勢手術は陰嚢をほんの数cm切開し、睾丸を摘出する方法ですが、停留精巣の場合はお腹の中に睾丸があるため開腹手術となります。そのため手術費用も去勢手術より高くなります。

動物病院によってそれぞれ手術費用が異なるので詳しい知りたい場合は、一度かかりつけの動物病院へ問い合わせてください。

猫の睾丸の病気と去勢は関係がある?

首にエリザベスカラーをつけている猫

早めに去勢手術を受けることで精巣腫瘍の発生の防止

精巣腫瘍の主な原因は停留精巣ですが、正常な睾丸でもオス猫の高齢化により腫瘍化する恐れがあります。そのため腫瘍化になる前に早めに去勢手術を受け、睾丸を摘出することで発生を防ぐことができます。

先程お話しした通りに、特に停留精巣の場合は正常の睾丸よりも10倍ものの確率で腫瘍化してしまうため、早めに去勢手術を受けることを勧めます。

繁殖防止に正常な睾丸も摘出します

猫の睾丸の病気である“精巣腫瘍”と“停留精巣”は一般的な治療としては手術をおこない睾丸を摘出します。しかし正常な睾丸を残してしまった場合、生殖能力が残ってしまう状態になってしまいます。特に猫は繁殖能力がとても高く、およそ100%の確率で妊娠するといわれています。

停留精巣は遺伝するため、生まれてくるオスの子猫も停留睾丸になる可能性があるため繁殖予防や望まない妊娠を防ぐために去勢手術と同様に正常な睾丸も一緒に摘出します。

マーキング防止や性格が温厚になる

正常な睾丸を含め、腫瘍化した睾丸や摘出することにより去勢手術と同様にホルモンの関係で、尿スプレーによるマーキング行為の防止や性格も穏やかになるといったメリットがあります。

ですがその分代謝が落ちてしまうため体重が増えやすく肥満になりやすいため注意が必要です。肥満になると糖尿病や尿路結石症といった泌尿器系疾患になりやすく、特にオス猫はメス猫と比べて尿道が細長いため尿道閉塞を起こしやすく、オシッコが全く出なくなり命を落とす危険があります。

そのため去勢手術を含め、手術を受けた場合は太らせないように食事管理に気をつけることが大切です。

まとめ

獣医師の診察を受けている猫

猫もいくつかある病気の中で生殖器系の病気にかかることがあり、オス猫の場合は“精巣腫瘍”と“停留精巣”があります。

精巣腫瘍は去勢手術を受けていない高齢の猫も見られることがありますが、ほとんどが睾丸が陰嚢内に降りてこなかった停留睾丸が原因といわれています。

腫瘍の種類にもよりますが悪性腫瘍だった場合、他の臓器などに転移している可能性があり命を落とす危険があります。

特にこの停留精巣は通常の睾丸よりも10倍以上の確率で腫瘍化するといわれており、早めに手術する必要があります。猫の成長スピードにもよりますが、遅くても生後半年〜8ヶ月頃に経っても睾丸が陰嚢内に降りてこなかった場合は停留精巣と診断とされるため、その時点で手術をおこなうことを勧めます。

停留精巣は遺伝によるものと考えられ、生まれてくるオスの子猫も停留睾丸になる可能性があるため繁殖防止や望まない妊娠を防ぐために去勢手術と同様に正常な睾丸も一緒に摘出します。

去勢手術と同様に正常な睾丸も一緒にとるので、手術をすることで性ホルモンの関係により尿スプレーの防止や性格が穏やかになるといったメリットがあります。ですが代謝が落ち、太りやすくなってしまうため太らせないように食事管理やオモチャで遊ばせて運動させるなどの工夫をしましょう。

スポンサーリンク