猫が布を食べるのはなぜ?
猫が食べ物以外の物を食べてしまうことを「異食」と言います。そして、特に布である羊毛フェルトなどのウールや布を食べてしまう行為は、「ウールサッキング」と呼ばれています。布もウールだけに限らず綿、麻、絹など、そしてダンボールやビニール製のゴムでできた布以外の物を食べる場合も、ウールサッキングと言われることがあります。
布に対して食べるだけではなく、「吸う」、「噛みちぎる」という行動もあります。猫がウールサッキングをしてしまう理由はいくつか考えられていますが、はっきりと解明はされていません。
しかし布を食べると、布は消化されずに胃や腸管に詰まる事も多く、手術で除去しなければならないなど、大変に危険な行動です。猫が飼い主の留守番中だった場合は、布を食べる行動は、命に関わりかねません。それでは布を食べる理由を見ていきたいと思います。
猫がストレスを抱えている
子猫時代に、母猫との時間が十分に取れなかった猫は、布を食べる事が多いと言われます。母猫のお乳を吸っているような気持ちから、ウールを吸う事もあります。ウールサッキングに限らず、離乳の早かった猫は、甘えん坊になることや、ストレスから布以外にも食べ物以外のものを食べるなどの問題行動を起こす事が増えてしまう場合があるようです。
猫の種類による
シャム猫等のオリエンタル種の猫種に布を食べる猫が多いことから、ウールサッキングには遺伝要素もあるのでは、と言われています。
シャムの長毛種であるバリニーズ、バーミーズなども布を食べる行為がよく見られる猫の種類です。
ウールの味や食感に興味を持っている
猫がウールの元である羊毛自体に惹かれて布を食べる、もしくは布の食感が気に入ってかじっている内に、布を食べてしまうという説もあります。
飼い主さんの匂いがついていることから、飼い主の着ているセーターを食べる、Tシャツを食べるという行動にもつながる場合があるようです。飼い主の寝ている毛布を噛む行為も同じです。
食事を気に入っていない
猫は餌を気に入らないと、食べもの以外の布など、食べる事があるようです。
現在のフードの食べ方を観察して、よく残すようでしたら、フードが猫の好みに合っていない可能性があります。フードを気に入っていても、猫が満足するまで食べられられていない場合もあります。
他の原因としては、寄生虫や消化管の疾患なども考えられているようです。
猫が布を食べてしまう時の対処法
猫が布を食べる事をやめさせるためには、時間をかける必要があります。
ウールサッキングの発症はどの年でもおこりえますが、若い時期に多く、多くは数か月から1歳くらいまでに起こる可能性があり、年齢を重ねて治る場合と、発症してますます布を食べる行動が酷くなる場合もあります。
布を食べるときに猫が吐き、排便で排出してくれれば良いですが、食べた布を手術で取り出さなければならない危険性もあります。猫は吐く行為が多い動物ですが、無駄に回数が多いと、猫の身体に大きな負担となります。
猫に愛情をかける
猫が布を食べる行為を見かけても決して怒らないでくださいね。これは猫が問題行動をおこした時に共通する、飼い主の猫への大切な対応の一つです。
猫が布を食べる原因はストレスの場合も多いので、飼い主が布を噛む事を忘れさせるくらいにタップリと遊んであげると、快復への第一歩となります。
多くの猫に散歩の必要はありませんが、飼い主が猫と一日に15分くらいはしっかりと遊びも含めて向き合う時間を作ってあげましょう。布を食べるなどの問題行動を起こしてしまいます。毎日決まった、少しの時間で良いですから、猫と十分に関わってあげてくださいね。
猫を観察し噛む布を隠す
猫が布を食べるのが「どのような場合か」「どのような布か」観察する事が大切です。観察から原因を探る事ができますし、ウールや綿など、決まった布を食べる場合は、家の中からなくすのも一つの手段です。
冬場に飼い主のセーターを好んで噛む場合は、寒くて大変ですが、猫が落ち着くまで家の中では違う物を着るようにしましょう。
あとは出しっぱなしにするようなことがないようにしましょう。
食事の仕方を見直す
- 食事量を増やす
- 食事の回数を増やす
- フードを変更する
お腹がすいて布を食べる猫には、満足するまで食べさせてあげる方法があります。食いしん坊の猫や、食べる事が好きな猫は肥満になって、逆に病気を発症してしまうかもしれませんので、注意をしてくださいね。
その場合は、一日の食事量を変えずに、回数を増やすという方法もあります。また肥満に対応した食事もあるのでそういったフードを与えてみるのも一つです。
猫草を与える
布の代わりに、代替えの物を与える場合は、猫草を利用すると良いそうです。布を口に含む食感が好きな猫には、効果の上がりそうな方法でしょう。
気になる場合は勝手な判断をせず、必ず獣医師に相談するようにしてください。その問題行動の中には病気が潜んでいる場合もあります。
まとめ
猫が布を食べるウールサッキング、原因と対処法についてお話をさせていただきました。ウールサッキングは放っておくことはできない猫の行為です。
原因を解明するのが難しい部分も多いため、治療も大変に難しいようです。
多くの飼い主は、食べる布を猫から隔離して、猫が大人になり、自然に布を食べる行為に興味がなくなるのを待つ、もしくは食べられないように工夫して環境を整える事が多いそうです。
愛猫と常日頃から接していれば、ウールサッキングの発見も早くなります。猫との距離感は難しいですが、接する時はメリハリを付けるようにして、飼い主も猫と楽しむ事が非常に大切ですね。
50代以上 女性 猫じゃらし
下の子は人懐っこく、宅配人に玄関でお腹見せる。最近17年生きた猫、亡くなりました(2021.2)その頃位に下の子がウールサッキング症状出ました。太っているので消化されず、便を確認。嘔吐もなく。猫草与えてみようかと思います。とりあえず元気なので病院で相談はしてみようと思います。