猫ウィルス感染症の種類とその症状とは

猫ウィルス感染症の種類とその症状とは

風邪のような症状の猫ウィルス感染症。猫は冬だけでなく夏も冷房が強すぎなどで風邪や病気になることもあるようです。猫ウィルス感染症を風邪のような軽い症状と考えていると、大変なことになってしまうことも・・。そこで今回は、猫がかかりやすいウィルス感染症についてまとめてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫ウィルス感染症の種類

女医に診察を受けている猫

猫ウィルス性鼻気管炎

一つめの猫のウィルス感染症は、猫ウィルス性鼻気管炎(ねこうぃるすせいびきかんえん)です。こちらは後でご紹介する、二つの猫のウィルス感染症と共に、猫風邪と呼ばれることもある病気です。

他にも猫インフルエンザ、猫コリーザなどと呼ばれたりもします。このウィルスは涼しいところが好きなので、猫が外の外気に触れて体温が下がっている部分、目、鼻、口などに症状は表われます。

大小を問わず全ての猫科動物が感染する病気です。猫ウィルス性鼻気管炎は2~10日の潜伏期間の後、食欲不振,くしゃみ、鼻の穴付近のヘルペス性皮膚炎、口内炎、発熱、角膜炎、結膜炎、涙の増加、目ヤニの増加などが見られます。子猫、老猫など免疫力の弱い猫がかかりやすく、肺炎になったり妊娠中の猫は流産したりすることもある、恐ろしい病気です。

猫カリシウィルス感染症

氷嚢を頭にのせている猫

二つめの猫風邪と言われる病気は、猫カリシウィルス感染症です。こちらはカリシウィルスというウィルスに感染することで、かかる猫の病気です。猫が非常によくかかることが多い病気の一つで、感染力も強いウィルスです。

乾燥した環境でも3~4週間生存します。免疫力の弱い生後6週~10週ぐらいの子猫などが特にかかりやすいようです。上記した猫ウィルス鼻気管炎が結膜炎や目などに症状が出やすいのに対し、こちらは口内炎、舌炎などが見られやすいのも特徴です。

二つの病気が混合した症状の、ウィルス性呼吸感染症もあり、冬に多い病気です。猫カリシウィルス感染症にかかると症状として、口内炎、舌炎、高熱、くしゃみ、鼻の潰瘍、鼻水、よだれ、目の周囲の赤み、食欲不振、爪周辺の潰瘍などの症状が出ます。

聴診器をあてられている子猫

猫クラミジア感染症

猫風邪と言われる三つめのウィルス感染症は、猫クラミジア感染症です。この感染症は、猫クラミジアという細菌によって引き起こされます。また、猫クラミジアはそれほど症例は多くありませんが、猫から人間に感染する病気の一つでもあります。

感染すると3日~10日の潜伏期間の後、目の炎症、粘着性の目ヤニ、結膜炎、鼻水、くしゃみ、咳、気管支炎、肺炎などの症状がでます。この病気にかかりやすいのは、やはり免疫力の低い2~6か月の子猫などです。

猫ウィルス感染症の対策法

ワクチンと注射器

猫にこのような症状が見られたら、もしくは予防するためには、どうしたらよいのでしょうか。まず一番良いのは、犬猫病院などでワクチンを接種してもらうことです。

特に感染症は幼猫、老猫、多頭飼い、もしくは外で猫を散歩させる猫などに多いので、思い当たる飼い主さんはできる限り、猫にワクチン摂取をさせておいた方がよいでしょう。

また、猫のウィルスの特徴として、症状は回復しても体内のどこかに細菌が潜伏し、免疫力が弱まると再発してしまうということが多くなります。ワクチンには菌の全てを防ぐ効力はないのですが、感染しても症状が軽くてすむという効能があります。

猫ウィルス感染症の治療法

毛布をかぶって寝ている猫

もし自宅で猫にこのような症状が見られたら、専門の獣医師に見せるのが一番です。家でできることは、猫に栄養のある食事をさせる(食べやすく消化によいもの、猫ミルクを入れる、ドライフードをふやかす)などを与え、脱水症状などにも気を配って、水分補給などに注意をしましょう。

他にも目ヤニや鼻水をまめに拭いてあげる、多頭飼いの場合は同じお皿からの接触をさける、猫同士を近づけないようにするなどが、感染症に対してできることや二次感染を防ぐ方法です。

まとめ

白いカーペットの上で伏せている猫

猫ウィルス感染症は、通常の免疫力のある猫なら、きちんと治療すれば2~6週間ぐらいで症状は回復してきます。また、感染症の猫に触った場合は、飼い主さんもきちんと手を洗うようにしましょう。外の野良猫に触った後に飼い猫に触ることで症状が出ることもあるので、手洗いは習慣にするようにしましょう。

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