猫の毛球症とは
猫の毛球症(ヘアボール)とは、グルーミングのときに飲み込んだ被毛が消化器管内にとどまり、排便や吐くこともできなくなる状態のことをいいます。主な症状は以下の4つです。
- 食欲不振
- 吐くそぶりが増えた
- 便秘、下痢
- お腹を触られることを嫌がる
毛球症を疑うような症状がある場合は猫の便をチェックしてみてください。毛球症の場合、毛が絡まったような便が出ます。
猫の毛球症の原因
猫の毛球症の主な原因は以下の3つだといわれています。
- ブラッシング不足
- 吐き出し不足
- ストレス
特に長毛種の場合は、ブラッシング不足により飲み込む毛の量が増え、毛球症にかかりやすくなります。また、猫はストレスを感じるとグルーミングが増える場合もありますので猫の様子をしっかり観察しましょう。
猫の毛球症の治療と対策
食事も水分も全く摂取しない、吐くそぶりが多く便も出ないという場合はすぐにかかりつけ医を受診しましょう。毛球除去剤を処方される場合や、症状が重篤で、腸閉塞を起こす可能性がある場合などは、開腹手術によって毛球を取り出す場合もあります。症状が軽度な場合は以下の方法を試してみましょう。
ブラッシングをまめに行う
長毛種は年間を通してまめなブラッシングが必要ですが、換毛期は特に注意が必要です。ブラッシングで取り除くだけで、猫が飲み込む毛の量を大幅に減少させることができます。ただし、皮膚を傷つけてしまう恐れもあるのでやりすぎには注意しましょう。
猫草を食べさせる
ペットショップやホームセンターなどでも購入でき、猫草の栽培キットなども販売されています。草が胃を刺激し、吐き気を誘発するといわれていますが、猫草を食べても吐かない猫もいます。ただ、猫草を好む猫は多く、ストレス解消にもなるといわれています。
フード、おやつでコントロールする
猫草を食べない、または猫草を食べても吐かないという猫も少なくありません。そんな猫のためにヘアボールコントロールのフードやおやつが販売されています。フードを変えるのに抵抗があるという場合は、食物繊維が豊富に含まれているヘアボール対策用のおやつや、猫草を食べない猫用に作られた猫草スナックを試してみましょう。
水分補給を促す
水の容器を増やしたり、自動給水器などを取り入れたりすることで水分補給を促すことも大切です。どうしても飲水量が増えない場合は、ウェットフードやスープタイプのおやつなどを利用してみるのもいいかもしれません。
この他にも、キャットタワーなどで上下運動をすることや、排便を促すマッサージなども効果があるといわれています。毛球症は目に見える症状が少ないため、発覚が遅れる場合が多くあります。普段から、猫の食事量や便の回数、状態などをしっかり観察しておきましょう。
毛玉を吐かない猫は毛球症に要注意
短毛種では毛玉を吐くという行為を全くしない猫もいます。その場合、飲み込んだ毛は便と一緒に排泄されているのですが、換毛期など何らかの理由で飲み込む毛の量が増えた場合、うまく排泄できなくなることがあります。
毛球症といえば、長毛種がなりやすいイメージがありますが、上記のような習性から短毛種が毛球症を引き起こす可能性も十分にあります。実際に、我が家の短毛種猫も、換毛期に毛球症を発症したことがあります。
普段からブラッシングはしていたものの、毛玉を吐いたことがなく、猫草も食べませんでした。毛球症に気付いたのは、トイレ以外の場所に便が落ちていた時でした。便がうまく出ず、走り回ったり、便を無理矢理引っ張り出したりしていたのだと思います。
その便をチェックすると毛が絡まっていたことから毛球症だと判断し、すぐにヘアボール対応のフードを1日1回取り入れ、猫草スナックも食べさせるようにしました。軽度だったため、自宅でのケアで解消されましたが、悪化していたらと思うとゾッとします。
普段から毛玉を吐かない猫は特に、猫草やヘアボールコントロール用のフード、おやつを利用するなどの方法で換毛期のケアをしっかり行っておくと安心ですね。
まとめ
我が家の愛猫が毛球症にかかるまで、猫草を食べないことや、毛玉を吐かないことに大きな不安を感じたことはなかったのですが、毛が絡まった便を見たとき、何故もっと早く気付いてあげられなかったのか、猫草を食べないなら他の方法を試すべきだったと後悔しました。
毛球症は、普段のケアで対策、改善することができる病気でもありますが、その症状は分かりにくいものでもあります。普段からのケア、便のチェックを行っておくと、愛猫の異変にいち早く気付くことができるかもしれませんね。
40代 女性 なつき
初めは、草を食べてから毛玉を吐いていましたが、なんだかあまり吐かなくなってそれ以降に毛玉が体内にたまってしまい、大きくなってしまったようです。手術で取り去ってからは、上手に毛玉を吐くようになり、体内に毛玉がたまることはなくなりました。毛球症は、よくある病気で友人の猫ちゃんも治療していました。
すっかり元気になっていますが結局、毛玉は無事に吐くことができたのだそうですよ。
今は、猫ちゃんに負担の少ない治療法がありますので、ゲホゲホいっていたら、すぐに獣医師に診ていただきましょう。