猫のうつ病に気を付けて!初期症状4つ

猫のうつ病に気を付けて!初期症状4つ

うつ病という心の病気は私達人間にとってもとても辛い病気であると言えるのですが、実は猫にもうつ病に近い症状が表われることがあるようです。人間もですが猫のうつ病も症状が悪化する前に早めに対策や治療することが大切です。そこで今回はそんな状態にできるだけ早く気づいてあげるためにも、猫がうつ病になるとどんな兆候があるのかまとめてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.刺激に無反応になる、興味をなくす

元気がない猫

猫がおもちゃなどを使って遊ぼうとしても、急に興味を示さなくなったり、飼い主に構ってほしいと寄ってこなくなった、もしくはいつもは猫が怒っていたようなことにも感情を出さなくなったなどの兆候が見られた場合、人間のうつ病と似たような状態になっている可能性もあります。

猫は元々きまぐれなので、気分次第で遊びに興味を示さないこともあり、また、年を取った猫はあまり活動的でないので無気力に見えることもありますが、今まで非常にアクティブで元気な猫(特に若い猫)や甘えん坊の猫などが、急に上記のようなことに興味を示さなくなった場合、なかなか判断しにくいですが、うつ病の初期症状が表われていることもあるので、注意して見てあげた方がいいでしょう。

2.食欲がなくなる

餌を前にした猫

食欲がなくなるというのは人間もですが、猫が心に問題を抱えているサインとしてとても、分かりやすいものです。生物にとって食べて生命力を維持しようとするのは本能的な欲求ですから、それが失われてしまうというのは、明らかに心身になんらかの問題があると考えていい状態でしょう。

このようにもし猫が急に食欲がなくなり、食べ物やおやつに興味を示さなくなったのであれば、うつ病の疑いがありますが、他にもうつ以外の病気で食欲がなくなっている可能性もあります。

もしも、猫に食欲不振の兆候が見られた場合は、うつかそれ以外の病気か判断することが難しいですが、どちらにしてもできるだけ早く動物病院で診察してもらった方がいいでしょう。

3.グルーミング、トイレの問題

グルーミングする猫

猫は被毛を清潔に保つために毛繕い、いわゆるグルーミングを行いますが、うつ病の兆候が表れてくると、日課として行っているグルーミングをあまりしなくなったり、また逆に過剰にするという傾向があるようです。

猫がグルーミングをしなくなると被毛が汚れ、毛玉ができているのが目立つようになる、毛艶が悪くなるなどの状態になります。反対に過剰に舐めすぎてしまうと皮膚が炎症を起こしたり、毛が抜けてしまったりもします。

さらにこれは被毛の問題ではありませんが、猫はうつ病の兆候が出てくるとトイレが決められた場所でできなくなるということもあるようです。このように猫が普段しているような毛繕い、トイレなどをきちんと行えなくなるなどの状態が見られたならば、うつ病の疑いがあるかもしれません。

4.攻撃的になる、または人を避ける

怒っている猫

猫も心に問題を抱えていると不安定になりますから、飼い主に対して攻撃的になったり、もしくは社交的な性格の猫が急に物陰に隠れるようになる、というのもうつ病の症状の一つの場合があります。

もしも今まで、猫が非常に穏やかで社交的な性格であったのに、態度が急変したと感じられるようであれば、何か心の問題を抱えている可能性も高いので、獣医さんに一度相談した方がいいでしょう。

まとめ

ぐったりした猫

いかがでしたか?猫にも人間と同じように、うつ病に似た症状が見られることがあるようです。猫のうつ病は遊びや運動が足りない、もしくは引っ越しや環境の変化などで引き起こされていることもあり、猫が退屈しにくい環境や安心できる状態を作るようにしていけば、改善していくこともあります。

しかしうつ病は、食欲不振など心の問題が体にも直接影響しかねない甘く見られない病気です。飼い主さん自身が環境を改善することも場合によっては必要ですが、やはり心配な兆候があれば獣医さんに相談するのが一番良いかもしれません。

獣医師のアドバイス

うつ病とは「脳のエネルギーが欠乏した状態で、その結果、心や身体に様々な症状が現れること」と、人では言われています。(https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad001/

猫にも様々な心の病気があり、「常同障害」「分離不安」「恐怖症」「心因性脱毛」などが代表的な病気です。元気がなかったり、食欲がなかったりという症状は急性胃腸炎や腎不全、糖尿病などの一般的な病気でも伴う症状です。このような症状があるから「うつ病」とは言えません。先に例を挙げたように、確かに動物にも「うつ病」のような「心の病気」はありますが、それがすべて「うつ病」というようには判断できません。動物の「うつ病」という診断は非常に難しいのが現状です。

平松育子
院長
獣医師
平松育子

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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