猫の予防接種の必要性
- 猫の予防接種は必要
- 室内で飼っていても感染する可能性はある
猫にワクチンは必要
猫に予防ワクチンを接種するかどうかは飼い主さんの任意になっています。室内で飼っている場合は必要が無いとは思いますが多頭飼いをしていたり、飼い主さんが外出先からウイルスを持ち帰り感染してしまう可能性も否定できないためワクチンは接種しておいたほうが良いと思います。費用は少々かかりますが、逆にウイルス感染して治療を行うことを考えたら、安いものです。何より、病気によって猫が苦しんだり、命を落としたりするのを防ぐことができるので、猫の予防接種は是非済ませておきたいものなのです。
猫の予防接種は、ウイルスによる感染により、猫が病気になるのを防ぐために、生ワクチンや不活化ワクチンを注射することで、免疫をつけられるものです。猫に予防接種をしておけば、実際にその病気に罹ってしまったとしても、症状を軽くしてあげる効果が十分に期待できます。
猫の予防接種で使うワクチンの種類と費用
三種混合ワクチン
- 猫凡白血球減少症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 費用は4000円から6000円
三種混合ワクチンは、猫の予防接種の中でも絶対に必要とされていて、猫凡白血球減少症・猫カリシウイルス感染症・猫ウイルス性鼻気管炎の3つを予防できるワクチンです。費用は4000円から6000円ほどかかります。
四種混合ワクチン
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫凡白血球減少症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 費用は5000円から7000円ほど
三種混合ワクチンで予防できる病気の他に、猫白血病ウイルス感染症の予防もできるワクチンです。費用は5000円から7000円ほどかかります。
五種混合ワクチン
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス感染症の予防
- 猫凡白血球減少症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 費用は6000円から9000円ほど
四種混合ワクチンで予防できる病気の他に、猫クラミジア感染症の予防もできるワクチンです。費用は6000円から9000円ほどかかります。
七種混合ワクチン
- 2種類の猫カリシウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス感染症の予防
- 猫凡白血球減少症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 費用は10000円ほど
猫カリシウイルス感染症は、ウイルスの型が複数あるので、1種類のワクチンで完全に予防することができません。七種混合ワクチンには、五種混合ワクチンに加え、さらに2種類の猫カリシウイルス感染症のワクチンを追加しています。費用は10000円ほどかかります。
猫のワクチンはどの予防接種も1回目の接種から1か月ほど置いて、もう一度接種すると、より一層効果的です。
※参考金額を記載しました。金額は病院によって異なりますのでかかりつけ、最寄りの動物病院に確認してください。
猫の予防接種で効果のある病気
ここでは、猫の予防接種で症状を軽減させる効果がある病気について、詳しくご紹介します。
猫エイズウイルス感染症
猫エイズウイルス感染症は、感染してしまうと、様々な症状が体に現れ、徐々に猫の体を蝕んでいく恐ろしい病気です。猫同士のケンカで傷ができた時に、そこから感染してしまう場合が多いです。人間や他の動物に感染したりすることはなく、ネコ属にだけ感染します。
猫クラミジア感染症
猫クラミジア感染症の主な症状は、目ヤニから始まり、結膜炎や気管支炎・肺炎など重篤な症状へとなっていく場合があります。猫から猫へと感染していく場合がほとんどで、目や鼻、口を通してウイルスが体の中に侵入していきます。生後6か月までの間に感染することが多く、絶対に人に感染しないと言い切ることができないので、飼い主さんも注意が必要です。
猫ウイルス性鼻気管炎
猫ウイルス性鼻気管炎は、「ネコヘルペス」とも呼ばれ、鼻や気管に症状が現れる病気です。角膜炎や結膜炎、口内炎や、鼻の穴周辺にヘルペス性皮膚炎ができるのが特徴です。他にもくしゃみや咳、鼻水などの症状があり、飛沫感染などで、他の猫に感染していきます。
猫白血病ウイルス感染症
猫白血病ウイルス感染症は、体中のリンパ組織を通して広がっていきます。感染して1~2年ほどで悪性リンパ腫になりやすく、そのままの状態でいると数か月で命を落としてしまいます。ただし、化学療法が有効で、きちんと治療を行えば、余命を延ばせる可能性は十分にあります。初期は貧血の症状が強く出ます。
猫カリシウイルス
猫カリシウイルス感染症は猫風邪とも呼ばれていて、口内炎や舌炎を発症してしまう場合が多いです。風邪の症状ももちろんありますが、口の中が痛くなるので、よだれが多く出てくるのも特徴です。ウイルスは皮膚や洋服などにも付着するので、飼い猫が直接他の猫と触れ合っていなくても、感染している猫を外で触ってしまった人間を介して、感染してしまうことがあります。
猫凡白血球減少症
猫凡白血球減少症には、心筋型と腸炎型があり、心筋型は心筋炎や心不全により、突然死してしまう恐れがあります。腸炎型も、腸管内がウイルスに侵されてしまうと、下痢や血便をするようになり、抵抗力がなくなって死んでしまうケースも少なくありません。
以上、6つの病気をご紹介しましたが、どれも感染してしまうと、猫がとても苦しみます。できれば全ての病気を予防するために、猫に予防接種することをおすすめします。特に、妊娠中の母猫が、お腹の子猫に感染させる危険性がかなり高いので、妊娠させる前には猫に予防接種をしておきましょう。
猫に予防接種をする時期
猫が予防接種をする時期は、最初の1回目は生後2か月から3か月頃です。ただし、猫の育った環境から、ウイルスに感染している恐れがある場合は、生後1か月程度でも予防接種をすることができます。日本では猫の予防接種は1年に1回行うことを推奨しており、まだ一度も接種したことがない成猫は、今からでも始めることができます。
まとめ
猫の予防接種をしないと、どんな病気になる可能性があるのか、詳しくご紹介しました。家の中で飼っていたら安全というわけではなく、よその猫を触った人間からも感染する危険のあるウイルスもあるので、猫は予防接種が必須となります。まだ猫の予防接種をしていないという飼い主さんは、猫のためにも早めに病院へ連れて行って、予防接種をして来ましょう。