猫の耳ケアの重要性
猫の身体能力はとても高く、ハンターとしてもとても優秀ですが、それはとっても発達した聴覚をもつからです。猫の五感の中で聴覚は最も発達しており、弱い視力を補っているほどです。
猫の聴覚は犬の2倍といわれています。寝ている間でも耳だけは休まらないほど、猫は常に耳を働かせています。耳は猫にとってとても大切な器官です。
耳のチェックは飼い主さんの役目
猫は耳で感情を表現していますので、飼い主さんにとってもよく動く耳は愛おしいものですね。でも、この耳、放置をしていると思わぬ不調や病気を引き起こすこともあります。猫はいつも毛繕いをするくらいもともときれい好きですが、耳だけは自分で見えませんね。ここで飼い主さんの出番です。大切な猫ちゃんの耳をチェックして、正しくお手入れをしてあげましょう。
猫の耳垢のチェックするポイント
個体差はあるものの猫の耳は健康ならそう汚れません。耳垢が軽く見える程度は正常の範囲です。日ごろからチェックをして、その子の健康な耳の状態を知っておきましょう。
耳の健康状態をよく知ろう
耳の穴の中には皮脂腺と耳垢腺というものがあり、ここから出されている分泌液がバリアの役目をしています。外部から入ろうとするほこりや細菌をキャッチして取り込み、耳垢となります。耳垢にはリゾチームをはじめいくつかの抗菌物質が含まれていて、感染などから耳を守っています。
したがって、うっすら耳垢が見える程度は正常ですので無理に掃除しすぎないことも大切です。臭いに関しては、少し臭う場合は耳垢がたまっている可能性があるので、耳のお手入れをしましょう。おうちでお手入れできるのは、異常がない通常のお掃除だけです。
また、耳ダニに感染している場合は他の子にも感染する可能性があります。耳に異常を感じたら、早めの受診をこころがけましょう。
猫の耳垢の正しい取り方
猫の耳のお手入れは、耳の穴の入口に耳垢がたまってきたらするくらいが丁度よいです。やり過ぎはかえって耳を傷つけたりするので禁物です。男の子は脂っぽく耳垢のたまりやすい子もいます。スコティッシュフォールドなど、たれ耳や耳道が狭い子は通気性がよくないので耳垢がたまりやすいです。
軽く拭くだけ
水やクリーナーを軽く湿らせたカット綿やティッシュで耳の入口を軽くぬぐうだけです。片方の手で耳を軽く引くようにして、見える範囲(入口)だけを拭きます。
決して奥まで拭いたり、力を入れたりしないようにしましょう。綿棒は使用しません。耳を傷つけてしまったり、汚れを押し込んでしまったりする可能性があります。また、猫が突然動いたらとても危険です。
注意点
耳の中にクリーナーを垂らしてクチュクチュもんでふき取るという方法が紹介されることがありますが、場合によっては注意が必要です。炎症が進行して鼓膜の損傷が起きている時はクリーナーが内耳にまで入って三半規管に障害が生じ、斜頸(しゃけい)などを引き起こす可能性があるので、動物病院に相談するのが賢明でしょう。
まとめ
デリケートな場所なので耳のお手入れはあくまでも優しく行うのがコツです。猫がリラックスしているときにそっと行いましょう。
そしてやり過ぎないこと。不快な思いや痛いことをされると思うと、猫は学習します。逆に気持ちいいものだと覚えると、おとなしく体を預けてくれますよ。