猫が猫じゃらしを食べてしまっても大丈夫
猫が大好きな猫じゃらし。遊ぶだけでなく猫がかじって猫じゃらしを食べてしまうこともあります。猫じゃらしを食べても大丈夫なのかと心配になりますが、猫が猫じゃらしを食べても、特に問題はありません。猫じゃらしに毒性はありません。猫が草を食べること自体にも問題はありません。猫が草を食べる理由については、胃にたまった毛玉を吐き出しやすくするためや単に好きだからなど、諸説あるようです。室内飼いの猫では、外へ草を食べに行けないので、猫草を用意してあげることもあるでしょう。
猫が猫じゃらしの穂先を食べても大丈夫?
猫じゃらしの葉っぱは猫草に似ていますので、猫が好みそうですよね。ただ、猫がじゃれて遊ぶ時、猫じゃらしの穂先も食べてしまうことがあります。猫じゃらしはイネ科の植物で、猫じゃらしには猫に有害な成分は含まれていませんので、猫が猫じゃらしの穂先を食べても中毒の心配はありません。
猫じゃらしの正式名称
猫じゃらしと言えば、夏から秋にかけて道ばたによく生えている雑草です。猫じゃらし、正しくはエノコログサと言いますが、猫じゃらしという名前の方がなじみがあることでしょう。猫じゃらしと呼ばれるだけあって猫がよくじゃれます。猫じゃらしの毛虫のような形状の穂先を振ってあげると、市販の猫のおもちゃよりも猫じゃらしによく飛びついてくるほど。
猫の狩本能が刺激されてしまうようです。猫がよく遊ぶ上にタダの物なので、猫じゃらしを外から取ってきては猫を遊ばせたくなります。ただ、猫じゃらしの穂先がポロポロと取れて部屋の中が汚れてしまうのが困りますが…。
猫じゃらしで遊ぶ時に気をつけたい事
1. 胃腸の弱い猫には食べさせない、大量には食べさせない
猫が猫じゃらしを食べてしまっても、猫じゃらしに毒性はないという点では問題はありませんが、猫じゃらしは穂先がチクチクしていますので、やはり気をつけなければいけない時もあります。胃腸が弱い猫が猫じゃらしを食べると胃を傷つけてしまいやすいですし、胃腸が弱くなくても口の中や食道、胃などを傷付けてしまう可能性があるので大量には食べさせて方が良いでしょう。穂先はチクチクするので積極的に猫じゃらしの穂先を食べる猫はあまりいないと思いますが、遊びに興奮して口に入ってしまった穂先を飲み込んでしまうことはあると思います。猫が穂先を口に入れていたり、たくさん遊んで穂先がバラバラになっていたら、新しい猫じゃらしや違うおもちゃで遊ぶように誘導してあげましょう。
猫じゃらしの穂先のチクチクは、猫じゃらしの実(小穂)の柄から生えている毛のせいです。イネ科の植物には、大麦や小麦などのように実の先端に長い毛をつけるものが多くあり、その毛は芒(ノギ、ノゲ)と呼ばれています。しかし、猫じゃらしの穂先に生えている毛は、実からではなく実がついている柄から生えているので、正しくは芒とは呼ばないようです。いずれにせよ、このチクチクは場合によっては、口の中、喉、食道、胃を傷つけてしまう可能性もありますので、中毒性はないとは言え猫じゃらしの穂先を積極的には食べさせない方がいいでしょう。特に子猫やシニア猫、喘息などの呼吸器疾患を持つ猫では注意してくださいね。
2. 猫の体についたら取り除く
また猫じゃらしを食べるだけでなく、猫の体についた場合も注意が必要です。猫じゃらしのチクチクした毛は、皮膚に刺さると炎症を起こすことがあります。毛が刺さっていることに気づかずにいて、傷ついた皮膚に細菌感染がおこると化膿してしまいます。また目や鼻に刺さることもあるかもしれません。また、猫じゃらしの穂先の毛に限りませんが、小さな物を誤って鼻から吸い込んでしまい、気管や肺に入り込み、そこで炎症を引き起こすこともあります。
このようなケースはまれで、また猫よりも外に散歩に出る犬で多く起こるようですが、起こる可能性は否定できません。食べてしまって喉や食道、胃を傷つけたり、吸い込んでしまって気管や肺を傷つけたりすると、咳や発熱、食欲不振などの症状が見られます。場合によっては手術をする必要もあります。やはり、猫じゃらしの穂先を口に入れていたり、穂先がバラバラになっていたりしたら、もうその猫じゃらしで遊ぶのはやめ、違うおもちゃなどで遊ぶように誘導してあげるのが良いでしょう。猫じゃらしで遊んだ後は、バラバラになった穂先が残らないように部屋を掃除し、しっかりとブラッシングしてあげてください。また、もし猫じゃらしで遊んだ後に、猫が口をクチャクチャさせたり変な顔をして口の中に違和感がある様子があったら、猫じゃらしの穂先が口の中に残っているのかもしれません。口の中をチェックしてあげましょう。
猫じゃらしで猫を遊ばせる方法
猫は、猫じゃらしが大好きです。猫じゃらしを模して作られた猫のおもちゃもたくさん売られていますよね。もちろん、それらのものも猫が遊ぶのですが、じゃれついたり噛みついたりしているうちに、すぐに先の部分が取れてしまいボロボロになってしまうこともあるでしょう。
猫じゃらしが生えている時季なら、猫じゃらしを取ってきて遊ばせるのは安上がりと言えそうです。ボロボロになっても、猫じゃらしを道ばたから取ってくればいいのですから。
猫じゃらしを動かす時のコツ
猫じゃらしを使って猫を遊ばせる時は、小動物の動きをまねてみると猫じゃらしによくじゃれます。猫の狩猟本能を刺激するようです。始めは、猫じゃらしを小さくぴくぴくと動かしてみます。猫が興味を示したら、猫じゃらしの動きを大きくしていきましょう。
猫じゃらしで遊ぶ時に注意する事
猫を猫じゃらしで遊ばせる時は、近くに他の人がいないか、危険なもの、倒したり落ちたりして困るものがないか確認して、できるだけ広い場所で遊ばせるようにしましょう。興奮すると周りの様子に関係なく激しく動き回り、物を倒したり落としてしまうかもしれません。
近くにいる人、猫が遊んでいる場所に来るかもしれない人には先に、「ここで猫と遊んでいるからね」と伝えましょう。遊びに夢中になった猫は、とても素早く動き回ります。タイミング悪くその場所にやってきた人が猫とぶつかったりして、人にも猫にも危険が及ぶことを防ぎましょう。
猫によっては、興奮が高まると近くの人を引っ掻いたり噛みついたりする子もいるようです。あまり興奮し過ぎないように、人が遊びをコントロールしてあげましょう。
遊んだ後は床に猫じゃらしの穂先が落ちていないように、猫の体に着いていないように、片付けと掃除をしましょう。
猫じゃらしを手作りする方法
猫じゃらしが近くになく、生えていない時季や、猫じゃらしが家の中に散らかるのは困るという場合は、猫じゃらしを手作りしてみませんか。猫じゃらしは簡単に作れますよ。
必要な物
- 木製の丸棒
- 紐(リボン)
- 鈴や羽など
- 接着剤
- ハサミ
作り方
1.木製の丸棒に複数本の紐を巻きつけていきます。棒はホームセンターや百円ショップでも買えますが、市販の猫じゃらしが壊れてしまった物を再利用してもいいですね。
2.紐は先まで行ったら30センチほど残し、そこに鈴や羽など、猫が興味を示しそうなものを取り付けます。これで完成です。
紐を使わず、棒の先端に羽や、短冊状に切った紙をテープで固定するだけでも、簡単猫じゃらしができちゃいます。壊されてもまた作れますし惜しげなく遊べますね。ただし、市販品でも手作り品でも、部分的にでも壊れたり部品がとれてしまった場合には、すぐにその猫じゃらしを使うのはやめましょう。小さな部品を猫が食べてしまったり誤って飲み込んでしまう事故が起きる可能性があります。
まとめ
猫が大好きな猫じゃらし。正しくはエノコログサと言いますが、猫がよくじゃれるので、猫じゃらしと呼ばれています。猫は、猫じゃらしで遊びながら、猫じゃらしを食べてしまうことがあります。猫じゃらしの葉っぱの部分ならともかく、猫じゃらしの穂先にはちょっと気を付けましょう。猫じゃらし自体には猫が食べて中毒を起こす成分はありません。ただ、穂先に生えているチクチクする毛によって問題が起こる可能性がありますので、猫じゃらしの穂先は食べさせないようにしましょう。
猫じゃらしを小動物のように動かしてあげると、狩猟本能を刺激された猫がよく飛びついてきます。また、本物の植物の猫じゃらしも良いですが、猫じゃらしに使えるおもちゃはたくさんの種類が売られていますし、簡単に手作りすることもできます。植物の猫じゃらしでもおもちゃの猫じゃらしでも、壊れてきたら使うのをやめ、遊んだ後は猫が飲み込んでしまえる物が残っていないように部屋を片付け、植物の猫じゃらしの場合にはさらに、猫のブラッシングをしてあげると良いでしょう。