猫が高齢になると出てくる体の変化
猫が高齢になると人間と同様体の各機能が衰えて病気にもかかりやすくなり、体温調節もうまく出来なくなってきます。ですから若い時以上に健康管理には気を遣い、なるべく病気やケガをしないように過ごさせる必要があります。
猫の老化サインにも色々ありますが、今回は猫の高齢サインを「被毛」「動作」「体」の3つのブロック分け、「12個」のチェックポイントにまとめて見ました!
猫の被毛に関する高齢のサイン
猫の老化サインは被毛にも現れてきます。以下の状態が見られたら、愛猫が老化しているサインです。
猫の高齢サイン1: 毛ヅヤが悪い、抜け毛が増える、被毛の白髪、ヒゲが黒くなる
毛が弱ってくる為、今までのようなツヤがなくなってきます。毛が束になる「毛割れ」も起こりやすくなります。
抜け毛も増えますので、ブラッシングをマメにしてあげると良いでしょう。
白猫はあまり目立ちませんが、被毛の色が濃い猫は白髪が目立ったり、ヒゲが白くなる事もあります。また、ヒゲは老化によって黒くなる事もあるようです。
猫の高齢サイン2: 毛づくろいしなくなることで被毛がボサボサに
体の柔軟性が低下してくるので、若い頃のように頻繁に毛づくろいをしなくなります。ですから、放っておくと毛がボサボサギシギシという事になりかねません。
被毛のお手入れをしないと不潔になり皮膚病の原因にもなりますので、スキンシップを兼ねてブラッシングを積極的にしてあげましょう。愛猫もきっと喜びますよ!
猫の動作に関する高齢のサイン
若い頃とはやはり動き方が違ってきます。どんな変化があるのでしょうか?
猫の高齢サイン3: 動かず寝てばかりいる
元々猫は1日のうち半日位は寝ている動物です。ですが、老化してくると寝る時間が更に増え、1日ほとんど動かずにじっとしている事が増えてきます。
無理に体を動かすのは猫にとって負担になってしまいますが、1日10分程度はおもちゃなどで遊びに誘い、体を動かしてあげた方が良いでしょう。
猫の高齢サイン4: 動きが鈍くなる、ジャンプ力が衰える
若い頃の俊敏な動きがだんだんとスローになり、今まで登れていた高い場所にも登れなくなるなど変化が現れます。分かりやすいサインですので、愛猫の動きをよく見ておいてあげましょう。
猫の高齢サイン5: 物にぶつかる、ふらふら歩く
何となく足元がふらついていたり、家具などにぶつかったり、歩くのも大変そうになってきます。愛猫がケガをしないように、ぶつかって危険なものは片付けておくと良いでしょう。
猫の高齢サイン6: 無意味に鳴く
高齢になった猫が大声で鳴くようになる、というのはよく聞く話です。夜中になると鳴き出す子も多く、飼い主の寝不足や近所迷惑の原因となる場合が。
これは認知症や甲状腺機能亢進症という病気の可能性があります。受診をして原因を突き止めてもらいましょう。
猫の高齢サイン7: 音や声に反応しない、反応が鈍い、飼い主が分からない
聴覚や視覚も衰えてきますので、呼びかけても反応しなくなる、反応してもとてもゆっくりという事もあります。嗅覚も衰えますので食べ物が分からない事もあるようです。飼い主が分からなくなるのは認知症の可能性があります。
食べ物の好みが変わる、食欲不振、逆に食べる量が増える、水を飲まない
口内炎や歯周病があると口の中に痛みがあり、今まで食べていたドライフードを食べなくなったり、首や肩に痛みがあって食器から食べなくなったりします。食がどんどん細くなる、逆に認知症などで異常に食べる量が増える事も。
動くのがおっくうになって水を飲まなくなる、または何かの病気で水を飲まなくなる事もあります。ウェットフードに変えると水分がある程度摂れますが、このような場合は獣医師と相談して対処法を考えましょう。
猫の高齢サイン8: 猫のトイレの回数や時間が増える、粗相する
排尿をコントロールしづらくなる、おしっこが溜まった感覚が分かりにくくなるなどして、トイレの回数やトイレにいる時間が増える事があります。泌尿器系の病気がある可能性も。動きが遅くなり、間に合わず粗相してしまう事もあります。
トイレを寝床の近くに移動してあげたり、トイレの個数を増やしたりしましょう。認知症で粗相する事もあります。
猫の体の部分に関する高齢のサイン
老化が進むと、体のあちこちに老化サインが出てきます。
猫の高齢サイン9: 背中がシャキっと伸びず、丸くなる
人間と同じように背骨が曲がる事があります。ですがただの老化ではなく、「変形性脊椎症」かもしれません。肥満の猫に起こりやすく、老化による関節の軟骨が変形する事で曲がってしまいます。この病気は一見、老化と思えるような「寝てばかりいる」「遊ばなくなった」「階段の上り下りをしなくなる」などの行動の変化も伴います。
背中が曲がっていると感じたら、一度受診してみると良いでしょう。
猫の高齢サイン10: 目やにが増える、瞳が白い
猫は顔を手でよく洗いますが、老猫になってくるとあまりしなくなり目やにがついたままになる事があります。そのままにしておくと固まってしまうので、気がついたら濡らしたコットンや猫用のウェットティッシュなどで優しく取り除いてあげましょう。目やにの色がコーヒーのような色は正常ですが、黄色や緑の場合は細菌感染が疑われます。
また、犬ほど頻繁ではないものの、瞳が白く濁っている場合は白内障かもしれません。
猫の高齢サイン11: 口臭がひどくなる、よだれが増える、歯が抜ける、キバの先端が丸くなる
歯周病や口内炎が高齢の猫でよく見られ、口臭やよだれが増えるなどの症状が見られます。
歯周病がひどくなると歯が抜ける事も。日頃の歯みがきが重要です。もちろん高齢になる前から歯磨きは行っておくと、歯の健康を保つ事が出来ます。
また口に関連する最初の老化サインとして、キバがすり減って先端が丸くなります。
猫の高齢サイン12: 爪研ぎしない、爪が引っ込まない
若い頃はバリバリとしょっちゅうしていた爪研ぎですが、老化に伴いあまりしなくなってきます。その為爪が伸び放題になり肉球にささってしまう事もありますので、切るようにしてあげましょう。
爪を出し入れする靭帯の張りがなくなってくるので爪が引っ込まず、出っぱなしになる事もあります。そうなると余計爪が伸びているとどこかに引っ掛けて危険ですので、飼い主のケアが必要になります。
高齢の猫の認知症
実はご紹介してきた老化サインの中で、認知症の時にも出る症状があるのです。「あまり動かなくなる」「毛繕いをしなくなる」「大声で鳴く」「食欲が増す」などです。その他の認知症の症状として、以下が挙げられます。
- 過去に行っていた行動や躾などを忘れる
- ご飯を食べたのを忘れる、隅から出てこないなどの見当識障害
- 睡眠時間や起きている時間が変化し、今までとは違う時間に寝る、起きる
これらの症状があるからといって必ず認知症という訳ではなく、猫の場合似たような症状を示す病気が多くある事から診断が難しいのです。ですから早合点せず愛猫の様子を良く観察して、認知症を受け入れている動物病院に連れていくようにしましょう。認知症は最近判明した病気の為、病院によっては診断方法や治療法に詳しくない所もあります。病院に行く前に認知症について受け入れがあるか、確認してみると良いでしょう。
認知症であってもなくても、飼い主との楽しい触れ合いは愛猫に良い影響を与えます。明るく話しかけたりマッサージをしてあげたり、愛猫が喜ぶ事を沢山してあげましょう!
猫の高齢のサインが見られたら・・・
7歳になったら食事をシニア用に切り替え、歯磨きも毎日行います。体重も毎日測るようにすると、愛猫の状態が把握しやすくなります。健康診断も年に1~2回受けさせると良いでしょう。
寝る事が多くなったら、寒過ぎたり暑過ぎたりしないように調節してあげましょう。若い時は快適な場所を探して移動しますが、老猫になるとそれもしなくなります。
まとめ
愛猫の様子を日頃からよく観察し、少しでも変化があれば受診するようにしましょう。高齢になるとどうしても病気にかかりやすくなり、年をとっているから仕方がないと思いがちですが、早期発見する事で病気の進行を遅らせる事も出来ます。飼い主のちょっとした気遣いが、愛猫の長生きに繋がります。
愛猫が長生きしてくれるのは嬉しいものの、それに伴う老化や病気は避けられません。
なるべく健康で過ごしてもらえるように、飼い主が出来る事はしていきたいですね!
40代 女性 ガブリエル
ペットショップには、各メーカーの充実したキャットフードが年齢別に並び、猫の様々な嗜好に対応できるような形となって棚の上に陳列しています。店内を歩くと、新商品が次々、開発されていることが分かります。最近では、猫種に対応したフードも販売されているようですね。これまでは「被毛を美しく保つためのフード」「毛玉ケア対応」くらいしか目に入りませんでしたが、先日は「ノルウェージャンフォレストキャット用」「アメリカンショートヘア用」などと書かれたフードが売られていて、非常に驚きました。
猫を取り巻く環境が整えば、当然、寿命も延びてくるわけですが、飼い主が愛猫の老化の兆候を見極め、いかに対応していくかが、問題です。
空前の猫ブームを反映して、猫に関する本が増え、一時は減ったと思われた猫雑誌も増えつつあります。女性誌でも頻繁に猫を特集しています。このことは、非常に猫たちにとって幸せな時代の到来だと言えるかもしれません。以前は、高齢猫について詳しく書かれている本は少なく、また情報量も十分とは言えませんでした。
今回の記事の中で、特に注目したのは「毛ヅヤ」が無くなるという点です。この見極めは非常に難しいのではないかと思いました。
人間でも同じことが言えると思いますが、普通に家族として日々、接していると、あまりにも身近すぎて、日々の衰えだけではなく、そもそも僅かな「変化」こそ、掴めないのです。
久しぶりに遊びに来た友人が我が家の猫を見て、「この子、少し痩せた?」と言うまで猫が痩せたことにも気がつかない。本当に高齢化が始まるとされる8歳以降は、一週間に一度は必ず体重測定をする等、ルールを家庭内に設けないと、猫の変化には気がつくことができないのではないでしょうか。
また、2年ほど前に高齢猫を15歳で看取りましたが、14歳の誕生日を境に猫の耳が一切、聞こえなくなりました。それも本当に突然のことでした。
いつもなら掃除機の音がするだけで逃げいていくのに、その日は、目の前に掃除機があっても、音を立てて吸い上げていても全然、無関心でした。こんな状態では、今後、どんなにこの子の名前を呼んでも、もう、わたしの声は聞こえないのかな、と悲しく思ったこともあります。
人の目に見えるくらいの「老化」が進み始めたのであれば、その猫の「老化」はスピードをそれほど緩めることはないように思います。
急激な老いは、猫との平穏無事な日々をあっという間に奪います。年齢的に老猫といえるのであれば、飼い主は少しでも多く情報を収集し、猫と過ごす幸せな時間、猫との穏やかな空間を保障してあげたいものです。
飼い主の猫情報に対するアンテナの高さが、そのまま猫の寿命につながるような時代になりました。わたしたちをどんな時も信頼し、慕ってくれる猫を、最期まで大切にしてあげたいですね。
40代 女性 かず
たまに、名前を読んでもすぐには反応しない日もあったりします。
2匹のうちの1匹は12歳なのですが、よく家具にぶつかります。そして、2匹ともがほとんどの時間を寝て過ごしています。毛並みはまだまだ艶がいいですし、ごはんもよく食べてくれるので安心しています。