大地震の瓦礫下から生き残った猫

画像はイメージです
2023年2月にトルコとシリアを襲ったマグニチュード7.9の大地震は、まだ人々の記憶に新しい大災害です。両国で4万6000人以上が亡くなりました。
このとき倒壊したアパートの瓦礫の下から、129時間ぶりに白黒猫が救出されたのを覚えていますか?
トルコ東部ガジアンテプ県ヌルダギで生存者の捜索を続けていた消防士のAli Cakasさん。救出された猫は、その直後から彼のそばを決して離れなかったといいます。
消防士たちは猫を「Enkaz」(トルコ語で「瓦礫」)と名付け、飼い主が現われるのを待ち続けました。しかし飼い主はこの地震で亡くなってしまったようです。
Aliさんは救助活動中の猫の写真や動画をXに投稿しており、1100万回以上再生され、26万2000人のフォロワーを抱えるほどみんなから注目されました。そして多くの人が猫の将来を案じていたのです。
消防士が、猫を家族に迎えた!

画像はイメージです
かつてトルコのマウンテンバイク代表チームの選手としても活躍したAliさんは、任務を終えて震災地から約400キロ離れた故郷のマルディンに戻りました。
このときEnkazも一緒に連れていきました。そうです、彼はこの猫を飼うことに決めたのです。
現在はAliさん一家とともに暮らしているEnkaz。Instagramに専用アカウントが立ちあげられ、近況を伝える写真がひんぱんに投稿されています。すでに1万千人以上のフォロワーがいて、世界中の動物好きの心を掴んでいるのです。
「この猫と別れることはできませんでした。捜索活動中に、固い絆ができていたのです。両親や兄弟姉妹も、世話をするわたしを支えてくれています。いまやEnkazは立派な家族の一員になりました。いつもわたしと一緒に寝て、お互いを頼りにしているのです」というAliさん。
心の傷を癒すために

画像はイメージです
ある人は「この猫ちゃんはすごい…大災害に遭ったけれど、いまは安全で安定した岩の上に立って、飼い主に寄り添っているから安心だね」とコメントしています。
「おふたりに幸あれ! 猫はよい人間を知っています。あなたが選ばれたのには理由があるんです。Enkazの目に浮かぶ悲しみが消えますように」というフランスからのコメントもあります。
実は大地震の後で消防隊員らが救出した猫は、Enkazだけではありませんでした。ヌルダギでは瓦礫の中から5人とセキセイインコ3羽、ケージに入った猫1匹を無事に救い出しています。このときの猫は、建物が崩壊する直前に逃げていた飼い主と無事に再会することができました。
Enkazは賢くておとなしい性格ですが、ときに「かつての家と飼い主を失った悲しみ」がその目に浮かんでいることがあるといいます。
「救出されたその日から、この猫はずっと悲しんでいました、動物にも感情があるのです。わたしはできるだけのことをして、Enkazを慰め支え続けたいと思っています」と話すAliさんです。
出典:Turkish firefighter rescues and adopts cat trapped under rubble for 129 hours