猫が『ストレス』を感じてしまう原因8選 放置してはいけない理由や見逃せないサイン

猫が『ストレス』を感じてしまう原因8選 放置してはいけない理由や見逃せないサイン

猫は動物の中でもとても慎重派なので、どうしてもストレスを感じやすい傾向があります。毎日の暮らしの中でも猫にとってストレスになることは意外なほど多く、気づかず放置してしまうと、問題行動や病気につながることもあるのです。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫がストレスを感じてしまう主な原因

触らないでほしい猫

愛猫の健康を守るためにも、ストレスとなる原因を理解して早めに対策することが大切です。

ここからは、猫のストレス原因を項目ごとに解説していきます。

1.引っ越しや模様替えなどの生活環境の変化

猫は家の中でも自分のテリトリーを作って生活することから、慣れ親しんだ環境が急激に変わることに強いストレスを感じます。

特に引っ越しや部屋の模様替えは、ニオイや空間の雰囲気がガラッと変わってしまうため、大きな不安の原因となり、隠れる・食欲が落ちるなどのストレス反応が出やすくなります。繊細な猫や高齢の猫ほど負担が大きくなります。

2.トイレが汚れている、砂の種類が合わない

動物の中でもトイレにこだわる猫にとって、猫砂の種類や汚れはとても重要です。汚れたままのトイレや好みではない砂の使用は、不快感や排泄の我慢にもつながります。

また、トイレのストレスを放置しすぎると、トイレ外での排泄や我慢のし過ぎによる泌尿器系の健康トラブルを引き起こすこともあります。

3.高い場所や隠れられるスペースがない

周囲を見渡せる高い場所や、身を隠せる空間があることは、単に猫の好みだけでなく、生存の安心感にもつながります。このような「避難場所」は猫の本能的な逃げ場となり、緊張状態を和らげるためにも不可欠です。

棚や冷蔵庫など猫が安全に登れる場所があれば、必ずしもキャットタワーでなくても問題ありません。安心できる居場所の不足は、慢性的なストレスにつながります。

ただし、家具の固定や動線の確保、コンセントなどに注意する必要があります。

4.食事の場所が落ち着かない

食事中は周囲に無防備になることから、猫が食事をするスペースが人の動線上や騒がしい場所にあると警戒してしまい、食事がストレスの時間になってしまいます。

特に多頭飼いで食事のペースや力関係に違いがあるような家庭では、食事中のストレスは、食欲不振の原因になります。静かで安全な場所に設置することが大切です。

5.家族関係の変化

同居している家族の変化は、猫にとっては環境の変化と同じくらい大きな影響があります。

就職や進学で家族がいなくなってしまう、結婚や赤ちゃんの誕生で家族が増えるなど、人から見て仕方ないことでも猫にとっては強い緊張の原因となるのです。

猫の年齢や性格によっては、上手に変化に順応できず、隠れる時間が増えるなどストレス行動が見られることがあります。

6.コミュニケーションの過不足

猫にもそれぞれ適切な距離感があります。猫が寝ているときや何かに集中しているときに頻繁に構いすぎると、人と接すること自体をストレスに感じるようになります。

また、飼い主の多忙などで、逆に放置されすぎても不安を感じることがあります。これらの影響は、猫の性格によっても異なるため、反応を見ながら程よい関わり方を意識することが重要です。

7.雷や花火などの大きな音

猫は薄暗い時間に活動するよう進化したことから、聴覚が鋭い特性を持っています。そのため、大きな音に対しては、私たち人間が感じる何倍も怖い思いをすることがあります。

特に雷や花火など、振動を伴う突発的な大きな音は猫にとって苦手な音です。年齢とともに慣れていく部分はありますが、飼い主のフォローがないまま緊張状態のままで過ごすと、毎回強いストレスにさらされることになります。

8.相性の悪い多頭飼い

多頭飼いをはじめるきっかけは家庭によって異なりますが、特に緊急で保護した場合など、猫同士の相性がわからないまま同居を始めた結果、相性が悪いと常に緊張感のある生活になります。犬など他の動物に関しても同様です。

出会い頭に威嚇しあったり、どちらかが追いかけまわしたりする毎日は、強いストレスがかかります。離れられる空間があれば、ある程度は緩和されますが、仲が悪い多頭飼いは、体調不良や問題行動の原因になります。

猫のストレスを放置してはいけない理由

不機嫌そうな茶トラ猫

慢性的なストレスは猫の免疫力を低下させるため、膀胱炎や皮膚炎などの病気を引き起こしやすくなります。特に猫は「特発性膀胱炎」という、ストレスが主な原因の泌尿器疾患にかかりやすい動物です。

また、気持ちを落ち着かせようと過剰にグルーミングすることで舐めハゲを作ったり、イライラから攻撃的な行動を起こしたり、食欲不振や不適切な排泄といった問題行動の原因にもなります。

問題行動が続けば、猫自身の生活の質を下げるだけでなく、飼い主の猫に対する気持ちまで悪影響を与えます。ストレスの長期化は、予期せず不調を引き起こすため、身近にいる飼い主が早期に気づいて対処していく必要があるのです。

見逃せない猫のストレスサイン

イライラして噛む猫

猫が自ら「なんだか不安」「イライラする」と訴えてくることはありません。猫の様子を観察して、危険なストレスサインをみつけましょう。

  • 隠れる
  • やたらと鳴く
  • 遊ばなくなる
  • 威嚇など攻撃的になる
  • 食事量が減る
  • 過剰な毛づくろい
  • トイレ以外の場所で粗相する
  • トイレの回数が減る、または過剰に増える
  • 下痢や嘔吐が続く

甘えなくなる、隠れるようになるなど態度の変化には、注意して様子を観察するようにしてください。また、食事量や排泄に異常が出てきたら、病気の発症も疑い、早急に動物病院を受診してください。

まとめ

不満げに見ている猫

どんなに気を付けていても、動物である猫が人間と暮らす以上、ある程度のストレスはつきものです。だからこそ、猫のストレスを軽減するためにも「猫らしい生活」の尊重が必要となります。

猫が本来持っている習性や性格を理解して、高い場所やひとりになれる場所を用意するなど、生活の中でその環境を整えましょう。飼い主がその空間を邪魔しないようにすることも大切です。

また、飼い主でもどうしようもない猫同士の不仲や大きな音は、完全に取り除くことはできなくても猫が安全に過ごせる場所を作り、飼い主が落ち着いていることで緩和できます。

それでもひどくストレスを感じていたり、病的な症状が見られるようになったりしたら、なるべく早く獣医師に相談するようにしてください。

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