猫が人によって態度を変える理由とは?

家族の誰と一緒にいるかによって、猫の態度が違うように見えることがありますよね。猫が懐いている人やお気に入りの人に対しては、友好的で甘えた態度を見せてくれますが、場合によってはそっけない態度しか取ってくれないことも…。
一見すると家族の中で猫なりのランキングが作られているような気がしてしまいますが、実際には上下関係で順位付けしているわけではありません。猫が人によって態度を変えるのは、安心感や経験の違いを判断しているからなのです。
猫は本能から自分の安全や快適さを最優先に考える動物。「この人は落ち着く」「この人は構いすぎない」といった印象を、日々の関わりから学習しています。
態度の違いは優劣ではなく信頼度の差であり、猫なりの合理的な判断が、順位付けのように見えているだけなのです。
家族に「順位付けしている」と感じる行動3つ

猫が家族の中でランク付けをしているように見える行動には、分かりやすく甘えたり、リアクションを取ったりといった日常でよく見られるものがあります。
1.特定の家族にだけ甘える・体を密着させる
特定の家族にだけ甘える行動は、相手に対して猫が強い安心感を抱いているサインです。家族の中で「一番偉い人」だと思っているわけではありません。
猫が体を密着させるのは、警戒心を解いても安全だと感じた相手だけ。声のトーンが穏やか、無理に触らない、猫が甘えたい時に存分に甘えてもらうなど、猫のペースを尊重してきた人ほど選ばれやすくなります。
いつも甘える人が決まっている場合、「順位をつけられている」と切なく感じてしまうこともあるかもしれませんが、よほど猫が嫌がることをしていなければ嫌われている可能性は低いはず。
あくまで、猫が「この人のそばなら安心して甘えられる」と判断した結果だと考えましょう。
2.呼んだときの反応が人によってはっきり違う
名前を呼んだときの反応の差は、猫の学習の結果です。猫は気分屋でマイペースな面こそ持ち合わせていますが、気分屋だから無視している、という話ではありません。
猫は「呼ばれたあとに何が起きるか」をしっかり覚えています。呼びかけられた後に毎回のように抱っこされたり、しつこく話しかけられたりするなど、負担に感じる経験が多いと反応を控えるようになります。
一方で、日頃から猫のペースを大事にしている人や自由を尊重してくれる人には応じやすくなります。トコトコと小走りで近づいてきてくれたり、かわいらしくお返事をしてくれることもあるでしょう。
猫は上下ではなく、一緒にいて心地よい相手かどうかで関わり方を選んでいるのです。
3.ごはんや不満などの要求を伝える相手が決まっている
猫はごはんが欲しい時や不満がある時には、「要求に応じてくれる人」をある程度見極めてアピールしています。アピールしたらすぐに対応してくれる人や、毎回要求を叶えてくれる人をきちんと学習しているのです。
日常の中の成功体験から、「この人なら話が通じる」という合理的な判断をしているので、順位付けというよりは役割分担のような認識なのかもしれません。
家族の中であまり猫のお世話をしないという方がいたら、日頃から猫のお世話を積極的に買って出ると、信頼関係を築けて態度が変わることもあるのではないでしょうか。
まとめ

猫が家族の中で順位付けしているように見える行動は、優劣や上下関係が理由ではなく、安心感や経験の積み重ねによるものです。
「甘える相手」「いつもごはんをくれる相手」「催促や要求に反応してくれる相手」など、猫なりに役割分担を決めています。決して、それぞれの役割ごとに愛情の量の差があるわけではなく、猫自身が快適に暮らしていくための判断なのです。
愛猫との心の距離を縮めたいなら、無理に構わず、猫のペースを尊重することが一番の近道です。信頼は穏やかな関係の中で育っていきますので、猫が安心して過ごせるような振る舞いを心がけましょう。