猫が発症する『骨軟骨異形成症候群』とは?主な原因や症状、治療法まで解説

猫が発症する『骨軟骨異形成症候群』とは?主な原因や症状、治療法まで解説

人気猫種ランキングでも常に1位のスコティッシュフォールド。この猫種は遺伝子の突然変異から発生した猫種ということをご存知ですか?この記事ではスコティッシュフォールドに多い骨軟骨異形成症候群についてご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

︎骨軟骨異形成症候群とは

スコティッシュフォールド

関節は、骨と骨の繋ぎ目のことを指し、軟骨が骨と骨の間でクッションの役割を果たして、骨同士がぶつからないようになっています。

骨軟骨異形成症候群とは、骨自体の変形や関節の中でクッションの役割を果たしている軟骨が骨のように硬くなってしまう事で関節の動きが悪くなり痛みや動かしづらさを引き起こす病気です。

︎原因

スコティッシュフォールド

この病気は遺伝性の病気で、スコティッシュフォールドの「垂れ耳」と同じ遺伝子によって遺伝的に発症します。

元々スコティッシュフォールドは、遺伝子の突然変異によって生まれた猫種であり、その突然変異した遺伝子が骨軟骨異形成症候群の遺伝子と言えます。

つまり、垂れ耳のスコティッシュフォールドは全て骨軟骨異形成症候群の遺伝子を持っており、スコティッシュフォールドの特徴でもある「垂れ耳」は、実は骨軟骨異形成症候群の一種の症状とも言えます。

特に、両親共に垂れ耳のスコティッシュフォールドから生まれた猫は症状が重症になる事が多いです。

近年はスコティッシュストレートという、立ち耳のスコティッシュフォールドも存在しますが、立ち耳であっても両親のうちどちらかが垂れ耳の場合には、発症するリスクがあります。

︎症状

猫とレントゲン

骨軟骨異形成症候群の症状は軽症〜重症まで様々です。

軽症の場合には、飼い主さんも気づかないほど症状が小さい場合も多く、レントゲン撮影をする事で関節周囲が白くモヤモヤうつる事で、軟骨に骨増生が起きている事が分かることもあります。

徐々に症状が進行してくると、ジャンプをしたがらない、動きが少なくなる、四肢を触られることを嫌がるなどの症状が見られるようになります。

重症になると、見た目にも関節が瘤のように硬く腫れ上がって変形し、関節の可動域が少なくなって歩きにくくなったり、痛みが発生したりします。

︎治療法

注射される猫

現時点で、猫の骨軟骨異形成症候群の根本的な治療法はなく、発症してしまった猫では、症状に合わせた対処療法やサプリメントを使用した関節のサポートなどが治療の中心となります。

近年、猫の変形性関節炎の痛みを取り除くために作られた「ソレンシア」という注射薬が、猫の骨軟骨異形成症候群の痛みにも効果を示す事が分かってきています。関節の変形自体は治せませんが、月に一回この注射を打つ事で痛みを取り除いて、元のように歩ける事もあります。

︎予防法

スコティッシュと滑らない床

スコティッシュフォールドを飼っている場合、今現在目に見える症状が見られなくても、若いうちから関節に負担をかけないように工夫する事が、症状を発生させない為に大切です。

具体的には、滑りにくい床にする、落下の恐れがある高い場所や高めの段差を無くす、肥満にさせない、オメガ3脂肪酸サプリなど関節に良いサプリを与えるなどが有効です。

また普段から猫とのスキンシップをとって関節をチェックする事で関節の変形や腫れなどにいち早く気がつく事も大切です。

︎まとめ

子猫

骨軟骨異形成症候群は、スコティッシュフォールドの折れ耳の形に関わる遺伝子と深く関係している病気です。そのため、とても可愛い見た目の猫ですが、将来的にこの病気で苦しむ猫を少しでも減らしていくためには、繁殖の組み合わせに配慮することが大切だと考えられています。

特に、折れ耳同士の繁殖を避けることや、すでに症状が強く出ている猫を繁殖に用いないことは、病気のリスクを高めないために重要です。

また、スコティッシュフォールドをペットショップやブリーダーから迎える際には、可能な範囲で両親の様子や耳の形、これまでの健康状態などを確認することも、安心してお迎えするための一つの材料になります。

この病気について正しい情報が広まり、「よく知ったうえで迎える」という意識を持つ方が増えていくことで、結果的に将来この病気で苦しむ猫が少しずつ減っていくことにつながるのではないかと思います。

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