猫に触れさせてはいけない『危ないおもちゃ』3つの特徴 思わぬ事故に繋がる可能性も

猫に触れさせてはいけない『危ないおもちゃ』3つの特徴 思わぬ事故に繋がる可能性も

猫用のおもちゃによる事故が後を絶ちません。飼い主さんが何気なく買い与えたおもちゃの中には、市販だからといって必ずしも安全性が高いとは限らないのです。危ないおもちゃには、いくつかの特徴があります。今回は代表的な3つの特徴を見てみましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.猫の口より小さく誤飲しやすいもの

ネズミのおもちゃで遊ぶ猫

猫は口に入るものを丸のみしてしまうことがあります。そのため、口に入るサイズのおもちゃは遊んでいるうちに飲み込んでしまい、腸管を傷つけたり、腸閉塞になったりする危険があるのです。

特に注意したいのは、「獣毛を使用したネズミ型のおもちゃ」や「ヒモ状のおもちゃ」です。うさぎの毛皮を利用した小さなネズミ型のおもちゃは、動物病院や獣医師個人の情報発信でも「非常に誤飲リスクが高い」という注意喚起が多く見られます。

また、ヒモ状のおもちゃも誤飲されやすい異物です。猫の舌のざらざらした突起が釣り針の「返し」のようにヒモを絡めとってしまい、吐き出したくても出せず、口に咥えているうちに飲み込んでしまうケースが見られます。

実際に飲み込んでしまうと、腸閉塞などの命に関わる場合があります。飲んだものを摘出するためには、開腹手術が必要となり、猫の身体的負担や飼い主の心労はとても大きなものになります。

2.頭がすっぽり入るものは窒息の危険がある

カップに頭を入れる猫

ヒモ状のおもちゃは誤飲だけでなく、身体への巻き付きにも注意が必要です。形状は異なりますが、レジ袋の持ち手部分は、遊んでいる間に首が入り込むことがあります。袋はおもちゃではありませんが、絡まり窒息する可能性があります。

また、箱やボトルなどの中に猫の好奇心をそそるものが入っていると、首を突っ込んで抜けなくなってしまうことも。紙製の箱であれば破いて脱出できることもありますが、ガラス製などのボトルは危険です。

留守中に出しっぱなしにしていると、気づかない間に事故が起こる可能性もあるため、必ず片付けておくことが重要です。

3.目の障害やストレスになりうるレーザーポインター

レーザーポインターで遊ぶ猫

猫用おもちゃの中には、壁や床に照らして遊ぶレーザーポインターがあります。ヒモなどがないため、部屋中のあちこちに「獲物」を動かすことができ、猫の運動不足解消に役立ちます。なにより飼い主も腕をたくさん振らなくてよいので、ラクに長時間遊んであげられるでしょう。

ところが、捕獲できないことによるストレスを抱えてしまう可能性もあります。また猫の目は暗いところでもよく見えるように、わずかな光を増幅する仕組みを持っているため、レーザー光を直接見てしまうと、光を感じ取る網膜が損傷する恐れがあるのです。特に遊びに夢中になって、ふと振り返った際には、飼い主が持っているポインターを直接見てしまうリスクがあります。

猫は飼い主に目の異常を訴えることができないため、気づいたときにはすでに重度の損傷を受けており、失明に至る危険もあります。また、片目だけが損傷した場合でも、猫は残ったもう片方の目で生活できてしまうため発見が遅れることもあるのです。

まとめ

羽根のじゃらしで遊ぶ子猫

今回は、猫にとって危ないおもちゃ3つの特徴を紹介しました。ペットショップなどで売られている猫専用のおもちゃであっても、実際には猫にとって危険な製品もたくさんあることを認識しておくとよいでしょう。

特に誤飲による腸閉塞や窒息は、命に関わる重大な問題です。不要な悲しい事故を起こさないためにも、「ちゃんとしたショップの商品だから大丈夫」「市販品だから安全」という思い込みは持たずに、危険なおもちゃはできるだけ避けるように注意してください。

また、どうしてもこれらのおもちゃで遊ぶ時には、飼い主さんが終始目を離さずに見守ること。そして、遊び終わったら猫がひとりで取り出せない場所に、しっかりと保管する習慣をつけると安心です。

スポンサーリンク