猫の寿命は『飼い方』に左右される?健やかに長く生きてもらうためにすべきこと6選

猫の寿命は『飼い方』に左右される?健やかに長く生きてもらうためにすべきこと6選

猫の寿命は遺伝や体質だけで決まるものではなく、飼い方によって大きく変わります。飼い主さんによる健康管理や生活環境の整え方次第で、猫はより健やかに、より長く暮らすことができます。この記事では、長生きしてもらうために飼い主がするべきポイントをまとめました。できるものから、はじめていきましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.室内飼育を基本とする

キャットハウス

現在は、猫を外に出すことのリスクや人間の住宅事情などから、室内飼いがスタンダードになっています。

室内飼いであれば、交通事故や猫同士のけんかによるケガの危険を避けられますし、ノミやダニなどの寄生虫、感染症のリスクも大幅に下げられます。

とはいえ、猫にとって窓の外は魅力的な世界。チャンスがあれば探検したいと思うかもしれません。

ついうっかりで起きてしまう脱走を防止するためにも、窓やベランダの安全対策を徹底することや室内で飽きないような工夫をすることが大切です。

2.適切な食事管理

テーブルの食事をみつめる猫

猫の好き嫌いに悩まされる飼い主さんは少なくありませんが、適切な食事管理は、猫に健やかに生きてもらうにはとても大切です。

美味しくて食いつきのよいフードだけでなく、年齢や体質、健康状態に合ったフードを選ぶようにしましょう。

肥満を防ぐために、与える量を調整することも必要です。フードのパッケージに記載されている目安量を基準として、食べすぎないようにしてください。

また、腎臓を悪くしやすい猫には、食事と同じくらい水分摂取が重要です。新鮮な水をいつでも飲める状態にしておき、積極的に水分を摂らせるようにしましょう。

3.定期的な健康チェック

獣医師に口の中を見られる猫

動物病院には病気の時にしか行かないという家庭もありますが、病気になることを未然に防ぐためには、やはり定期的な健康チェックは欠かせません。

健康そうに見えても体内のことは猫にも飼い主にもわかりません。できれば年1回以上(7歳以上のシニアは半年に1回以上)の健康診断を受けるようにしましょう。ワクチン接種は年に1度なので、そのときに検査を受けるとよいかもしれません。

もちろん、食欲や排泄、活動の変化などに気づけるように、日頃からよく観察しておくことも重要です。

4.ストレスを減らす住環境づくり

タワーのハンモックに寝る猫

一概にストレスと言っても、毎日一緒に生活していると何が猫のストレスになっているのかは、飼い主にはあまりわからないものですが、最低限、猫の基本的な習性に合わせていれば猫は満足してくれるものです。

部屋の高い場所に行くと猫はよい気分になります。トイレはいつも清潔にしてください。爪研ぎは家の至るところでやりたがります。日中は静かに休める場所が必要です。

一見、これらをすべてやろうとすると、猫がものすごくわがままに思えるかもしれませんが、いずれも一度やれば済むものばかりで、猫のストレスを大きく減らせる環境づくりです。

5.適度な運動とコミュニケーション

おもちゃにとびかかる猫

愛猫はしっかりとごはんを食べて、きちんと排泄していれば満足そうに見えますが、猫が室内で健康に生きていくには適度な運動は欠かせません。

とはいえ、猫は瞬発性の運動でも十分です。1日10~15分の短時間でもよいので毎日遊ぶ習慣を作りましょう。特に若い猫は少し息切れするくらい走らせると、食べ過ぎたエネルギーの消費とストレス解消ができて一石二鳥です。口呼吸になる前に休憩させることを意識しましょう。

また、猫じゃらしやボールなどのおもちゃを使って遊ぶことは、猫と飼い主との間に信頼関係を作るための重要なコミュニケーションになります。積極的に取り入れましょう。

6.清潔で快適な生活空間

トイレ掃除を指示する猫

猫を飼っている人なら「猫はキレイ好き」なことはご存知でしょう。特にトイレは汚れていると我慢して体調を崩すことがあるので、常に清潔に保つように心がけたいものです。

また、水飲み用の器や食器は使用の都度こまめに洗い、寝床やブランケットも定期的に交換するか洗濯するようにしましょう。

これらの汚れは、猫自身はあまり気にしていなくても、雑菌の繁殖によって、消化器系のトラブル、お口周りのトラブル(猫ニキビなど)などのリスクが高くなったりします。

ただし、布類の洗濯には芳香性の柔軟剤は使用しないでください。人工的な香りは、嗅覚の優れた猫に大きなストレスを与えるからです。

まとめ

人の手に乗せたチャトラの手

猫の寿命は、生まれ持った要素だけでなく、飼い主がどれだけ健康的な環境を整えられるかによって大きく変わります。

今回紹介した方法は、どんな猫にも安心して適用できるものばかりです。もしかしたら、すでに全部できている飼い主さんもいることでしょう。

いずれも無理なく取り入れられるものばかりです。これだけで猫が少しでも健やかに長く生きてくれるなら、やってみる価値があるのではないでしょうか。飼い主さんの愛情の積み重ねが、猫の幸せと健やかな長生きにつながることでしょう。

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