1.うんちの硬さ

猫のうんちは、多少の湿り気があり、つまみ上げても形が崩れないのが正常です。細長く丸みを帯びた形をしており、ある程度の長さがあります。
これがカチカチで小さくなってしまった場合は、便秘になっている可能性があるでしょう。飲水量が足りないことが主な原因ですが、腎臓や消化器官に何らかの異常があるケースも少なくありません。「カチカチ」の目安としては、猫砂が付着しないほど乾いている状態であれば便秘の可能性が高いです。
反対に、つまみ上げると崩れてしまうくらいの柔らかいうんちは、下痢の可能性があります。形を保っていたとしても、ゼリー状の粘液が付着している場合も同様です。感染症や消化器官のトラブル、胆のうの病気を患っている可能性があります。
2.うんちのにおい

猫のうんちのにおいは、ツンと鼻を刺すような独特なものです。人間や犬のうんちよりも、においは強いとされています。何を食べているかで多少変わってきますので、どんなにおいをしているかというよりも、いつもと変わったかどうかで判断するのがいいでしょう。
注意したいのは、酸っぱいにおい、腐敗臭などです。消化不良を起こしていることや腸内環境の悪化などが原因と考えられ、未消化の食べ物が混ざっていることもあります。白の小さなツブツブが混ざっている場合は、寄生虫の可能性も。
キャットフードを変えたタイミングでにおいが変わるのは問題ありませんが、食べるものが変わっていないのににおいに変化があった場合は注意しましょう。何らかの理由で消化がうまくできなくなっている可能性があります。
3.うんちの色

健康的なうんちの色は、黄土色や茶色、少し黒い色などです。これも食べているもので多少異なり、基本的にはキャットフードの色味に近い色のうんちが出ます。
黒があまりにも濃い場合、消化器官(胃や小腸)から出血している可能性があります。このケースでは、ドロリとした形であったり、赤い血が混じっている場合も。血液が消化器官を回った結果、黒ずんだ色になっている状態です。
鮮血が見られる場合は、大腸や肛門など消化器官の最後の方で出血していると考えられます。
白いうんちは、脂肪が混ざっているためです。脂肪を分解する働きのある膵臓に異常がある可能性があります。
ちなみに、うんちに毛が混じっているのは、毛づくろいで飲み込んだ毛がそのまま出てきているケースが多いため、あまり心配する必要はありません。
4.うんちの回数

猫のうんちの回数も、健康状態を確認するバロメーターになります。ただし、個体差があるため、何回なら正常、何回なら異常という境目はありません。回数が変わっていないかでチェックするのがいいでしょう。一般的には、成猫の場合で1日1~2回排便する猫が多いようです。
毎日出ていないようであれば便秘の可能性が考えられるため、飲水量やご飯の質の見直しなどを行いましょう。できれば一度受診をして、原因究明を行うと安心です。
また、1回に出す量は、人間の親指1~2本分ほどが一般的となります。これも個体差があるため、いつもより量が異常に増えていたり減っていたりしないかで判断してください。その日の食餌量や飲水量で多少は変わるので、一時的な変化であれば心配する必要はありません。
トイレに居座る時間もチェックポイントです。大体の猫は、30秒~1分ほどでうんちを済ませます。いつもと比べてあまりにも長時間トイレにいる場合は、消化機能が悪くなっている可能性があります。
まとめ

猫のうんちからは、さまざまな健康状態の異常が分かります。目安としては、いつもと違ううんちの状態が3日続いたら動物病院を受診しましょう。うんち以外に嘔吐や食欲の異常がある場合は、3日を待たずに受診することをおすすめします。
うんちの変化に気が付くためには、毎日のチェックが欠かせません。色やにおい、回数を日々記録しておくと、動物病院で検査をする際にスムーズに診断することができます。また、うんちは時間が経つと状態が変わってしまうため、なるべく排便直後に観察することが大切です。