1.早起きは大事だよ(休日の早朝キャンペーン)

猫にはカレンダーがありません。休みの概念がなく、一年中猫日和です。たとえ1分でも多く眠っていたい休日でも、愛猫はいつものように、早朝5時に飼い主さんを起こしに来ます。
飼い主さんを起こす愛猫の「必殺技」は、実にさまざまです。
目覚まし代わりのモーニング・コール(鳴き声)はもちろん、飼い主さんの髪の毛をせっせと掘ったり、足をちょっとかじったり、二度寝防止のために枕を占領したりします。
なかには、飼い主さんのお腹をリングに見立てて、窓際からダイブするプロレス派もいます。
愛猫が早朝、飼い主さんを起こしに来るのは、「ゴハンを早く!」、「いっしょに遊ぼうよ!」、「やさしくしてよ!」といった理由が背景にあります。
要は、月曜日から金曜日まで働き詰めでクタクタになった飼い主さんなど構わずに、休日であろうが、愛猫は自分のリズムで過ごしたいわけです。
ゴハン問題は自動給餌マシンの導入で解決できますが、おもちゃ遊びやスキンシップの強引なまでの催促に関しては、普段の飼い主さんのお世話ぶりが鍵を握ります。
日頃からこまめに愛猫と楽しく遊び、スキンシップを継続していると、日常の接し方に満足してくれて、休日もゆっくり寝かしてくれるかもしれません。高評価されていれば、「愛猫の添い寝」という贅沢なオプションサービス付きで…。
2.仕事はほどほどにね(パソコンの邪魔タイム)

仕事に追われ、自宅で飼い主さんがせっせとパソコンに向き合っていると、愛猫が背後や視界の端からぬらりと現れ、キーボードのうえに鎮座します。
「なんて素敵な眺め…」と感心している場合ではありません。長期戦に持ち込まれたら、納期の迫った大事な仕事が遅れてしまいます。
ただ、仕事の邪魔になるけれど、どこかしら喜びやうれしさを隠せない自分に気づきます。むしろ、パソコン起動後、愛猫から邪魔される未来を何となく期待していたのではないか…と疑心暗鬼に陥る飼い主さんもいるほどです。
愛猫のパソコン前ステイは、うっすらそれを望んでいる飼い主さんと、確信犯的な愛猫の「共犯関係」が、実は、背後で成立しているせいかもしれません。
パソコンに集中する飼い主さんに愛猫が「待った!」をかけるのは、寂しいからです。言葉にすれば、「もっとかまってよ!」というやるせない想い。ただ四角いだけのパソコンに飼い主さんを奪われて、物足りないご様子です。
そんな切ない姿から、「仕事はほどほどにね…」という裏メッセージを受け取り、愛猫を夢中でモフモフしていると、仕事がまったく捗りません。それこそ「アザト師」たる愛猫の思うツボです。
飼い主さんは、上手にメリハリをつけて、仕事と愛猫との両立を目指してみてください。
3.ほどよい重みがたまらないでしょ(膝の上バカンス)

甘えん坊な猫ほど飼い主さんの膝の上が大好きです。柔らかく、あったかで、特に冬場は、いったん定位置に収まると、コタツに入った子供みたいに、そこから動こうとしません。
飼い主さん側の視点に立てば、愛猫の「膝の上バカンス」は、みかん、お鍋、西宮・今宮戎の福男の話題と並んで、冬の風物詩です。身動きが取れなくなるのは承知で、嬉々として愛猫を迎え入れます。
ウィンウィンの関係に思えますが、実は困った事態に直面することもあります。いちばんの敵は、生理現象のひとつ、尿意です(以下、Nと略)。
雑事であれば後回しにできるものの、Nはそうもいきません。無情にもK点を超えると、せっかく築き上げた人格者としての誇りがやや傷ついてしまう恐れもあります。
NのK点が差し迫った時点で、「そろそろ…いいかな…」と恐る恐る打診すると、愛猫が顔を見上げながら、目で訴えかけてきます。
「ねぇ、重みもぬくもりも絶妙でしょ?」
飼い主さんは、曇りのない愛猫の瞳になす術もなく、K点の向こう側へと新たな挑戦を強いられます。
実は、このN問題に関しては、飼い主さんが前もって、膝の上に毛布やタオルをセットしておけば、十分に対処できます。あとは、愛猫にそのまま膝の上に乗ってもらうだけです。
たとえNのK点が訪れても、たとえば、毛布ごと愛猫を移動させれば、無用なストレスを与えずに、飼い主さんは席を立てます。身も心もリフレッシュして戻った後は、愛猫の気分次第では「膝の上バカンス」を再開できるかもしれません。
いずれにしても、冬の「膝の上バカンス」は、愛猫だけでなく、飼い主さんにとってもホットでリラックスできるひとときでしょう。毛布などを巧みに使って、愛猫といっしょに寒い季節をぬくぬくと乗り越えてください。
まとめ

飼い主さんにとって、かわいい愛猫は何でも許してしまう存在でしょう。「うんうん、その通り!」というみなさんの声がこだまのように響き渡ります。
今回は、悪びれずに飼い主さんの気を引く愛猫の行動を3つ紹介しました。
「休日の早起き」、「パソコンの邪魔」、「膝の上での長居」は、どれも愛猫のかわいさが全開になるシーンです。
ちょっと困惑しつつも、何だかんだ言って受け入れてしまう飼い主さんも多いかもしれません。
自分のかわいさを100%知り尽くした相手(愛猫)に、抵抗など無駄です。そのあふれる魅力に適度に翻弄されながら、これからも楽しい愛猫ライフを続けてください。