1.食べ物の匂いに惹かれるから

1つ目の理由は、食べ物の匂いについ誘われるからです。
猫の嗅覚は、人間の数万から数十万倍と言われ、獲物の気配や食べ物の腐敗臭などを見極めるために、非常に大切な役割を果たしています。
そんな猫にとって、キッチンは食欲をかき立てられるスペースです。おなじみの肉や魚だけでなく、今まで出会ったことのない匂いにも出会えます。
たとえば、刺身好きの猫は、飼い主さんがマグロの刺身を器に盛るだけで、匂いに誘われて忍び寄ってきます。匂いチェックだけでは飽き足らず、ついでにおすそ分けを狙うつもりです。
食べ物の匂いであふれるキッチンは、食いしん坊の猫ほど魅力的なグルメスポットに映っています。それゆえ、匂いを嗅ぎつけると、「チャンス到来!」とばかりに、恒例のキッチン通いを続けます。
2.興味深いものがたくさんあるから

2つ目の理由は、面白いものがたくさんあるからです。
キッチンには、匂いだけでなく、愛猫の好奇心をそそるものがたくさんそろっています。
スーパーの買い物をビニール袋から取り出す際のガサガサ音、シンクで勢いよく流れる水道の音、ツナ缶を開けるときの音。
八宝菜を手早く炒める飼い主さんの菜箸の動き、手作りチャーシューに使うタコ糸だって何だか気になってしまいます。
猫は聴覚が鋭く、0.1~0.2程度の視力ながらも、視覚に関しては抜群の動体視力を誇っています。忙しなく動かす飼い主さんの菜箸もコマ送りに見えるほどです。
キッチンは、猫の五感を刺激するところであり、私たち人間で言えば、体験型のテーマパークのようなものです。子供が大喜びするように、猫もまたワクワクしながら大いに楽しみます。
3.飼い主さんにかまって欲しいから

3つ目の理由は、愛しの飼い主さんがそこにいるからです。
飼い主さんがせっせとゴハンの支度を始めると、愛猫は何だか寂しさを感じます。その心境をアテレコするなら、「かまって!かまってよ~!」です。猫は本能のままに赴くので、飼い主さんの事情など考えずに、すぐにキッチンへと出かけていきます。
テレワーク中のパソコン前抗議デモと同様に、飼い主さんの関心が別の対象に移り、愛猫は不満タラタラです。かまって欲しさのあまり、足元への集中スリスリ攻撃を連発。中には、調理台をステップ代わりにして、飼い主さんの肩に飛び乗る強硬派もいます。
特に、飼い主さんLOVEな愛猫にとって、飼い主さんは世界の中心であり、やさしさと愛情が源泉かけ流しのごとく湧き出るパワースポットです。たとえキッチンで調理中であろうが、パワースポット巡りはやめられません。
キッチンは危険がいっぱい、愛猫に有効な侵入防止策とは?

言うまでもなく、愛猫が出入りするキッチンは、火を取り扱うため、危険と隣り合わせです。熱々のてんぷら鍋をひっくり返したり、誤ってガスコンロがついたり、愛猫の思わぬ行動によって、火傷やケガ、火災の危険性が高まります。同時に、誤飲・誤食も避けられません。
愛猫の無用なキッチン侵入防止には、以下の対策が効果的です。
- 立ち入り禁止用のパーテーション(フェンス)の設置
- アコーディオンカーテンの活用
- 調理中は愛猫にケージの中に入ってもらう
お互いの安全を守るためにも、飼い主さんは日頃から上記の対策を心がけてみてください。
まとめ

今回は、愛猫がなぜキッチンに出没するのか、「食べ物の匂い」、「好奇心」、「飼い主さんへの関心」、3つの理由を紹介しました。
広い意味で言うと、愛猫にとってキッチンは、運が良ければ、つまみ食いもできる魅力あふれる遊び場なのでしょう。
ただ、火元にもなるキッチンは、火災や誤飲などのリスクもあり、一定の侵入対策が必要です。
予期せぬアクシデントのないように、飼い主さんは適切な方法で対応してみてください。