猫が突然勢いよく爪とぎを始める理由5つ

猫にとって爪とぎは日常的な行動のひとつですが、まるでスイッチが入ったかのように突然激しく始めることがあります。そんなときは、ただの習慣ではなく、感情や意思表示が隠れている可能性も。
「どうして今ここで?」と思うようなタイミングでの爪とぎこそ、猫なりのサインかもしれません。ここでは、爪とぎを通して猫が何を伝えようとしているのか、その理由と気持ちを読み解いていきます。
1.気持ちを切り替えたいとき
猫は、緊張した場面や驚いたあとに「気持ちのリセット」として爪とぎをすることがあります。
これは転位行動(スイッチ行動)と呼ばれ、心を落ち着かせるための自然な反応。他の猫や人との関わりで緊張したときによく見られます。
2.ストレスや不安の発散
環境の変化や来客、大きな音など、一時的なストレスを感じたときにも、爪とぎで気持ちを発散しようとすることがあります。
普段より爪とぎが激しかったり、頻度が増えているときは、ストレスが溜まっているなどの飼い主さんに伝えたいサインがあるのかもしれません。
3.匂いづけ・縄張りの主張
猫の肉球にはにおいを出す腺があり、爪とぎによって自分の匂いをつけ、縄張りをアピールしています。
とくに引っ越し直後や新しい家具が増えたときなど、「ここは自分の場所」と主張したい場面で見られます。
4.飼い主や周囲の注意を引きたい
わざと見えるところで勢いよく爪とぎを始めるのは、「こっちを見てほしい」「かまってほしい」というアピール行動の可能性も。
とくに、いつもと違う時間帯や、飼い主の注意が別の方向に向いているときに見られやすくなります。
5.退屈・エネルギーが余っている
運動不足や遊び足りなさからくる“ヒマつぶし”として爪とぎをしているケースもあります。
この場合は、しばらく遊んであげると落ち着くことも多く、行動の背景にある刺激不足を見直すことが大切です。
ストレスサインとしての可能性

勢いよく爪とぎをする行動は、一時的な気分転換のほかに、環境への不満や緊張からくるストレスの表れであることも。
- 来客があった日
- 模様替えや引っ越しの直後
- 新しいペットや家具の導入後
このようなタイミングで爪とぎが増えたら、猫が安心できていないサインかもしれません。特定の場所ばかりで繰り返す・家具や壁を破壊するような激しさがある場合は、ストレスが蓄積している可能性があるため要注意です。
猫が安心できる爪とぎ環境のつくり方

猫にとって爪とぎは、本能的な行動でありストレス発散や気分転換にも欠かせません。だからこそ、猫が「ここで爪とぎしたい」と思えるような環境を整えることが大切です。
爪とぎは複数の場所に置くのがポイント
猫は気分や場所によって行動を変えるため、爪とぎ器がひとつだけでは足りないことがあります。
複数の部屋や、よく通る場所、お気に入りのくつろぎスペースなどに設置してあげると、安心して使いやすくなります。
素材は猫の好みに合わせて選ぶ
段ボール、麻、カーペットなど、爪とぎの素材にはさまざまなタイプがあります。猫によって好みが分かれるため、現在の爪とぎ器をあまり使わないようであれば、素材を変えてみると反応が変わることも。場所によって素材を変えておいてみても良いかもしれません。
安定感がある設置で「バリバリ」しやすく
爪とぎ器がグラグラしていると、猫は驚いたり警戒して使わなくなることがあります。壁に立てかけたり、床にしっかり固定したりするなど、力を入れてもズレないように工夫すると安心です。
まとめ

猫が突然爪とぎを始めるのは、気分転換や感情の表現、ストレスの発散など、いくつもの理由が絡んでいます。単なる習慣と片付けず「今どんな気持ちなんだろう?」と猫の心に目を向けることが大切です。
また、安心して爪とぎができる環境を整えることで、猫の心もぐっと落ち着きやすくなります。今日からは、猫の“バリバリ”に込められたサインにも、そっと気づいてあげてくださいね。