シニア猫の生活が快適になる『お世話』6選

"愛猫にはいつまでも若々しく、健やかであってほしい"これは、全ての飼い主さんに共通する願いではないでしょうか。
この夢を叶えるために重要なのは果たして何なのでしょう。実は良質なキャットフードでも、最先端の医療でもなく、"日々のお世話"です。
高齢の猫にはシニア期に適したお世話の仕方があります。ここでは、愛猫が10歳を超えたら見直してほしい『お世話の方法』を6つ紹介いたします。
1.ブラッシングの頻度を増やす

皆様は愛猫のブラッシングをどの程度の頻度で行っていますか?一般的に短毛種の場合は1週間に1回〜2回程度でいいとされています。
実はこの目安は若い成猫に向けたもので、シニア期はもう少し増す必要があります。本人(猫)が気持ちよさそうにしてくれるのであれば毎日やってあげてください。
ブラッシングには血行促進・毛艶の維持・グルーミングの負担軽減の効果があります。年齢を重ねるごとに関節が固くなり、関節炎を患うと毛繕いが大変になってしまいます。なので、そこをサポートしてあげてください。
我が家の12歳の愛猫はまだまだ関節に問題はないものの、10歳頃からブラッシングが大好きになりました。今では1日に3回以上催促してくるほどです。
言われるがままに要求を飲み続けた結果、以前よりも毛艶がよく若々しい印象になりました。獣医さんからも『実年齢より若い』と太鼓判をいただいています。
2.キャットフードの内容を見直す

これまで食いしん坊だった猫も、食が細くなることがあります。これまでダイエット系のフードを食べていた猫の暴食が落ち着き、むしろ食べる量が減ったと感じたら、フードを見直す機会に差し掛かっています。
まずは食欲の有無や元気の有無、便の状態などを動物病院に伝え、今後の食事内容について相談してみてください。
重要なのは絶対に自己判断で変更しないことです。一度健康診断を受け、何が最良なのかを精査してもらうことが大切です。その後はアドバイスに沿って、"今の状態に合った食事"を用意してあげてください。
3.こまめに爪を切る

先ほどグルーミングに負荷がかかると紹介しましたが、高齢の猫は爪を研ぐ頻度も減少します。理由はやはり『関節のトラブル』です。
関節に痛みがある猫は、爪を研ぐことさえも困難になります。また、違和感を覚えだした頃から徐々に億劫になり、頻度が減少していきます。
その結果、伸ばしっぱなしにした爪は巻き爪になってしまいます。巻いた爪が肉球に食い込んでしまうこともあるので、注意が必要です。
活発に動くことがなくなり、爪研ぎの頻度が減ったと感じたら、これまで以上に爪切りを意識的に行ってください。
4.できることは自分でやってもらう

高齢期に差し掛かったからといって、何でも飼い主さんがやってあげることが好ましいわけではありません。
これまで通り、できることは積極的にやってもらうこともまた介護予防につながります。敢えてトイレと食事のスペースを離し、その中間地点に水飲み場を作りましょう。これらのスポットへの移動が"ちょうどいい運動"になります。
トイレの段差も、関節が健康なうちはステップをつけなくて大丈夫です。
ただ、食器に関しては少し高さを出してあげてください。シニア猫は8cm〜10cm程度の高さがあると食べやすく、吐き戻しや関節炎の予防になります。
5.スキンシップを取る

高齢になった猫は、性格面にも変化が生じます。そのパターンは3種類。頑固になる猫・甘えん坊になる猫・どちらの要素も兼ね備えた猫です。
その背景には『不安』があります。主だった内容は、老いによって様々な機能が衰える不安、耳が遠く危機管理が困難になった恐怖、視覚や嗅覚が弱り飼い主さんの気配が探れない不安などが挙げられます。
これを解消できるのは『スキンシップ』です。シニア猫は様々な不安から、よく鳴くようになります。子猫の甘えとは異なるため、無視をするのではなく『声』や『触感』によって安心感を与えてあげてください。
『ここにいるよ』『毛艶が良くていいね』など、その都度心が穏やかになるような言葉をかけながら撫でてあげてください。
6.脳に良い刺激を与える

愛猫がシニアになったら、これまで以上にカーテンを開けて過ごしましょう。安全が確保できる状態であれば少し窓を開けて外気を取り込むのも良いですね。
日々の暮らしの中で季節感が味わえる刺激を与えることは、脳の活性化につながり、認知機能の低下を遅らせる効果があります。
ここでも『今日はいい天気だね』『ぽかぽかして気持ちいいね』『今日は雨が降っているよ』など、積極的に話しかけてみてください。大好きな飼い主さんの声もまた良い刺激になります。
まとめ

今回は愛猫がシニアになったら見直してほしいお世話、快適に過ごすためのお世話を6つ紹介いたしました。シニア期は変化の時期です。これまで以上に気を配ってあげてください。
猫の健康寿命が伸びた要素として、動物医学の発展やキャットフードの進化は無関係ではありません。しかしながら、『その年齢に合ったお世話』もまた重要な要因です。
愛猫が"まだまだ若い"と感じられるうちから少しずつお世話の仕方を見直し、改善が必要な部分は修正してみてください。
飼い主さんと愛猫が健やかに、楽しいシニアライフを満喫できますように。