『毛が抜けやすい』とされている猫種4選 日常ケアの方法や健康管理のポイントも解説

『毛が抜けやすい』とされている猫種4選 日常ケアの方法や健康管理のポイントも解説

気づけば部屋のあちこちに舞う猫の毛。「どうしてこんなに抜けるの?」と感じたことはありませんか。猫の毛が抜けやすいのには理由があり、とくに毛の構造や体質によって、抜け毛が多い猫種も存在します。この記事では、そんな「毛が抜けやすい猫」の代表的な4種と、日常でできるケアのコツをわかりやすく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫の抜け毛は「体の仕組み」によるもの

屋内で猫をブラッシングする人

猫の抜け毛は、単なる汚れや老化ではなく、体温を調節するための自然なサイクルです。

特に「ダブルコート」と呼ばれる二重構造の被毛を持つ猫は、季節によってバランスを変えながら毛を生え変えます。

春と秋の換毛期には、特に家じゅうにふわふわと毛が舞うこともあるでしょう。これは人でいえば「冬服から夏服に着替える」ようなものです。

抜け毛が多い猫種を理解し、適切にケアしてあげることで、愛猫の健康も保ちやすくなります。

『毛が抜けやすい』とされている猫種

メインクーン

1.メインクーン

大きな体とライオンのようなたてがみが特徴のメインクーンは、北国生まれの寒さに強い猫です。

ふんわりとした下毛と長い上毛を持つため、抜け毛の量はかなり多め。とくに春にはごっそり抜ける時期になりやすいです。

毛玉ができると皮膚が引っ張られ、かゆみや炎症を起こすこともあるため、週に3~4回のブラッシングが理想的です。

ブラシを通すと血流がよくなり、毛並みのツヤもアップします。まるで「美容室帰り」のような手触りになりますよ。

2.ペルシャ

絹のように美しい毛並みを持つペルシャは、抜け毛の多い長毛種の代表格です。被毛が細く絡まりやすいため、ブラッシングを怠るとすぐに毛玉ができてしまいます。

静電気で毛が立ちやすい季節は、スプレータイプのブラッシングミストを使うと扱いやすくなります。

さらに、皮膚の通気性を保つために嫌がらないのであれば、「シャンプー」を月に1回ほど取り入れるのもおすすめです。

しかし、猫にとってシャンプーはシャワーの音や触感、ドライヤーの音など苦手なものがたくさんあって、ハードルが高い傾向があります。

お風呂が苦手な猫には、濡れタオルで優しく拭くだけでも十分効果がありますので、人の髪と同じように、日々のお手入れで「健康な被毛」を維持しましょう。

3.ノルウェージャンフォレストキャット

雪国出身のノルウェージャンフォレストキャットは、分厚い毛で体を守る「天然コート」をまとった猫です。

冬には冷たい空気を遮り、夏には通気性を保つという優秀な毛質をしています。抜け毛は多めで、春は家じゅうにふわふわの毛が広がることも。

ブラッシングの際は、毛の流れに沿って優しく梳かすのがコツです。強く引っ張ると毛根が痛み、猫がブラシ嫌いになってしまうこともあるため、嫌がらずに続けられる「お手入れ時間」を意識しましょう。

4.アメリカンショートヘア

短毛種の中でも抜け毛が多いとされているのがアメリカンショートヘアです。

毛が短いため「お手入れが楽」と思われがちですが、実際は細かい毛が抜け落ちて床や服につきやすいタイプです。

ブラッシングの頻度は週に2~3回で十分ですが、室内の温度差やストレスでも抜け毛が増えることがあります。

季節の変化に合わせて室温を調整したり、遊び時間を増やして気分転換をさせてあげるとよいでしょう。抜け毛を通じて体の調子を知る「健康のバロメーター」と考えることが大切です。

まとめ

ペルシャ猫

抜け毛が多い猫は、その反面、見た目の美しさや性格の穏やかさなど、たくさんの魅力を持っています。

日々のブラッシングやシャンプーは、ただ毛を整えるだけでなく、猫の体調や心の変化を感じ取る大切な時間です。

少しずつお手入れを続けるうちに、「毛のツヤが増した」「前より甘えてくるようになった」と感じることもあるでしょう。

抜け毛の多い猫ほど、手をかけた分だけ愛情が返ってきます。毎日のケアを「負担」ではなく「絆を深める時間」として楽しめば、きっとお互いに心地よい暮らしが育っていくはずです。

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