猫が認知症かも?と思ったら確認するべきポイント4つ

猫の認知症は「認知機能不全症候群」とも呼ばれ、高齢猫に見られる脳の老化によって起きる行動変化です。早期発見のためには、普段の様子の小さな違和感に気づくことが大切です。ここでは、特に注意したい4つの行動を紹介します。これらのサインが続く場合は、動物病院を受診しましょう。
1.夜鳴きや異様な鳴き声
認知症の猫に見られる特徴的な症状として「夜鳴き」があげられます。猫の認知症では、初期サインとして見られることがあります。夜中に意味もなく「ギャーギャー」と大声で鳴き続けるため、飼い主さんは寝不足になる、生活に支障をきたすなどの問題が生じることも。
また、飼い主さんを探して鳴く、方向感覚を失って不安になって鳴く場合もあります。単なる「わがまま」や「老化現象」と片づけず、頻度が増えていると感じたら注意が必要です。
2.徘徊・方向感覚の異常
同じ場所をぐるぐる歩き回る、部屋の隅や家具の裏に入り込んで出られなくなるといった行動も、認知機能の低下によるものです。以前は問題なく歩けていた環境でも、空間を正しく把握できなくなり、混乱してしまうことがあります。
また、壁に頭を押しつけたまま動かない、進行方向を見失うなどの症状も見られることも。
こういった行動が続く場合は、猫が安全に移動できるように対策を講じる必要があるでしょう。
3.トイレの失敗
トイレの場所を忘れてしまったり、砂の上で排泄しなくなったりするのも、認知症のサインです。トイレの場所がわからなくなっている可能性があります。特に、今まできちんとトイレでしていた高齢の猫が急に粗相をするようになった場合は注意が必要です。
ただし、トイレの失敗は認知症以外にも腎臓病、膀胱炎、結石症などの泌尿器系の病気の可能性も疑われます。原因を特定するためにも、動物病院を受診しましょう。
4.学習能力の低下・物忘れ
これまで覚えていたルールや名前に反応しなくなるのも認知症を疑うポイントです。呼んでも来ない、食事の時間を忘れる、同じ場所で何度も食事を催促するなどの行動が見られることがあります。認知症が進むと、飼い主さんの顔を認識できなくなるケースも。
こうした行動の変化には、猫自身も混乱し、大きな不安を感じている可能性があります。猫を安心させるためにも、叱らずに穏やかな態度で対応するように心がけましょう。
飼い主さんとしてできることは?

認知症の進行を完全に止めることは難しいですが、生活環境の工夫や適切なケアによって、猫の混乱やストレスを軽減することができます。
例えば、トイレやベッドの位置を変えない、優しく声をかけたり、スキンシップを取るなど安心できる環境を心がけましょう。
日常のケアとしては、同じ時間にご飯を与えるなど、生活リズムを一定に保ち、安心できる場所を用意しましょう。また、知育玩具で遊ぶ、無理のない運動を行うなど、猫が興味を持てる範囲で脳に刺激を与えるのもおすすめです。
さらに、動物病院での相談も欠かせません。認知症に似た症状を引き起こす病気(甲状腺機能亢進症、腎不全など)もあるため、まずは健康チェックを受けて原因を明確にすることが大切です。
まとめ

猫の認知症は、決して珍しい病気ではありません。単なる老化として見逃されがちですが、早く気づけば進行をゆるやかにして、穏やかな老後を送ることも可能です。
認知症を発症した猫は、状況が飲み込めず不安を感じている可能性もあります。もし問題行動が見られても、それは病気のせいだと理解し、叱るのではなく、安心できるように対策してあげましょう。
また、認知症と似た症状の病気もありますので、もし愛猫に認知症を疑う症状が見られたら、自己判断をせず、必ず獣医師に相談してくださいね。