1.排便時にやたらと力む

人間でもなかなか便が出ないとき、普段よりも気張ることがありますが、猫の場合でも変わりません。猫が便秘状態になると、排便時に次のような変化が表れます。
- 長い時間をかけて踏ん張っている
- 苦しそうに鳴く
- 出ないのに何度もトイレを出入りする
上記の状況に陥ると、愛猫の「便秘」を疑ったほうが良いでしょう。
猫の便秘の精神的な要素が関係する原因としてよくあるのは、トイレ環境の不具合です。
トイレが汚れていたり、設置場所や猫砂が気に入らなかったりすると、猫はストレスを感じ、排便を我慢してしまうケースがあります。
もし愛猫に便秘の兆候が表れたら、トイレまわりに問題がないか、まずはチェックしてみてください。
他にもグルーミングによる被毛が便に絡んでしまい、出づらいケースや、腎疾患など脱水傾向に陥るせいで便が硬くなって排便がしづらい場合もあります。併せて愛猫の体調も観察しましょう。
2.丸3日以上、便が出ない

猫の一日の平均排便回数は1~2回程度ですが、丸3日以上経っても便が出ない場合は、便秘の可能性が高いです。すぐに動物病院に診てもらう必要があります。
猫の便秘には、ストレスだけでなく、水分不足や運動不足、毛玉、加齢現象などが深く関わっています。
仮に、水分不足や運動不足が便秘の要因だった場合、「ウェットフードの活用」、「飲水スポットの増加」、さらに「毎日、しっかり遊ぶ」などが効果的です。毛玉が問題であれば、「毛玉対策用フードへの切り替え」、「こまめなブラッシング」が欠かせません。
3.コロコロと硬く、細長い便(もしくは細切れ)

3つ目の便秘のサインとしては、コロコロと硬く、小さくて細切れな便、です。
健康的な猫の便は、一般的には、バナナのような形(あるいは楕円形)に近く、人間の大人の人差し指一本程度の大きさがあります。ほどよく水分を含んでいて、粘り気があり、いつも食べているキャットフードよりも濃いめの色が特徴です。
理想の便は、愛猫の健康をはかるバロメーターであり、飼い主さんもぜひ目指したいところでしょう。
実は、食事以外にも、猫のお通じを良くするためのマッサージ法があります。
やり方はシンプルで、愛猫の脇腹をやさしく揉んだ後、お腹を「の」の字を描くように撫でるだけです。1日5~10分程度、スキンシップの流れでやると、愛猫も取り組みやすいかもしれません。
誰でもできる簡単な方法ですが、愛猫のリラックス時を見計らってやるのがポイントです。
もし実際に行う場合は、念のために、かかりつけの獣医師さんの指示や指導を仰ぐと安心できます。
放置すれば「巨大結腸症」になる危険性も

愛猫の慢性的な便秘をそのままにすると、やがて、「巨大結腸症」になる危険性があります。
「巨大結腸症」とは、詰まった便が原因で結腸が伸びきってしまい、排便を促す蠕動(ぜんどう)運動の力が著しく低下する病気のことです。排便困難のほかに、血便や嘔吐などの症状が表れることもあります。
状態が悪化すると、「人工的に便をかき出す」、あるいは「拡張した腸を外科手術で切除する」という可能性も出てくるので要注意です。
いずれにしても、「巨大結腸症」は、脱水症状や食欲不振を伴い、最終的には猫の命に関わる病気です。絶対に放置せず、速やかに愛猫を動物病院に連れていってあげてください。
まとめ

猫にとって、「便秘」は危険な病気につながる前触れです。安易に考えていると、愛猫につらい思いをさせてしまう恐れもあります。
今回は、最悪の事態を避けるために、猫における「便秘」のサインを3つ紹介しました。
「排便時にやたらと踏ん張る」、「丸3日以上便が出ない」、「コロコロと硬くて小さな便」、この3つの症状が表れると、愛猫の「便秘」を疑うべきです。すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
日頃の便秘予防には、十分な水分補給、運動、快適なトイレ環境などが有効です。さらに、スキンシップのプロセスに便秘マッサージも加えながら、これから上手に便秘対策をしていきましょう。