1.いつも飼い主さんといっしょにいたい!

1つ目の理由は、たとえ風呂場であろうが、飼い主さんといっしょにいたい、という愛猫の気持ちです。
愛猫にとって、飼い主さんは、いつもやさしく、たっぷりの愛情を持って接してくれる存在です。一説によると、猫は飼い主さんのことを母猫のように認識しているとも言われています。
お風呂場の扉の向こうで待機する愛猫は、母猫の後ろをついて回る子猫のような気分です。飼い主さんの姿が見えなくなって、ちょっぴり不安な気持ちも混じっているかもしれません。
人間の子供にたとえれば、いっしょにお風呂に入って、アヒルのおもちゃで遊んだり、手で器用に水鉄砲を飛ばしたり、いろいろ楽しみたい、といったところでしょうか。
曇りガラスにぼんやり映る愛猫の姿は、まさに健気な寂しがり屋さんです。飼い主さんの風呂上がりを「忠猫」のごとく、律儀に待ち続けます。
2.パトロール活動のため

2つ目は、パトロール活動の一環です。
猫は、環境の変化に敏感で、縄張り意識が強い動物です。安全と安心を確保するため、日々、おうちのなかをせっせと巡回します。愛猫が飼い主さんの足元をスリスリするのも、匂い付けによる縄張り化の延長です。
そんなテリトリーの一部である飼い主さんが突然いなくなったら、どうなるか?
もちろん、愛猫にとっては緊急事態の発生です。そこで、失踪した飼い主さんを追うため、あたかも「猫のおまわりさん」のように、愛猫はお風呂場へ駆けつけます。
扉を一枚隔てた向こうで、いったい飼い主さんがどんな事件に巻き込まれているのか?、疑惑の真犯人はいったい誰なのか?
愛猫警部は、超人的な聴覚を駆使し、毎日、9時恒例のサスペンス、「ゆけむり飼い主失踪事件」の謎を解き明かそうとします。
妙にサッパリした表情の飼い主さんが風呂から上がると、難解事件が見事に解決し、愛猫も心から安心します。
3.水の音などに好奇心をそそられる

猫は基本的に警戒心が強い一方、好奇心も旺盛です。たとえば、飼い主さんが持ち帰った品々もひとつ残らず、匂いをチェックします。
お風呂場の場合、猫が最も興味を惹かれるのが、音の数々でしょう。
シャワーの「シャーシャー」や風呂桶で身体を流す「ザパーン」、念入りに髪を洗う「シャカシャカ」など、日中には聞こえてこない音ばかりです。音の正体を確認できないため、余計に気になります。まるで昔話の「鶴の恩返し」の老夫婦のような心境です。
「決して覗かないでください…」
昔話の老夫婦と違って、愛猫は飼い主さんの約束を守り、禁断の入浴シーンを覗くことなく、興味深い音だけを熱心に聞き取ります。
そして、風呂上がりの後は、「飼い主の恩返し」のタイトル通り、たっぷりとかわいがってもらい、めでたしめでたしな日々を送ります。
愛猫の安全を保つうえでの注意点

飼い主さんの目が行き届いていれば、たとえ愛猫が浴室に入っても、それほど心配はいりません。ただ、最悪の事態を避けるうえで、以下の点に注意しておきましょう。
- 湯船に落ちると溺れたり、パニックに陥る可能性もある
- 浴床は滑りやすく、転倒事故の危険性も
- 風呂上がり後はお湯を抜いておく
- 愛猫を閉じ込めるリスクもあるため、風呂場の開閉に気をつける(特に夏場は要注意)
お風呂場で愛猫とリラックスして過ごすためにも、飼い主さんは安全性には十分に留意してください。
まとめ

今回は、愛猫が飼い主さんのお風呂を覗く心理について解説しました。
この行動には、「いっしょにいたい!」、「パトロール活動」、「好奇心」といった気持ちが含まれています。
みなさんの愛猫に当てはまるものはあったでしょうか?
繰り返しになりますが、お風呂場で愛猫といっしょに過ごす場合は、愛猫の安全面での配慮が欠かせません。
まさかの事態に陥って後悔する前に、入浴時のリスクを踏まえたうえで、飼い主さんは万全な対策を心がけるようにしましょう。