猫がいる家で『アロマ』が絶対NGな理由3つ 知っておくべき危険性と対処法も解説

猫がいる家で『アロマ』が絶対NGな理由3つ 知っておくべき危険性と対処法も解説

リラックスや気分転換のために「アロマ」を使いたくなる方も多いはず。しかし、人間にとって心地よい香りでも、猫にとっては危険な要素となることがあります。今回は猫がいる家でアロマがNGな理由を解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.猫にとって有害な成分を解毒できないから

猫とアロマオイル

猫がいる家でアロマを使うべきではない理由…それは、アロマの成分が猫にとって有害だから。人間の場合、体内には「グルクロン酸抱合」という仕組みがあり、体に入ったアロマの成分を分解・無害化することができます。

ところが猫は、この仕組みを担う酵素(グルクロン酸転移酵素)が非常に弱いため、アロマに含まれる成分を解毒が苦手です。要するに、アロマが体に毒となりやすいのです。

猫にとって危険性が高いアロマの種類としては、レモンやオレンジなどの柑橘系、ティーツリー、ユーカリ、ペパーミント、シナモン、ラベンダーなどが挙げられます。アロマ成分は、人間にとっては癒しをもたらす一方で、猫にとっては毒ということは頭に入れておきましょう。

2.アロマ成分が体内で蓄積する恐れがあるから

猫とアロマ

前述したとおり、猫はアロマの成分に対する代謝能力が低いため、分解することができません。アロマを吸引したからといって即症状が現れるとは限りませんが、ほんの少しずつ体に入った成分は、日々の暮らしの中で体内に蓄積していきます。

ディフューザーを使って空気中に揮発したアロマ成分を吸い込むこともあれば、毛に付着した成分を毛繕いの際に舐め取ってしまうこともあります。

アロマ生活を続けていくうちに、ある日突然、嘔吐や下痢、よだれの増加、呼吸の荒さ、震え、けいれんなどといった症状が現れる恐れも。さらに進行すると肝臓や腎臓に深刻なダメージを与えてしまう危険性も考えられます。毎回使う量は少量だから大丈夫、と安易に考えないようにしましょう。

3.猫が誤って舐めてしまうリスクがあるから

猫と飼い主の手

猫は香りにとても敏感。好奇心旺盛な個体の場合、普段と違う香りには興味を示しやすいことも。アロマオイルのボトルや、オイルを垂らしたティッシュ、アロマストーンなどに近づいて、舐めてしまう事故が起こることも想定されます。他にも、飼い主の手や家具に付着したオイルを何かの拍子に舐め取ってしまうこともあります。

揮発した成分を吸引するのとは違い、成分が凝縮されたアロマオイルを直接摂取するのはかなり危険。少量でも急速に中毒が進む恐れがあります。アロマオイルに猫の手が届かないよう管理を徹底することをおすすめします。

猫がアロマを舐めてしまった場合の対処法

キャットタワーにいる猫

万が一、猫がアロマを舐めてしまったら、すぐに動物病院へ連絡し、指示を仰ぐことが最優先。その際、自己判断で無理に吐かせる、大量の水を無理やり飲ませるなどの行為は絶対に避けるべきです。下手な応急処置は胃や食道を傷つける可能性があります。

猫がアロマを舐めてしまった場合、アロマオイルの種類や商品名、摂取したと思われる量や時間などを共有すると判断がスムーズになります。アロマ製品の現物やパッケージを一緒に持って行くのもアリです。アロマ中毒は時間との勝負になることもあるため、気づいたらすぐ受診することが大切です。

まとめ

アロマに興味を示す猫

アロマは人間にとっては癒しをもたらすアイテムですが、猫にとっては命に関わる毒になることも。大切な猫を守るためには、家でアロマを使用しないことが最も安全な対策となります。
飼い主の癒し以上に、猫の健康と安心を最優先に考えて生活環境を整えてみてください。

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