︎1.チョコレートやチョコ入りのお菓子

チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインという成分は、人間では簡単に処理できますが、猫では分解する酵素がないため、消化することができず長く体内に留まってしまいます。
チョコレート中毒の症状としては、興奮、震え、痙攣などの神経症状や、頻脈、不整脈など心臓への負担、嘔吐や下痢などの消化器症状が現れます。
特に危険なのがカカオの含有量が高いチョコレートで、ビターチョコ>ミルクチョコ>ホワイトチョコの順で危険度は高いです。
食べると危険な量は、チョコの種類や猫の体重によっても変わってきます。
また、例え同じ体重でも体質により、強く反応を受けてしまう猫とそうでない猫がいます。
猫にとってはチョコレート=毒と思い、少しでも食べてしまったり舐めてしまったと気がついた場合には、そのお菓子を持って、直ぐに動物病院を受診することをお勧めします。
︎2.キシリトール入りのガムやキャンディ

人間では、口腔ケア商品として健康に良いイメージのキシリトールですが、猫にとっては命に関わる危険な成分です。
猫はキシリトールが体内に入ると、膵臓がキシリトールをブドウ糖と勘違いしてしまいます。すると、血糖値を下げなくてはならないと膵臓から大量のインスリンが分泌され、結果として低血糖になってしまいます。
低血糖は、震え、嘔吐、ふらつき、元気消失などの症状から始まり、重症になると痙攣、昏睡、失神などの神経症状が現れ、最悪の場合亡くなる事もある危険な状態です。
キシリトールも個体によって反応が大きく出る場合とそうでない場合とがあります。
しかし、基本的にはガム1粒であっても危険と捉えて、少しでも食べてしまった場合には、早急に動物病院を受診しましょう。
︎3.玉ねぎやニンニク入りのスナック

玉ねぎやニンニクに含まれている有機チオ硫酸化合物という物質は、赤血球を壊し、溶血性貧血を引き起こします。
症状としては、嘔吐、下痢、歯茎や瞼の裏の粘膜などが白くなる、元気消失、呼吸が荒くなるなどがあります。溶血性貧血は、重症になると亡くなってしまうこともある非常に危険な状態です。
特にニンニクは玉ねぎよりも少しの量で重症化する事があるため、絶対に与えてはいけません。
また、有機チオ硫酸化合物は加熱してもその成分は壊れないため、スナック菓子など加工されているものでも注意が必要です。
︎4.ブドウやレーズンを使ったお菓子

猫ではブドウやレーズンを食べると腎不全を引き起こすことがあります。
症状としては、嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失などから始まり、重症になると急性腎不全を引き起こし、命に関わる事もあります。
特に猫は腎臓病になりやすい動物で、15歳以上の猫の7-8割は腎臓病を患っていると言われているほどです。
高齢の猫では、これらの誤食が命取りとなる事もあるため注意が必要です。
︎拾い食いや食べこぼしを防ぐには

拾い食いや食べこぼしの誤食を防ぐために、まず大切な事は、猫に人の食べているものが美味しいと認識させない事です。
この認識は家族の誰かが守らなければ、猫の拾い食いは治りません。家族全員で猫に人の食べ物は与えないと、ルールを統一させましょう。
また、誤食を防ぐためには食べ物やゴミ箱の管理も大切です。
猫は人が予想するよりも高い場所や狭い場所に置いてある食べ物も取ることができます。
スーパーの買い物袋などは置きっぱなしにせず、猫が食べてはいけない食品は蓋のある密閉容器に保存しましょう。ゴミ箱は蓋付きの物を選び、倒れない様に固定するなど、猫にいたずらされない工夫が必要です。
猫のいたずらは、暇つぶしが原因の事もあります。その場合には、猫用のおやつを使い、他の遊びで猫の狩猟本能を満たすことが有効です。
おやつが出る知恵玩具や、フードパズルなど、猫が頭を使う遊びを与える様にしましょう。
︎まとめ

誤食が見つかった際には、すぐに動物病院を受診する事が大切です。
誤食したものが、胃から腸に流れて吸収されるまでには約30分の時間がかかります。よって、30分以内であれば吐かせる処置をする事で、成分が体内に吸収されるのを防げる可能性があります。
また、30分以上が経過してしまった場合であっても、なるべく早く動物病院を受診し、体中の毒素を薄める事が大切です。
動物病院に行く際には、誤食してしまった実物を持参して受診する様にしましょう。