猫が憧れる『理想の生活』とは?欠かせない7つの条件と環境作りのコツ

猫が憧れる『理想の生活』とは?欠かせない7つの条件と環境作りのコツ

猫の順応性は素晴らしく、先祖代々野良猫だったコでも、保護すれば家の中でも十分に楽しく快適に過ごせます。ポイントは猫の理想の生活。猫の本能を十分満たすことで、猫は満足してそこでの生活が楽しめるのです。愛猫はいまの生活に満足していますか?

1.安全で快適な場所であること

窓辺で寝る猫

猫が安全で気持ちいい住処を欲しがるのは、人間と同じで「安全でいたい」という気持ちがあるからです。これはどの動物でも持っている本能ですが、テリトリーを作って暮らす猫は特にその傾向があります。

天敵がいないこと、悪天候に影響されないこと、食べ物が安定してあることなど、私たちにとって当たり前の「安全な家」は、猫にとっても欠かせません。

また、自然界に存在しない危険なものは、飼い主が判断して猫の安全性を守ってあげる必要があります。電気コードにはカバーを付け、誤飲などの心配がある小物は収納ボックスなどを使い、猫の手が届かない場所に置きましょう。

2.狩猟本能を満たす遊びの時間

遊ぶ猫

猫は獲物を見つけて、追いかけ、捕まえる(食べる)という行動によって満足感や達成感を得られます。しかし、車が行きかういまの時代、安易に猫を外に出すわけにはいきません。

その代わりに、おもちゃ遊びで欲求を満たしてあげましょう。生活上のストレス発散や適度な運動、心の充足などメリットがたくさんあります。

ヒモやネコじゃらしを使って、本物の狩りの代わりとなる遊びをさせましょう。1日2〜3回、10〜15分遊ぶだけで、猫は生き生きと過ごせます。

ただし、猫も飽きることがあります。使用後のおもちゃは猫の見えない場所に片付け、いくつかの種類をローテーションすると遊びへの興味が持続します。

3.縄張り意識を尊重した空間

箱の中でカッコいいポーズをきめる猫

縄張りをつくって暮らす猫には、ひとりきりで休息ができるパーソナルスペースの確保が必要です。ほかのペットや飼い主との適切な距離感を保つためにも、専用の寝床をいくつか用意してあげましょう。

部屋の中で自分だけの「拠点」を持てる猫は、何の仕切りもない大部屋で生活する猫に比べてストレス値が低いとされています。

猫の専用スペースとして、段ボール箱やドーム型ベッドを高い場所や窓際など、見晴らしのいい場所に置いてあげましょう。きっとお気に入りの拠点にするでしょう。

4.清潔なトイレ環境

トイレ掃除を見守る猫

私たちが清潔なトイレを使いたいのと同様に、キレイ好きな猫にとってはトイレ環境も重要なポイントです。トイレや排泄に関する問題行動の原因の中には、トイレへの不満から始まるものもあるのです。

猫の理想は、おうちのどこで「催しても」すぐに入れるトイレがあること。つまりいつでも清潔なトイレが使える環境が理想です。しかし、実際に家中に猫のトイレばかり置いてしまったら、人間が生活するスペースが限られてしまいます。

そのため、飼っている猫の数より1つ多く用意することが推奨されています。静かで落ち着ける場所、食事場所から離して配置することで猫のストレスを軽減できます。可能な範囲で分散して置けば、猫はいつでも清潔で落ち着ける場所を選べます。

5.おいしい食事

猫とお寿司

理想の生活に、おいしい食事は絶対に欠かせない条件のひとつ。肉食動物の猫は動物性たんぱく質が主要ですが、さらにそれがおいしければ猫は心から大満足です。

猫は基本的に嗅覚を使って食べられるかどうか、おいしそうかどうかを判断しています。しかし、おいしいもの、つまり食いつきがいいものが、猫の身体にいいとは限りません。安価なフードは、小麦粉を練って焼いたようなものに魚粉をふりかけておいしそうにしている場合もあります。

猫は必要な栄養を判断できませんが、元気でいたい気持ちはあります。飼い主が良質なフードを選ぶことが、猫の幸せな暮らしの基礎になります。

6.爪とぎの習性を発揮できる環境

大きな爪とぎ

猫の爪とぎはときに壁や家具などを傷付けるので、人間側の都合で嫌われることがありますが、爪とぎは、猫が「自分」を示す大切なコミュニケーションであり、マーキングやストレス解消のために必要な行動です。

問題は、その爪とぎの場所です。適切な場所に爪とぎを設置しておかないと、猫は家具や壁で爪とぎをしてしまう可能性が高くなります。

猫の通る動線やお昼寝スポットの近く、家の廊下の曲がり角など、猫がマーキングしておきたくなるような場所に、複数個所あるのが理想です。段ボール製の製品が多くありますが、好みに合わせて素材にもこだわるといいでしょう。

7.飼い主との適度なコミュニケーション

女性の肩に乗る猫

猫はよく単独生活をするといわれていますが、単にひとりぼっちで生きているわけではありません。近親関係のある猫は、わりと頻繁に猫同士での交流を持つことがわかっています。

同じように、飼い猫にとっても飼い主とのコミュニケーションが重要です。猫の理想は、自分のペースが守られる関係性です。たとえば、日中に留守番するときのひとりの時間と寝る前に飼い主と遊んだり甘えたりして過ごす時間が、自由にバランスが取れる環境を求めるのです。

そのため、甘えん坊な性格でない限り、イレギュラーに構われるのは好みません。猫が寄ってきたタイミングがちやほやと甘やかすのに最適な時間なのです。

まとめ

セレブ猫

猫の理想の生活は、それほど特別なものではありません。猫の習性を理解することと、いい意味での擬人化をすることで、愛猫の心を満たす環境を整えることが可能です。

ポイントは、人間の都合ではなく猫目線で生活環境を見直すことです。住宅は人間中心に作られているため、完璧に猫向けにするのは難しいですが、工夫次第で猫も人も満足できる環境にできます。

猫の様子と家の中を観察しながら「理想の生活」を実現していってあげましょう。飼い主さんにとっても楽しい作業となるはずですよ。

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