1.エネルギーを発散するため

猫が就寝中の飼い主を襲う理由のひとつは、日中に溜まったエネルギーを発散するためです。現代の室内猫は運動不足になりやすいため、夜になっても眠れず、飼い主にちょっかいを出して遊ぼうとすることがあります。
この行動は、特に遊び盛りの子猫に多く見られます。好奇心旺盛な子猫にとって夜は刺激にあふれた時間であり、「夜は眠るもの」という感覚がないため、飼い主が寝ていても構わず遊びに誘おうとします。
もちろん、成猫にも同じ行動が見られる場合があります。対策としては、日中に運動できる時間をつくってあげることです。1日10分程度でもよいので、キャットタワーやおもちゃで思い切り遊ばせましょう。留守番中に退屈しないよう、自動式のおもちゃを用意するのも効果的です。
2.空腹や欲求不満を伝えるため

夜中にお腹が空いて「何か食べたい」とアピールしている可能性もあります。空腹以外にも、トイレが汚れている、水がなくなっている、寝床がいつもと違う場所にあるなど、何らかの要求をしているケースも考えられます。その際には、飼い主を引っかいたり噛んだりして必死に起こそうとします。
猫は学習能力が高いため、一度成功した行動を覚えてしまうことがあります。「前にこの方法で飼い主が起きてくれたから、今回も大丈夫」と考えているのかもしれません。
猫の要望に応えてあげることが習慣化するとお互いに寝不足になってしまいます。食事の量や時間を調整したり、就寝前に水やトイレ、寝床の状態を必ず確認し、夜中に困ることがないようにしてあげましょう。
3.狩猟本能のため

猫はもともと狩猟をして暮らしてきた動物です。室内で暮らすようになった現代でも、その本能が完全に消えることはありません。寝ている飼い主の動きが獲物のように見えて、思わず攻撃してしまうこともあるのです。
シーツの中でモゾモゾ動く様子は、茂みの中に隠れる小動物を連想させます。シーツがこすれる「カサカサ」という音も猫の本能を刺激します。こうした刺激をきっかけに、猫は前傾姿勢でお尻を振りながら飼い主を狙ってしまうのです。
とはいえ、毎晩襲われるのは飼い主にとって大きな負担です。猫は遊び好きな性格であることが多いため、就寝前に十分遊んであげることで解消できます。
4.ストレスや病気のため

ストレスや不安といった精神的な負担が原因で、飼い主を襲ってしまうこともあります。生活環境の変化やコミュニケーション不足がストレス要因となり、それが攻撃行動につながる場合があるのです。
また、認知症や脳障害、甲状腺機能亢進症などの病気が影響していることもあります。時間の感覚が乱れたり、痛みや違和感で眠れなくなったりするためです。猫に多い泌尿器系疾患でも、夜に活動が活発になることがあります。
このような場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。さらに、生活環境を見直し、ルーティンを整えることでストレスの軽減につながります。
まとめ

もともと野生の猫は夜中から明け方に活動していました。そのため、猫に人間の生活リズムを身につけてもらうには、飼い主が工夫をすることが必要です。
日中のエネルギー発散や生活リズムを乱さない配慮を心がけ、「夜は眠る時間」という習慣を猫に身につけさせてあげましょう。