1.飼い主さんを確認したい

イエネコにとって、飼い主さんは「縄張りの一部」のような存在です。したがって、猫は飼い主さんも「自分のテリトリー」として認識することがあります。
もし、飼い主さんがトイレやお風呂などドアの向こう側にいたとしましょう。気配は感じるのに姿が見えないと、猫は「本当にそこにいるのかな?」と不安になり、存在を確認したくなることがあります。
その確認行動の一種が、ドアの下から手を伸ばしてくる行動です。愛猫を安心させてあげるには、「ここにいるよ」と声をかけるのがよいでしょう。
2.遊びたい・かまってほしい

ドアの下の隙間には、猫にとっては狩猟本能がくすぐられる条件が整っています。
猫は狩猟本能があるので、小さな隙間に「何かが見える」「その先に動きを感じる」という環境は、まさに狩りのシチュエーション。飼い猫であれば、遊びたいスイッチがONになる可能性が高いのです。
飼い主さんはドアの向こう側にいるので、猫の様子を確認することは難しいですが、機会があればスマホで動画を撮影してみてください。目がキラキラしていたりシッポの先をピクピク動かしたり、低い姿勢で揺れたりしているようなら「遊びたい」のサインでしょう。
なお、愛猫がドアの下から手を伸ばしたのがトイレだったとき。トイレットペーパーを使って遊んであげた記憶はありませんか?猫は過去に起きた楽しい記憶が原因で、ドアの下から手を伸ばす習慣がつくこともあります。
飼い主さんのトイレやお風呂などの生活と、猫と遊ぶ時間は別のものなので、一緒くたにするのはおすすめできません。猫がかまって欲しいと感じているときは、おもちゃで遊ぶ時間を作ってあげてくださいね。
3.取り残されたことに不満

猫は自分の思いのままに動きたい性質をもちます。「ドアの向こうに飼い主さんがいるだけ」という状況は、一見、猫には無害に思えますが、実は、飼い主さんのことが好きな猫ほど、ストレスにつながるのです。
猫にとって「大事な場所=飼い主さん」であったとしたら、自分が物理的に自由に動き回れる状態だとしても「自由を奪われた」と認識します。
たとえば閉じこもっているのが飼い主さんの方だとしても、猫の目線では「閉め出された」と感じてしまうのです。自由を遮断されたと感じ、ドアの下から「抗議の手」を伸ばしたり、床をガリガリ引っ掻くなどして、アピールすることがあるでしょう。
このとき、飼い主さんはついすぐドアを開けたり、相手をしてあげたりしたくなりますが、グッと我慢するのが正解です。毎回ドアを開けてしまうと、それがクセになり、猫はドアが開くまで抗議することを覚えてしまうからです。
できれば少し時間が経過して、猫が静かになってからドアを開けるなど、徐々に慣れさせるようにしましょう。
まとめ

愛猫がドアの下から手を伸ばす理由は、飼い主の姿を確認、遊びたい衝動、探究心や不満などが考えられます。
仕草としてはとてもカワイイのですが、毎回反応してしまうと「手を出せば要望が通る」と学習してしまい、夜中や忙しい時間に関係なく、続いてしまうかもしれません。
寝室やお風呂などでドアを閉めるときには、ご飯やスキンシップで満足させるのがポイント。「ドアを閉めても飼い主に見捨てられたわけじゃない」という安心感を与えると、猫も心地よく過ごせるでしょう。