手元供養とは?愛猫を近くに感じられる供養のかたち

愛猫を見送ったあと、お骨をすぐにお墓や納骨堂に納めず、自宅で大切に保管することを「手元供養」と呼びます。
写真や思い出の品と一緒に置いておくことで、「まだ一緒に暮らしているように感じられる」と心の支えになる飼い主さんは少なくありません。
人と違って「必ずこの日までに納めなければならない」という決まりはなく、気持ちが落ち着くまで続けられる柔軟な供養の方法といえるでしょう。
愛猫の『お骨を手元供養』するときの注意点

お骨は時間が経つにつれて変化していくものです。きれいに保存するためには注意すべき点があります。
ここからは、安心して手元供養を続けるために知っておきたい3つのポイントを紹介します。
1.湿気を避けることが一番の基本
お骨は非常に湿気に弱い性質を持っています。湿気を含むとカビが発生したり、変色してしまうことがあるのです。
たとえば梅雨時期に押し入れへ布団をしまうとカビがつくことがあるように、お骨も空気中の水分を吸いやすいため、保管環境がとても大切になります。
おすすめは、風通しの良い部屋に置き、骨壺の内側に乾燥剤を入れておく方法です。
市販の「シリカゲル」や「除湿剤」で十分対応できます。毎月1度は乾燥剤を交換し、壺の内側も柔らかい布で軽く拭いてあげると安心です。
2.直射日光や高温を避ける
骨壺を窓際や日差しの強い場所に置くと、壺が熱を持ち、内部の環境が悪化します。安全なのは、リビングの一角や棚の上など、温度変化の少ない場所です。
カーテン越しの柔らかい光が差す程度であれば問題ありません。もし「仏壇のようにちゃんとした場所がない」と気になる方も、写真立てと一緒に机の上に並べるだけでも十分です。大切なのは環境よりも、そこに込める飼い主さんの気持ちだと考えましょう。
3.将来のお世話ができなくなる可能性を考えておく
手元供養は心の支えになりますが、将来的にお骨のお世話が難しくなることも考えられます。
転居や高齢、体調の変化など、さまざまな理由で「もう自分では管理できない」と感じる日が来るかもしれません。
そのときのために、霊園や納骨堂へ納める選択肢を知っておくと安心です。さらに粉骨した場合、専用のペンダントやカプセルに分けて持ち歩くこともできます。
形は変わっても愛猫を身近に感じ続けられる方法はあるので、将来を見据えて準備しておくと心強いでしょう。
保存期間に明確な期限はない

「お骨をいつまで手元に置いていてよいのか」と悩む方はとても多いです。実際には法律上の期限はなく、飼い主さん自身が納得できるタイミングで納めれば大丈夫です。
たとえば「気持ちが落ち着いたから霊園にお願いしよう」と思える日まで自宅に置く方もいれば、「ずっと家にいてほしい」と考え、小さなカプセルに分骨して身につける方もいます。
人によって手元供養の選び方はさまざまです。大切なのは、「こうしなければいけない」という形に縛られず、飼い主さんが心穏やかに過ごせる方法を選ぶこと。無理に期限を決める必要はありません。
まとめ

愛猫のお骨を手元に置くことは、飼い主さんにとって大切な時間を過ごす手段のひとつです。
湿気や日差しから守るだけで、長くきれいな状態を保てますし、保存期間には決まりがないため、自分の気持ちを優先しましょう。
心が少しずつ落ち着いてきたら、お墓や納骨堂に納めるのも良い選択ですし、そのまま身近に感じながら暮らすのも素敵な方法です。
大切なのは、愛猫を思う気持ちがこれからも続いていくこと。形は違っても、その想いが供養そのものになるのです。