猫が毎晩『大運動会』を開催する4つのワケ 激しくて困っているときの対処法も

猫が毎晩『大運動会』を開催する4つのワケ 激しくて困っているときの対処法も

夜になると始まる猫の「大運動会」。その激しい行動の裏には、猫の習性と本能が深く関わっています。本記事では、なぜ猫が夜中に活発になるのかを解説していきます。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫が「大運動会」を開催する4つの理由

走り回る猫

1.元来の習性

猫の祖先は、夜間に活動する習性を持つ動物でした。これは、獲物となる小動物が夜に行動することが多かったため、猫もそれに合わせて進化してきたからです。

現代の猫も、その遺伝子を強く受け継いでおり、日中は眠って体力を温存し、夜になると活動的になる「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」という習性が残っています。夜中の大運動会は、この本能的なリズムに従ってエネルギーを発散している状態です。

人間と猫の活動時間がずれているために困ってしまうことがありますが、これは猫にとってごく自然な行動なのです。

2.狩猟本能

猫は、本能的に獲物を追いかける習性を持っています。室内で暮らす猫は、この狩猟本能を満たす機会が少ないため、夜中にそのエネルギーが一気に放出されることがあるようです。

おもちゃを捕まえたり、家の中を駆け回ったりする行動は、野生で獲物を追いかける様子を模倣しているのです。これは、猫の精神的な健康を保つ上でも重要な行動であり、満たされない狩猟本能が夜中の大運動会という形で現れていると考えられます。

3.運動不足

日中の活動量が不足している場合、猫は有り余るエネルギーを夜に消費しようとします。これは、猫が本来必要とする運動量を満たせていないことが原因です。

運動不足は、ストレスの原因にもなり、夜間の大運動会をさらに激化させる可能性があるので注意が必要です。

そのため、日中の適切な運動は、夜の安眠のためにも時間を設けて取り入れるようにしましょう。

4.ストレス

環境の変化や退屈、あるいは飼い主とのコミュニケーション不足は、猫にとって大きなストレスとなります。このストレスが、夜間の「大運動会」という形で現れることがあるようです。

たとえば、引っ越しや新しいペットが増えたこと、留守番時間が長くなったことなどが原因で、猫は不安を感じるかもしれません。猫は、ストレスを発散するために走り回ったり、大きな声で鳴いたりすることがあります。

このような行動は、単なる遊びではなく、猫からのSOSである可能性も考慮する必要があるでしょう。

困ったときの対処法と注意点

おもちゃで遊ぶ猫

夜間の大運動会に困っている場合、まずは日中の活動量を増やすことから始めましょう。1日複数回、時間を決めて集中して遊んであげるのが効果的です。特に、寝る前にたっぷり遊ばせてあげると、満足してぐっすり眠る傾向があります。

また、猫が自由に遊べるおもちゃ(知育おもちゃなど)を置いておくのも良いでしょう。注意点として、大運動会中に無理に止めさせたり、怒鳴ったりしてはいけません。猫はなぜ怒られているのか理解できず、かえってストレスを増やす可能性があります。

もし行動がエスカレートしたり、他の健康問題も同時に見られる場合は、病気が隠れている可能性もあるため、獣医師に相談してください。

まとめ

キャットタワーで遊ぶ猫たち

猫の「大運動会」は、狩猟本能や習性からくる自然な行動です。運動不足やストレスが原因の場合もあるため、日中にたっぷり遊び、猫が安心して過ごせる環境を整えることが大切です。

猫のペースを尊重しながら、快適な共同生活を目指していきましょう。

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