猫の『地震予知』にまつわる3つの通説 よく見られる行動やいち早く気づける理由など

猫の『地震予知』にまつわる3つの通説 よく見られる行動やいち早く気づける理由など

猫が地震を予知できるという通説について、その根拠とされる行動や、人間より早く異変を察知する理由を解説していきます。実際の事例や、愛猫の行動から災害に備えるヒントもまとめました。

猫が「地震予知」するって本当?

瓦礫と猫

「猫が地震を予知する」という表現は、厳密には正しくないと言えます。なぜなら、猫は未来に起こる出来事を予測しているわけではなく、地震の前に発生するさまざまな物理的・化学的な変化を、人間よりも鋭い感覚で捉えているからです。

これは、雷の前に空気が変わるのを感じたり、雨の前に湿度が上がるのを感じたりするのと同じで、特定の状況下で起こる前兆を感知しているに過ぎません。

したがって、猫の行動は地震が起こる可能性のあるサインとして捉え、飼い主が防災意識を高めるきっかけにするとよいでしょう。

猫の「地震予知」にまつわる3つの通説

隠れる猫

1.騒ぎ出す・隠れる

猫の「地震予知」に関する通説のひとつとして、地震前に猫が突然騒ぎ出したり、物陰に隠れたりするというものがあります。

これは、猫の優れた聴覚が関係していると考えられるようです。人間には聞こえない、地中から発せられる微細な音や、建物のきしむ音、電磁波の変化などを、猫は敏感に察知している可能性があります。

これらの音や変化が原因で、猫は不安や恐怖を感じ、大声で鳴いたり、安心できる場所を求めて隠れたりする行動に出るのかもしれません。この行動は、単なる予知能力ではなく、優れた五感による危機察知能力の表れと捉えられています。

2.落ち着きなく徘徊する・高所へ逃げる

落ち着きなく家中をうろうろしたり、普段登らないような高い場所に避難したりする行動も、地震予知の通説として挙げられます。これは、猫が気圧の変化や地面の微細な振動を感じ取っているためと考えられているようです。

特に、地震の際に最初に到達する微弱な揺れである「P波」を、人間よりも早く察知している可能性があります。

また、猫は元来、危険を避けるために高い場所や安全な場所を確保しようとする本能を持っています。そのため、異変を感じた猫が、より安全だと感じる高所や開けた場所へ移動しようとして、このような行動をとることがあるのです。

3.飼い主に甘える・離れなくなる

地震前に猫が飼い主に甘える、あるいは体を寄せたり離れなくなったりするという通説も広く知られています。この行動は、猫自身が異変を感じているだけでなく、飼い主の無意識の行動や心理状態を察知している可能性があると考えられているようです。

人間も、大地震前には微弱な揺れや気圧の変化などから無意識のうちに不安を感じることがあります。猫はその飼い主の不安を察知し、ストレスや緊張を和らげるために、飼い主に甘えることで安心を求めているのかもしれません。

猫の「地震予知」について科学的根拠はある?

高所に逃げる猫

猫が地震を予知するという明確な科学的根拠は、現在のところ確立されていません。しかし、猫の優れた五感が地震の予兆を捉えている可能性については、複数の研究で示されています。

猫は、人間が感じることのできない微弱な揺れや、地中から放出されるガス、電磁気の変化などを敏感に察知していると考えられています。これは「予知能力」というよりは、進化の過程で培われた「危機回避能力」であるという見方が有力です。

つまり、猫は自然界の異変をいち早く察知し、本能的に安全を確保しようと行動しているに過ぎないのです。

まとめ

何かを察知する猫

猫が「地震予知」をするというよりは、優れた五感で自然界の微細な変化を捉え、危機を回避しようと本能的に行動していると考えるのが妥当です。

愛猫のいつもと違う行動は、災害への備えを見直す貴重なサインとして受け止め、日頃から防災意識を高めるきっかけにしましょう。

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