1.愛玩動物飼養管理士

最初に紹介したいのは、「愛玩動物飼養管理士」です。
「愛玩動物飼養管理士」は、公益社団法人・日本愛玩動物協会が主催する民間資格で、動物愛護法などのペット関連法令に基づいて、愛玩動物(ペット)の適正飼育や動物愛護の精神を広める大切な役割を担っています。
その設立背景には、ペットをめぐる社会問題や動物愛護法の改正への対応といった事情があります。
「愛玩動物飼養管理士」の最大の特徴は、この資格を取得すれば、ペットショップやブリーダー、ペットホテルなどの運営に欠かせない「動物取扱責任者」の選任要件を満たすことができる点です(※)。
※選任されるには、資格を得ていることに加え、半年以上の実務経験、もしくは実務経験と同等の1年以上の飼育経験が必要です(自治体によって条件は異なります)。
ちなみに、「愛玩動物飼養管理士」は、受験資格や難易度の違いはありますが、1級、2級にかかわらず、選任要件を満たすことができます。
最後に、資格取得までの流れを参考程度に記しておきます(以降、提示する金額は、2025年8月現在のもの)。
①日本愛玩動物協会に受講を申し込む(教材費含む税込みで1級34,000円、2級32,000円)
②教材が届いたのち、自宅にて学習(オンラインスクーリングも)
③11月と2月の年2回の認定試験を受ける(全国主要都市の会場で)
④受験の1ヵ月後に合否通知が届く
猫好きが高じて、猫のためにひと役買いたい、と願う飼い主さんは、「愛玩動物飼養管理士」に挑戦してみるのも良いかもしれません。
2.キャットケアスペシャリスト

「キャットケアスペシャリスト」は、一般社団法人・日本ペット技能検定協会が認定する民間資格です。その名の通り、猫を取り扱うスペシャリストを養成するために設立されました。
この資格で特徴的なのは、基本的な飼育管理を前提に、生態学から繁殖学、看護学、介護学、さらに美容学まで幅広い項目を網羅していることです。そういう意味では、近年、多様化する猫関連業界に対応した資格と言えます。
資格取得までのプロセスはシンプルで、以下の通りになっています。
①日本ペット技能検定協会が提携する通信講座に申し込む(教材費含む税込みで121,000円)
②カリキュラム修了で受験資格をクリア
③在宅で添削課題を解く(認定試験の代わり)
④合格後、同協会にライセンスを申請する(申請料は税込みで14,000円)
「キャットケアスペシャリスト」は、年齢制限がないので、猫に興味を持つ方、猫のことをもっと知りたい学習意欲の高い方であれば、誰でも取り組みがいのある資格です。また、ペットショップなどの民間業界だけでなく、地域のボランティア活動にも活かせます。
3.猫健康管理士

日々、愛猫と暮らすなかで、体験的に知っていることでも、専門知識の裏打ちがないため、自分のやり方が正しいかどうか、あまり自信が持てない、と思い悩む飼い主さんもいることでしょう。
そんなみなさんには、全日本動物専門教育協会主催の「猫健康管理士」の資格が役に立つかもしれません。
「猫健康管理士」では、健康維持だけでなく、早期の病気予防、日常のグルーミング方法、栄養管理についても、普段の生活に取り入れやすい実践的な知識を学べます。
具体的にカリキュラムを紹介すると、猫の歴史、人との関わりから始まり、基礎生態学、遺伝学、適正飼育、健康のための栄養学、世界の猫種などが含まれています。
カリキュラムを通じて体系的に学習することで、今まで身についた知識(体験)が統合され、愛猫の健康により深くアプローチできるようになるはずです。
「猫健康管理士」の資格取得の流れは、「キャットケアスペシャリスト」とほぼ同じで、上記の主催元による通信講座のカリキュラム修了後、認定試験問題の合格基準に達すると、晴れて資格を与えられます。受講料と教材費を含めると、定価で6万円(税込み、送料込み)です。
「猫健康管理士」の資格を取得すると、愛猫の健康のためはもちろん、視野を広げて、ペットショップや猫カフェ、猫シェルターなどでも培った知識を活用できます。
まとめ

今回は、猫にちなんだ資格として、「愛玩動物飼養管理士」「キャットケアスペシャリスト」「猫健康管理士」の3つを紹介しました。
仕事に直結する、しないの違いはありますが、どの資格も取得したあかつきには、今までよりもずっと猫についての理解が深まっているはずです。向上心に火がついて、資格を活かせるペットショップやブリーダー、猫カフェ運営に挑戦してみるのも良いでしょう。
もしみなさんが興味を引かれ、猛勉強の末、資格を取得したら、愛猫がより快適に幸せになるように、身についた知識を実践してみてください。